直接感謝される喜び

キャラクターデザイン:gaogao、L0BELLY
―現在の活動内容について教えてください。
gaogao:個人様、企業様からご依頼されたキャラクターデザインやVTuber様のイラスト、お誕生日イラストやグッズイラストを主にやっています。たまに衣装デザインもやらせていただいています。
―絵を仕事にしようと決心したきっかけや理由を教えてください。
gaogao:自分が作ったものに対してクライアントからダイレクトにありがとうと感謝されるのが、仕事としてモチベーションが高くなるなって思ったのがきっかけですね。
以前はUIデザイナーとして働いていたのですが、開発の方に感謝されることはあってもユーザーに直接的に感謝されることがあんまりないんです。
ゲームのUIデザインは、ゲームプレイの進行の妨げにならないようにする存在なので当然なのですが……。
イラストやデザインを納品して「すごくかわいい」とか「あなたに描いてもらって良かった」と言っていただけたのが、ものすごくありがたかったなというのが大きいです。
あとは描いているうちに自分の成長や、自分が描いていきたいものがだんだんわかってきて、その表現したいことがパッと視覚的にわかりやすいことも仕事にしようと思った理由ですね。

キャラクターデザイン:gaogao、L0BELLY
―どういう流れでゲーム会社に就職し、今のフリーランス活動までに至りましたか?
gaogao:元々通っていた学校がキャラクターデザインなどの絵に関する専門学校で、課題をやっていくうちに色々あって自信喪失したんですよね。
ゲーム業界に入るっていうのを目標にしていたので、自分の絵ではなく、需要のあるUIデザインから入っていって、しばらく10年ほど続けました。
その間は絵を描くことを休んでいたんですね。休んでいたんですが、その中でとある有名イラストレーターさんの動画を拝見しまして。動画の中で絵を描くのが意外と楽しいことや簡単に描けるコツ、アイデアの出し方などが紹介されていて、それを見ているうちに「自分でもやってみようか」と思って少しずつ試してみました。するとその成果がすごく顕著に現れてやりがいを感じ始めたんですよね。それが、ゲーム業界に入って8〜9年目くらいのことでした。
それから絵を描くのが面白いと思い始めたので、本気を出してみたいと思うようになりました。背水の陣じゃないですけど、一旦そういうところに身を置いて自分がどこまで頑張れるのかっていうのを試してみたくなって、フリーランスになったっていう感じですね。
日本テイストのデフォルメ
―自分の作品の方向性はどうやって決めましたか。
gaogao:すごく手探りだったんですけど「自分が描けて」「可愛くて」、さらに「自分の好きなもの」って何だろうっていうのを描きながら試していって徐々にこんな感じかなみたいな方向性を決めていきました。
元々かわいいものが好きだったんですが、その「かわいい」が美少女なのかマスコットなのかデフォルメなのか、どういうジャンルを描きたいのかっていうのがすごい手探りだったんです。
描いていくうちに「かわいい」っていうのが「簡略化されたデフォルメのかわいさ」だっていうのに気づいて、そこからどういうフォルムのかわいさが好きなのかっていうのを今も探求しているっていうところですね。
―絵を描くにあたって大切にしていることや意識していることを教えてください。
gaogao:一番は色をとにかく汚くしないというか、綺麗にするっていうことを大切にしています。描き終わってから部分部分を見ているとすごく濁ってたりするので、色の修正に結構時間を使っています。
あともうひとつは手ぐせがちょっと出ちゃうと、癖がないリアルな絵になってきちゃうので「デフォルメするぞ」と意識しながら描いています。
お姉さんキャラやおばあちゃんなど描き慣れてないものをどうやって描いたらいいかがまだわかってないところがあって。今の絵柄で描いたこともないものを描くとうまくバランスが取れていないことがあるので、常にデフォルメするぞっていうことを念頭において描いています。
―影響を受けたクリエイターはいますか?また、どんな点で参考にされていますか?
gaogao:昔、キングダムハーツの作品がすごく好きで影響を受けています。キングダムハーツのゲームってディズニーのキャラクターと一緒に冒険するので、ディズニーキャラの隣にいても違和感のないキャラクターデザインになってるんですよね。
そのキャラクターたちがポップで、デフォルメしつつもしっかりパーツの原型が感じられる日本らしいテイストっていうのが私的にはすごく好きで、目指していきたいです。
今は『ドラゴンクエスト』や『ドラゴンボール』の鳥山明先生の影響をバリバリ受けています。鳥山先生の作品も見ていて楽しいし、わくわくする世界観やキャラクターデザインを描かれているという印象です。
しかも人間以外でも何でも描けるイメージなんですけど、歳の描き分けも自分の絵柄に落とし込むのがすごく上手だなって思っていて、自分の絵柄に落とし込みつつ歳の描き分けをするところはとても参考にさせていただいてます。

