始まりは天からの衝撃
―現在の主な活動を教えてください。
ゆっきゃーな:フランスのジャパンエキスポに出展させていただいたり、京都の扇子屋の大西京扇堂さんとコラボした扇子を、台湾で販売させていただきました。今後の出展もいろいろ決まっていて、ワールドアートドバイや、スペインのエウヘニオ・グラネル財団美術館に出展させていただけることになりました。
―たくさん決まっていらっしゃいますね!
ゆっきゃーな:はい、そうですね。ありがたいことに展示会が数件決まっております。
―海外活動は自分から意欲的にされているのですか?
ゆっきゃーな:そうですね。日本で出展する中で、日本の方はまだそんなにアートに関心が薄いのかなって感じたのと、海外の方のリアクションを見てみたいなという興味から始まって、海外を中心に活動させていただいています。
私はアートを通していろんな国の人に笑顔になってもらうことがすごく嬉しいなと思うし、そうして最終的な目標というか、一番上に来るのは世界平和ですね。
そのための一つの表現方法がアートでした。
―アーティストとして活動されるきっかけを教えてください。
ゆっきゃーな:ちょうどコロナが始まった年にオーストラリアへ留学に行っていたんです。日本人1人の状況で、友達もできたんですけど、やっぱり不安で。英語はペラペラではなかったですし。
そんなある日、友達に誘われてハイキングに行ったんですよ。ただ、思っていたより結構激しめの山だったんですよね。天気が悪くなってだんだん暗くなり始めたので帰ろうと思ったんですけど、雨が降ってきて、雷も鳴り始めて遭難してしまいました。。みんな必死で逃げ帰っている時に、友達とはぐれて山の中で1人になっちゃったんです。怖すぎて意識が朦朧としてきた時に、走馬灯みたいな映像が頭の中に流れてきたんです。
『私はこんな感じで死んじゃうんやな』って考えていたときに後ろでドーン!って雷が落ちて、電流が地面を伝って私の足にビリビリって伝わってきたんです。
その時、意識がハッ!っと戻って動けるようになり、歩き始めたら友達と再会できて助かりました。その時期から絵を描き始めたんです。
―どういう心境で描き始めたのですか?
ゆっきゃーな:コロナで不安やストレスがある中で、お母さんに「日本に帰れるかな。コロナ落ち着くまでこのままオーストラリアにいられるかな」と連絡をしたんですよね。
正直お母さんとはあまり仲のいい関係ではなくて、親子関係に今まですごく悩んでいたから、久しぶりに連絡してみたんです。そしたら、久々に連絡したのに冷たくて。「なんでそんなに冷たいの」ってお母さんに勇気を出して聞いてみたら、実はお母さんのお母さんは早くに亡くなっていて、「母親」というものがわからないっていう話をそこで初めて知ったんです。
「だから今まで冷たくしちゃったかもしれん、ちゃんと向き合えなくてごめん。子育てから逃げてごめん。」と言われた瞬間、いろんな感情が溢れて病みました。
その苦しさをぶつける先がアートでしたね。気がついたらバーって泣きながら描いていました。
―例えば小さい頃から絵が好きだった、描いていた時期がある、というわけではないのですか?
ゆっきゃーな:全く、美術系の学校にも行ってないです。
絵を描き始めたばかりのときにバーッて描いた1冊のスケッチブックがあるんですけど、闇深くて誰にも見せたくないと思っていたんです。それを日本に持って帰ってきて、なんとなく親友に見せたんですよ。そしたら手に取ってもらった瞬間に親友が泣き始めて、「そんな病んでたん?」と言われた時に、絵を通して感情が伝わったことに感動したんです。それからアートでなにかできることがあるのではって思いましたね。
―苦しい経験を生かして、作品を通して気持ちを伝えられたのですね。
ゆっきゃーな:そうですね。以前ストーカーされたことがあったんですけど、怖すぎてその時の感情をぱっと絵に描いてみたんですよ。それを初個展で出展したときに、その絵を買ってくれた人が隣人のストーカーに迷惑している人だったんです。それで「この絵をその家の方向に向けて置いたら多分魔除けになりますよ」って提案してみたんですけど、実際その通りにしてみたら効果があったみたいで、後日連絡をいただいたことがあります。
私のちょっとバッドなエピソードも絵にして誰かの心の支えになったので、作品を通して気持ちを伝えることができると思いました。
―クリエイター活動している中で良かったことはありますか?
