「物作りが好きで、初めは音楽をやろうと思っていた」さいこぱすぴすたちお。さん

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それまであまり見なかった、でも自分が見たかったスタイルの絵

―現在の活動内容について教えてください。

さいこぱすぴすたちお。:主に2つありまして、1つは自分の作品でグッズを作って販売をすること、もう1つはご依頼をいただいてイラストを制作することです。
ご依頼いただくのは、最近はVTuberさんなどの案件が結構多いですね。
VTuberさんのLive2D用のイラストだったり、YouTubeのサムネだったりの作成をしています。

―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

さいこぱすぴすたちお。:初めは普通に高校を卒業して、その高校から紹介してもらった会社に就職をしました。
全然イラストとは関係のない工業高校でしたから、鉄工所で3年ほど働いていたのですけど、あまり向いていないなと思って。

当時は、音楽などやりたいこともありましたから、それをやりつつ、好きなことを仕事にするならイラストかなと、24歳くらいの時に絵を描こうと決めました。

絵を描くこと自体は子供の時から好きで、少年ジャンプばかり読んでいましたね。
元々、何かを作ったりするのが好きなんですよ。それこそ音楽をやったこともそうですし、何かを作りたいという想いがあったので…その中で、絵を描くことが一番向いているし好きだな、と思ったことで今に至ります。

 

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

さいこぱすぴすたちお。:僕の作品のテーマが、ストリートポップイラストレーション、というものなんです。
色んな方のイラストを見ている中で、僕の好きなポイントのイラストを見たことがないな、と気付いたんですよ。
ストリート系はストリートすぎますし、ポップなイラストはポップすぎる。その中間があれば良いのになと思って、そこを自分で描けないかと、スタイルを探り始めたのがきっかけでした。

―なるほど。ストーリーやポップが好きになられたきっかけなどは、あるのでしょうか。

さいこぱすぴすたちお。:それも音楽ですね。
ポップスにストリートっぽい要素が入っている音楽が好きなのですけど、あまりないなと思って。
だからこそ、そこを自分でやりたくなったという感じです。

―ありがとうございます。ちなみに、描かれているのは女の子が多いようですが、男女比などは何か意識しておられますか?

さいこぱすぴすたちお。:比率というより、男の子を描いている時は大抵、僕自身の好きなものを描いていることが多いですね。
女の子を描く時は…やっぱり女の子系が人気なので、グッズにすることを考えて描いています。

デッサンは、基礎画力を養うのにめちゃくちゃ効率が良い

―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

さいこぱすぴすたちお。:一番は、構図でしょうか。
他ももちろん大事ですけど、構図が良くなかったら、作品としてあまり良くならないと思うんです。

構図を決める時は、ひたすらラフをいっぱい描いて、描いては消して送り返して、しっくりきたものに決めています。
数を描いて、そこから見つける感じですね。作品によって、その数もまちまちですけれど。
丸一日何も決まらない日もあれば、1つ2つ描いてすぐに決まる時もありますが…平均すれば、構図を決めるのに1作品3時間くらいは恐らくかかっているかなと思います。

―ありがとうございます。では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか? 

さいこぱすぴすたちお。:漫画が好きなので、一番は鳥山明さんですね。
鳥山さんはメカなどの描写がすごいなと思うのですけど、僕もメカを描くことが多いので、それはやっぱり鳥山さんの影響が大きいからだと思うんです。

あと、僕が子供の時、ちょうど『NARUTO-ナルト-』が連載されていましたから、その作者の岸本斉史さんにも、世代的にモロに影響を受けているかなと感じています。
僕自身、和風っぽいテーマを扱うことが多いのも、ナルトからの影響が大きいかな、と。
元々、彫刻などが好き、という部分もあるのですけどね。
地元にだんじり祭があって、その彫刻などを子供の時から見ていましたから、和モノを扱うことに関しては、そういった影響もあると思います。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

