
「創作物は理想の表現」末麦さん

●末麦
Profile
滋賀県出身クリエイター。
人や動物、食べものなど様々なものをかわいく、お洒落に描きます。
普段目にするものを要素として取り入れており、日常を感じられるイラストを描くのが得意です。
もぐもぐくまさん(もぐまシリーズ)を展開したりと、ジャンルにとらわれず幅広く活動中。
誰かの日常に、明るさや癒しを届けられるようなクリエイターを目指しています。
―クリエイターさんとして活動するきっかけというのはありましたか?
末麦:そうですね。学校の授業で実際に自分の商品を販売するという経験をしたことがきっかけになります。
―元々お子さんのときからイラストを描くのがお好きだったんですか?
末麦:保育園の頃からずっと絵を書くことが好きで、漠然とイラストを描く仕事に就きたいなという考えはありました。ただ、実際に自分の作品を売るという経験はしたことがなかったので、その学校の授業を通して商品販売がすごく楽しいことなんだっていうのを感じました。
―デザイン系の専門学校に入学されたのは、イラストを職業にしたいという気持ちがあったんですか?
末麦:そうですね。高校生の頃に吹奏楽部に所属していたんですけど、吹奏楽部の演奏会のポスターを制作したことがきっかけで、デザインの学校に入りたいなっていう思いがありました
―それまではイラストを他の方に見せたりすることはありましたか?
末麦:友達に見せたりとかファンアートをSNSにアップしたりとかいうことはありました。
―多くの人に見てもらうっていうのは、ポスターを描いた時が初めての経験でしたか?
末麦:そうですね。
―そのときはどんなふうに感じられましたか?
末麦:初めての経験だったので、友達と試行錯誤しながら進めました。
ポスターってお客様が来てくれるように宣伝するものだと思うんですけど、そういったものを作った経験がなかったので、販売促進方法をSNSで調べたりして、すごい自分にとって新しい経験ができたと思います。
―良い体験ですね。それまではどういったイラストを描いてましたか?
末麦:主に漫画だったりアニメのキャラクターの二次創作だったり、あとは実際にいらっしゃる方のファンアート、アイドルなどのファンアートを描くことが多かったです。
―専門学校に入られた後、なにか自身が描かれるイラストのテイストが変わりましたか?
末麦:それまで二次創作しかしてこなかったので、実際に自分自身で考えた創作物っていうのはほぼ初めてでした。あんまりどういったものが好まれるのかっていうのがわからなかったのですが、周りの方々は二次元的なイラストが多かったので、自分は違う感じで攻めていこうと思いました。モチーフも人ではなくて、動物や食べ物を題材にしたものを制作しようと思いました。
―まわりと違うものを描きたいなっていうのは、どういう理由からでしたか?
末麦:そうですね。他の人と違うことがしたいといいますか、自分らしさっていうのが、あんまり自分でもわかってなかったので、とりあえず人がしていないことをやってみようっていう考えがありました。
―今、末麦さんの中で自分らしさっていうのはありますか?
末麦:そうですね。最近気づいたことなのですが、色使いがカラフルなものがとても好きだなと思いまして。どちらかといえば、おしゃれにポップに仕上げています。
今までの自分の創作物を見返してみると「あ、こういう共通点があるんだ」と思うところがポップな部分です。
―自身のオリジナリティは自然に生み出して表現していますか?
末麦:そうですね。おそらくですけど、心の中にカラフルな要素が好きだっていうのもありますし、あとは明るいものが好きなので、見て楽しいと思える印象を受けるようなものは、無意識の中で制作に取り入れていると思います。
―描きたいもの、テーマというのはすぐに決まる方ですか?
末麦:生活しているなかで、ふとしたときにこういったものを描きたいなって思います。
―あんまり描きたいものには困らない?
末麦:そうですね、何か身近なものを描くことが多いので、いろんなとこにモチーフがありますね。好奇心が旺盛なタイプなので、色々なものがよく見えるというか描きたくなります。
―末麦さんご自身は結構ポジティブですか?
末麦:どうなんでしょう。どちらかと言えば多分ネガティブな方です。
その反動でポジティブなものが描きたいんだと思います。
―なぜそのように思われますか?
末麦:子供の頃はあまり人と喋らないタイプで、ずっと1人で描いていたことが多かったんですが、社会人になるためにネガティブさを改善したいと思いまして。人と関われるような明るい人間になりたいなと思ったことがきっかけで、創作物に対しても明るい要素とか楽しいなと思える要素を入れたんじゃないかと思います。
―では創作物は末麦さんの中で理想の表現ですか?
末麦:そうですね。理想だと思います。
―なるほど。実際に描いてみて末麦さん自身は変わりましたか?
末麦:変わったと思います。何か自信がつくようになりましたね。イラストが自分に感情移入していると思うので、楽しいイラストを描いていたら自然と笑顔になることがあります。笑顔が増えることが多くなったと思います。
「ふとした幸せを届けたい」
―クリエイターさんとして活動されていて良かったことってありますか?
末麦:やっぱり見てくれている方や購入してくださる方に喜んでもらえるというのが一番大きいですね。特にSNSのように見て終わりではなくて、ちゃんとお金を払ってまでイラストやグッズを手元に欲しいと思ってもらえることは嬉しかったことです。
―では何かご苦労していることはありますか?
末麦:最初の頃は本当にこれが売れるのかという不安が大きくて、とても心配になって踏み出せないことが多かったんです。だけど、自分の絵が上手くなってからやってみるんじゃなくて、とりあえずは始めてみようと思いまして、そう思えたことが続けてきた理由になるんじゃないかなという風に思います。
―上手くなってからではなくて、とりあえず始めるって結構できないですよね。
末麦:SNSにアップするときも、すごい時間をかけて作ったものよりも、ラフだったり、落書きの方が見てもらえるということも多かったです。自分の考えていることがそのまま返ってくるというよりかは予想外な反応があることの方が多いので、それだったら考えるより先に行動しようと思いまして。とりあえずはやってみようっていう考えになりました。
―素敵なことだと思います。
イラストを描く上で大切にしていることはありますか?
末麦:ふとした幸せを届けるっていうのをテーマに活動しています。例えば、自分が買い物する時に好みの商品を見ると笑顔がこぼれたりする経験があるので、今度は自分がその経験を多くの人に届けたいなと思っています。
日常の中で見つけるふとした幸せを届けることを大事にしています。
―先ほど身近なものを題材にするというお話がありましたが、ふとした日常の幸せにつながる身近なものとは具体的にどのようなものですか?
末麦:スイーツとか「食」は身近で好きな人も多いので、そういったスイーツのかわいさや、おいしそうなイラストを描くことで、日常のちょっとした幸せを感じられるものを描きたいと思っています。
―今後やりたいことや展望とか予定などはありますか?
末麦:そうですね。通販サイトでの販売もやってみようかなというふうに思っています。
―最後にファンの方へ一言お願いします。
末麦:まずはいつも応援してくださってありがとうございますっていうのと、あとやっぱり私にとってファンの方の存在は、活動を続ける理由そのものだというふうに思っていますので、今後とも末永くお付き合いしていただければなと思います。