ゆっきゃーな:絵を描くようになってから、ほんまにこれが私の使命だとか、自分の魂が喜んでるっていう感覚に初めて出会えました。
絵を描いていると、たまにゾーンに入って気持ち良くなってくるんですよ。ミュージシャンの方が恋愛ソングを書いたりするみたいな感じで、私も恋愛したときによく絵を描いたりするんです。だからどんどん自分がアーティストになっていってるなっていうのを実感して。
今までそんなに自分のこと好きじゃなかったんですけど、絵を描くようになってから自分のことがどんどん好きになれてるなって感じです。今はアートに依存してるというか、あるのが当たり前な状態になってますね。
感情、感覚に従って描く
―ゆっきゃーなさんの作品はコンセプトがしっかりしていると思いますが、描きたいものは自分の中にあったのですか?
ゆっきゃーな:なかったですね。
抽象的だったりするんですけど、もう降りてくるというか、なんかこう出てくるんです。好きな人と抱き合いながら描いたりもするんですよ。
―感情や感覚を描いている感じですか?
ゆっきゃーな:そうですね。感情に沿って描き続けていると気がついたら出来上がっています。バチッて浮かんだものは、その通りに自分の中で決めて描いたりもしますけど。
―活動をする中で苦労していることはありますか?
ゆっきゃーな:恋愛をしながら描く中で、アートを優先しすぎて好きな人を大切にできていなかったかなって思うことはあります。ありがたいことに尽くしてもらいっぱなしで、デート中も絵を描いていました。
まだそんなに活動してないときに付き合っていた方は、デート中に描いてたら「また描いてる」って不機嫌になられて。
私はそれが嫌で別れたんですけど、せっかく一緒に居られる時間に、彼がいろんな所に連れて行ってくれていたときに横で絵を描いていたので、寂しい思いをさせてしまって申し訳ないなと悩んだ時期はありましたね。
今ではアーティストであることを理解してくれる付き合ってくれる人と一緒にいようと思っています。
―活動する中で大切にされてることは何ですか?
ゆっきゃーな:やっぱりLOVE&PEACEですかね。アートで世界平和です。
フランスへ出展させていただいた時に、『早漏バナナ』という作品を出させていただいたんです。下ネタは世界共通の笑いで、沢山の方に私の作品を見て笑顔になっていただきました。中には大爆笑してくださる方も。
自分が作った作品で人々に笑顔になってもらえることが本当に心から嬉しかったです。
これからも世界中でアートと共に笑顔で溢れることができれば、私も最高に幸せです。下ネタも下ネタ以外でも。
―どんな気持ちで世界平和を描いていますか?
ゆっきゃーな:自分に素直になることを大事にしています。絵を描くことでそれが伝わって、いろんな人に素直に生きようって思ってもらえたらいいなと。
―今後の展望や目標はありますか?
ゆっきゃーな:海外の子供たちと一緒にアートを体験できるようなことができればいいなとか、いろいろありますね。私の作品を世界のいろんな方に見ていただきたいっていう思いもありますし。
―描きたいものが無くなることはないですか?
ゆっきゃーな:全くないんですよ!次々と出てきて。
苦労したことで言えば、描く以外の業務的なことですね。アートマインドにシフトチェンジしたら、もう全部がアートに見えるんですよ。今でも目の前に紙とペンがあれば、今の状態で描きたいぐらいです。将来、常にいつでも描ける状態でいれるのが理想なので、個展の準備だったりとか業務的なことを一緒に協力してくれる人がいたら助かりますね。
―活動していると制作のやることがたくさんありますもんね。
ゆっきゃーな:そうですね。もう作品だけに集中をしていきたいですね。
―最後に、ゆっきゃーなさんのファンの方へ一言お願いします。
ゆっきゃーな:いつも応援ありがとうございます。ゆっきゃーなの作品を楽しんでいただければすごく嬉しいです。世界中にハッピー・ラッキー・ラブ・スマイル・ピース・ドリームandセクシーを届けていきます。