「可愛いものが、生活の中に入り込んでいる」しゅしさん

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一度きりの人生だから、やりたいことを全力でやってやろう

現在の活動内容について教えてください。

しゅし:ピクセルアートでキラキラした女の子を描くのが好きで、そのイラストやループアニメーション作品をSNSに投稿しています。
お仕事に関しては、VTuberさんやMV用のアニメーションを描かせていただくことが多いですね。
最近はアイドルさんのグッズイラストだったり、ゲーム制作にも携わらせていただいたり、結構幅広くお仕事をさせていただいています。

イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

しゅし:絵は子供の頃から好きで、ずっと描いていました。
ただ、『絵を仕事にする』のはあまり現実的じゃないと思っていたので、最初は絵とはかけ離れたお仕事をしていました。
でも、4年くらい前に仕事や私生活でちょっと行き詰まって落ち込んでいた時があって。そのとき、たまたまピクセルアートに出会って、ものすごくときめいたんです。
その時まで、ドット絵ってRPGゲームの画面くらいしか見たことなかったんです。でも、もっとイラストライクなピクセルアートがあると知って、『こんな世界もあるんだ!』って、自分の中で新しい扉が開いたような気がしました。
そこから自分でも描いてみたいと思い、描いてみたら、すごく楽しくて。

当時はやりたいことも特になく、「一度きりの人生で今が一番若いんだから、やりたいことを全力で、行けるところまでやってやろう」「何とか仕事にしてやろう」みたいな精神で、活動を始めました。
それが3年半ほど前ですね。

けっこう無計画というか、勢いで始めちゃったところがあって。だからこそ『とにかく一生懸命やろう!』って気持ちで走り続けてきて、気づいたら今につながっている、そんな感じです。 

ご自身の作品のスタイルについては、イラストライクなピクセルアートに出会われたことが原点だと思うのですが、女の子を描くという方向性はどのように決められましたか?

 しゅし:いろいろ描いているうちに、『女の子を描くのがやっぱり一番楽しいな』って思うようになったんです。だから“最初からこの方向で行こう!”って決めてたというよりは、楽しいから描いてたら、自然と女の子中心になっていった…そんなイメージですね。

バックストーリーを作り、ポジティブでキラキラしている女の子を描く

作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

 しゅし:描くときは、女の子のバックストーリーやテーマを作ってから描いています。
それと、“悲しい絵はあまり描かない”っていうのも、自分の中で決めています。泣いている女の子を描くことはあっても、ただ悲しいから泣いているわけじゃなくて。そこにはちゃんと前向きな理由や背景があって、ポジティブでキラキラした存在として描くことを大事にしています。
でも、その説明をあえて表立ってすることはあまりなくて。見てくださる人それぞれが自由に『この子はこんな子なのかな』ってストーリーを感じてもらえたらいいなって思っているんです。私の中のストーリーだけが正解じゃないので。
だからSNSではあまり言わないようにしているんですが、実はイラスト集の中では、こっそり私なりの答えを書いていたりもします。

影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?

 しゅし:ピクセルアーティストとして活動している、ななみ雪さんと、キュアもとさんですね。

私がピクセルアートに出会ったきっかけが、このお二人の作品でした。
お二人とも女の子を主体にしたピクセルアーティストの方で全然違うテイストながら、描かれている女の子から空気感や、『この子は1人の人として生きている』って感じられる表現がすごく好きなんです。
私自身がストーリーを持って描こうと思ったのも、このお二人がきっかけになっています。

ありがとうございます。ちなみに、ピクセルアートは何のツールを使って描かれているのでしょうか。

しゅし:iPad専用のpixakiというドット絵ソフトを使用しています。
pixakiは、超シンプルで本当にドット絵を描くためだけに作られたソフトですね。
余分な機能は一切なくて、他のイラストツールによくあるような機能は、ほぼほぼありません。グラデーションもできないし、中間色とかも出してくれない。
本当に、点を打つことに特化しているソフトです。
ラフを描くときはProcreateを使用しています。

今、作品の中で女の子たちが着ている服のアイディアは、どこかからインスピレーションを受けたりされているのでしょうか。

 しゅし:元々、フリフリの可愛いものが本当に好きで、高校生の時などは、姫系のお洋服を着ていたこともあったんです。
私の祖母も、そういうお洋服を私に着せるのが好きだったので小さい頃から、フリフリのリボンのお洋服などが、何となくずっと頭の中に入り込んでいる、みたいなところがありました。
最近は、Instagramなどで流行のお洋服とか、可愛いディテールとかをチェックして、インプットしていたりもします。
意図的にというよりは、生活の中にそういう部分が入り込んでいる、というイメージが近いかもしれません。

ドット絵を、一点物として大きめのキャンバスに描いてみたい

現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか? また、受けるお仕事の優先順位は、どう決めていらっしゃるのでしょうか。

しゅし:お仕事に関しては、恐らくSNSでの活動を見て声をかけてくださる方がほとんどかなと思っています。
その中で、優先基準はそうですね。
ありがたいことに、ご依頼いただくときに「作品が好きで」と言っていただけることが多くて。お互いの条件が合えば、結構何でもやっちゃうところがあります。
よっぽど、「どうして私じゃないと駄目なんだろう」と悩んでしまう依頼でなければ、基本的にはお引き受けしていくスタンスですね。 

ちなみに、お仕事が軌道に乗り始めたのは、活動を始められてからどれくらいの時期だったのでしょうか。

 しゅし:そうですね…1年ほど経った頃には、本当に自由に描けるようになっていた、という感じでしょうか。
そこに至るまでの1年間は、自分がやりたいイメージとは違うなと感じても、勉強だと思ってご依頼を受ける、という感じでした。とにかく、ご依頼いただけるだけありがたいなという気持ちで描いていましたね。
でも、1年を過ぎたくらいの頃から、自分のブランドが少しずつ付き始めて、好きなように描ける感じに変わっていった気がします。 

なるほど、武者修行の1年を経ての『今』があるのですね。では、そんな今、絵をお仕事にしていて良かったと感じたことがあれば、教えてください。

しゅし:良かったことは、感想がダイレクトに伝わることですね。
嬉しい感想をいただけたり、SNS上の数字で見て取れる反応だったりって、すごく力になるんですよ。

例えば、「描いてみたけど、ちょっと自信がないな」「ちょっと投稿するか迷うな」と思いつつも投稿した時に褒めていただけたりすると、「ああ、これを描いた時間は無駄じゃなかったな」と自分を肯定してあげられたり
普段は自分との戦いなので、そうやって自分を肯定してあげられる瞬間をダイレクトに受け取れるのは、すごくありがたいなと思っています。 

逆に、大変なことはありますか?

 しゅし:体調管理がとても大変な部分ですね。
動く時間が減って、運動不足もあってこの仕事を始めてから、圧倒的に体調を崩しやすくなってしまいました。
描ける人間は自分しかいないので、仕事に影響を及ぼさないよう、外に出る時は絶対にマスクをするとか、手洗いうがいをする、というのは徹底してやるようにしています。 

アニメーションは画像をクリックまたはタップしてください。

それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

しゅし:すごく大きな、「これ!」という目標みたいなものは今のところ作っていないのですけど、近々でいえば、来年あたりに個展をしたいな、と思っています。
そのために今、色々と作品を作っている段階ですね。
それから、ドット絵をデジタルじゃなく、一点物として大きめのキャンバスに描きたいなとも思っていますので、そういう計画も少しずつ練っているところです。

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