キャラクターデザイン:gaogao、L0BELLY
―画力を上げるために実際にやったことやおすすめの勉強方法はありますか?
gaogao:とにかく描き続けるっていうことをやってきたなと思っていて、そしてこれが一番難しいことだと感じてます。
あとは、憧れの人の作品の隣に自分の作品を並べて、どういったものに魅力を感じるか分析しつつ、バランスが崩れているところなどをひたすら修正していきました。納得がいかなかったら、もう思い切って描き直しちゃうっていうことは、結構やってる気がします。
それから、信頼できる人に見せてアドバイスをたくさんいただいて、その都度修正する、ということもおすすめです。
―現在、どうやってお仕事をとられていますか? また仕事が増えてきた際にどのような基準でお仕事を選ばれていますか?
gaogao:主にXで告知しながら、できるだけ忘れられないように、個人制作を頻度高く発信しています。
仕事が増えてきたときは緊急性が低い依頼と、人が良さそうな優しい人、クリエイターに対してリスペクトがありそうな人からの依頼を選ばせていただいていますね。
―クリエイターとして活動する上で不安はありましたか?また、どのように向き合ってこられましたか?
gaogao:本当に不安しかなくて、今も継続中っていう感じなんです。続けることこそが難しいと私は思ってるので、とにかく続けていけたらいいなと感じてます。
Xだけじゃなくて、YouTubeなどいろんなアプローチをしながら続けていくのがいいのかなっていうふうに考えていますね。今も見つけてくれる人がいるので、本当に続けることをやめないで頑張るっていうことを意識してます。
―絵を仕事にしていてよかったことと大変なことを教えてください。
gaogao:良かったことはやっぱりダイレクトに感謝されるっていうことがとても嬉しいなと思ってます。「gaogaoさんに任せてよかったです!」みたいに言っていただけるのが本当にものすごく嬉しいですね。
自分の作品がグッズ化されたときは自分が直接何か残せたっていう印象が強くなるのが、すごく良かったなと思っています。
大変なことは、やっぱりフリーランスっていうのもあって安定してお仕事ができないっていうところですね。
あと何でもそうなんですけど、「この絵にお金を出したい」、「商業的に価値がある」っていうふうに思ってもらえること自体がすごく難しいなって思うので、「この絵に価値があるぞ」って感じてもらえるように努力しないとなって思っています。

キャラクターデザイン:gaogao、L0BELLY
―最後に、今後の目標や展望を教えてください。
gaogao:抽象的ですが、自分の絵でそのコンテンツをより魅力的にすることが目標ですね。
具体的にはキャラクターデザインを中心にお仕事したいなと考えておりまして、例えばお店にキャラクターがいて、親近感がわいて、購買欲や宣伝効果が生まれるような魅力的なキャラクターっていうのを作っていけたらいいなと考えております。
例えばパン屋とかうどん屋とかにオリジナルのキャラクターがいて、親近感が湧く、みたいな。何かご当地系とかもやってみたいなって思いますね。ゲームのキャラクターもすごく魅力的なお仕事だなっていうふうに感じます。