さいこぱすぴすたちお。:あまり楽しくはありませんが、デッサンはおすすめだなと思いますね。
極めるところまでは行かなくて良いと思うのですけど、僕自身、デッサンのお陰で基礎的な部分は身についたものがあると感じています。

実は23歳ぐらいの時、絵を仕事にしようと思ったタイミングで、1年だけ専門学校に行ったんですよ。
あまり教わるのが得意じゃないので、すぐに辞めてしまいましたけど…
初めにデッサンの授業がありましたから、デッサン自体はそこで学びました。
デッサンをしなくても気付けるものはあるのでしょうが、学んでやってみたことで、効率がめちゃくちゃいいなと感じたんですよね。
僕は元々、『見たものを描く』というのが苦手だったんです。
想像で描くのは得意なのですが、見たままを描け、というのができなくて。
だからこそ、訓練としては良かったと思っています。

元々、人間のキャラクターイラストはほとんど描いていなかった

―現在は、どのようにお仕事を取っていらっしゃるのでしょうか。また、忙しくなった際に受けるお仕事の優先順位などもあれば、教えてください。

さいこぱすぴすたちお。:今は9割SNS、残り1割が知り合いからの紹介などでお仕事をいただいていますね。
ほとんどはInstagramのDMからです。

優先順位に関しては特になく、今のところは片っ端からやっていく、という形ですね。
スケジュールなどを組むのが苦手なので、とりあえず納期に合わせてひたすら順番にやっていく、という感じです。
もっと仕事が溢れたらこうもいかないでしょうけれど、今のところはお断りすることもなく、すべてお受けしています。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

さいこぱすぴすたちお。:不安といえば、ずっと不安ですね。
1人で絵を描いたりするのは得意かなと思うのですけど、商売上手ではなく、そこの能力はあまりないなと思っていますので、不安は常にあります。
でも今のところは、いろんな皆さんに支えてもらって何とかできていますから、頑張るしかないなという気持ちですね。

―ありがとうございます。では、絵を仕事にしていて良かったことを教えてください。

さいこぱすぴすたちお。:このインタビュー前日にも、大阪でサイン会イベントがあったのですけど、やっぱりそういう場に来てくれて、「この作品が好きです」と直に言ってもらえることは、すごく嬉しいですよね。
僕の作品が、その人にとっての何かの心の支えになっていたり…そういう言葉をかけてもらえると、本当に心から「こんなに幸せなことはない」と感じます。

―逆に、大変なことはありますか?

さいこぱすぴすたちお。:やっぱり、描きたいものを描くだけでは駄目なところですかね。
描きたいように描くだけでは、お金は稼げませんので。
かと言って、全然好きでもないものを描いても見てくれた人にはばれてしまいますし、それも違うと思いますから、その部分のバランス感覚には、悩むこともあります。

僕は元々、人間というか、人のキャラクターは描いていなかったんですよ。
全く描かなかったわけではないのですけど、動物や龍などを好きで描いていて。
とはいえ仕事にするには、やっぱり人間は描けないと駄目だなと思って、専門学校に行き始めたタイミングで練習し始めたんです。
人間って描くのが難しいですし、だからこそ、それまで描いていなかったのですけど…
まず部分的に顔だけ集中して描いて、次は上半身まで描く。ある程度描けるようになったら全身を描く、みたいに段階的に練習していきました。
全身を見せる構図が好きですし、服なども好きでデザインを見せたいですから、今は全身を描いている作品が多いですけど、最初はそこも大変でしたね。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

さいこぱすぴすたちお。:僕の絵を見て、誰でもパッと「さいこぱすぴすたちお。だな」とわかるくらいに、知名度と個性をもっと出せたらいいな、というのが一番ですかね。

あとは、お菓子とかでイラストレーターさんがパッケージコラボしていたり、というのが結構あるじゃないですか。
それこそ、自分がいつも買って食べているようなお菓子に自分のイラストが使われたら、すごく嬉しいだろうなと思いますので、そういう仕事ができたらなと思います。

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