「10年のブランクを経て、好きだった『絵を描くこと』を再開しようと決めた」hokaさん

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絵を辞めてからやりたいことが見つからず、くすぶっていた10年間

―現在の活動内容について教えてください。

hoka:今はSNSやイベントへの出展を通して活動しています。
昨年は色々と経験を積もうと思って10回ほどイベントに出展したのですが、ちょっとハードだったので…今年は自分の体力に合わせて、コミティアとデザインフェスタには出ようかな、と少しペースを調整している感じです。

―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

hoka:絵自体は子供の時から好きで、ずっと描いていました。
その後、大学も一応美術系に進学したのですが、途中で辞めてしまって…
以降、絵とは関係のない業種の仕事に就いていたので、10年くらいまったく絵を描いていなかったんです。

でも、特にこれといって、何かやりたいこともなく…
絵を描くのが好きという気持ちを思い出して、再び始めることにしました。

ずっと接客業でアルバイトをしていたのですが、特になりたい社員もなくて。
接客業では、正社員になると店長になってしまうんですよ。でも、それはちょっとやりたくないな、と思ってしまったんですよね。
色々と考えてはいたのですけど…そうした中で、大学も中途半端な感じになってしまったし、もう1回絵を描いてみようかな、と。

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

hoka:正直、今も決まっているわけではないんですよ。
普通に、手癖で自分が描きやすいように描いている、といった感じですかね。
学生時代はデッサンをやっていたので、イラストとは少し違っていましたから…
今は、自分が好きなように描いていたら、こうなっていた、みたいな感じです。

ただ、予備校時代はデザインをやって、グラフィックデザイン学科を目指していたことがありました。
でも、グラフィックデザインって倍率がめちゃくちゃ高いものですから、受験の直前になって、テキスタイルデザインに逃げてしまった、という経緯があったんです。
どちらも平面の絵を描く形で、試験は似ていましたし、先生も「いいよ」と言ってくれましたから、そっちにしたのですけど…

それでも改めて考えれば、文字を用いた構成も勉強していましたし、グラフィックデザインを学んでいたことが今の作風に活きているのかもしれませんね。
文字を入れるとオシャレですし、背景に困らなかったりしますので、便利なんですよ。

ブランクがあっても、過去に学んだことは自分の中でしっかり眠っていた

―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

hoka:線をなるべく綺麗に描くことと、配色を意識することですね。

毎回できているわけではありませんが、線を綺麗に描く上では、空白も意識しています。
線同士がぶつかりすぎると、汚く見えてしまうというか、下手に見えてしまう部分があると思っているんですよ。

配色に関しては、すべて直感で決めています。
初めは配色の本なども色々購入して、見ながらやっていたのですけど…あくまでもデザイン系の配色ですから、イラストでやると全然映えなかったんですよね。
イラストの上で光や影を描くと、配色本にない色を追加することになるじゃないですか。そうすると、段々と汚い色になってくるな、と気付いて…
それで結局、今は自分で色を組んだ方がいいなと思って、感覚でやっています。

―なるほど。とはいえ、配色には正直センスが必要だと思うのですが、そのセンスを磨くために、これまでどうやって『色』を見る機会を増やしてこられたのでしょうか。

hoka:予備校での経験が活きているのかな、と思いますね。
私は中2の冬から高3までの4年間、予備校に通っていたんですよ。
絵の具を使って描いたりもしていたのですが、「全体的にモヤっとしているから、明度の低い色を入れた方がいい」とか、先生からのそういったアドバイスをどんどん聞いて調節していましたね。
あの4年間は、結構大きかったと思います。
10年のブランクがあっても、きちんと自分の中で眠っていたというか、これに関してはやっていて良かったなと感じました。

―ありがとうございます。では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか? 

hoka:その時々によって違うかなと思います。
ポップな絵を描くような人、可愛らしい絵を描く人、それから文字を使う人の作品は参考にさせていただきつつ、配色が綺麗な人の作品もよく見たりします。
InstagramやX(旧Twitter)などで、拡大してじっくり見させてもらっていますね。

あとは、韓国イラストレーターのdolmanさんが好きです。
絵の活動を再開しようと思って、少ししてからのタイミングでお見掛けした方なのですが、色もカラフルで、デフォルメも描かれていて、とても可愛くて好きなんです。
もしかすると、この方の影響は大きいかもしれませんね。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

hoka:もう、とにかく描くということしかないですね。
それから、模写をするとすごく上手になる、というお話をよく聞きますが、確かにその通りだなと思います。
活動を再開して3年経っていますから、今は自分の描きたいものを優先的に描いてしまって、全然できていませんが…(笑)

とにかく描く、という部分では、1日1回は絵と向き合って描く、ということをしていましたね。
最近は1枚絵を描き終えたら、3日くらい描かない休息日を挟むこともあって、少しムラがありますが…それでも絵が完成するまでは、1日1回は何かしら手を動かしています。
10年のブランクが、やっぱり大きかったんですよ。

しかもイラストは習っていませんでしたから、酷かったです、こんなにも描けないのかと。
女の子の顔は、子供の時に趣味で描いていた分それなりに描けましたが…手や体が全然描けなくて、最初は何だかモンスターみたいでしたね。
そこからもう、落書きをとにかく何回も何回も描く、みたいな感じで…
今もやっぱりすぐに描けるわけではありませんから、状況によっては何回も何回も描き直しています。

駅や商業施設などに飾っていただける、目を引くようなキービジュアルを描いてみたい

―現在は、どのようにお仕事を取っていらっしゃるのでしょうか。また、忙しくなった際に受けるお仕事の優先順位などもあれば、教えてください。

hoka:現在はskebを通してのご依頼が一番多いですね。
Vtuberさんから、アイコンやグッズ化に関するご相談をよくいただきます。

仕事を選ぶことは今のところなく、ご依頼をいただいたらやる、という感じですね。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

hoka:収入が不安定、という部分はやはり不安があります。
あとは個人事業主ですから、申告の仕方とか、イベント出展の仕方とか、ご依頼を受けるに当たってのやり取りの仕方とか…初めての時はその辺りが本当に不安でしたね。
内々でおこなわれていることですから、意外と検索して調べても出てこなくて…
身近にそういう人もいませんし、とりあえずやるか、みたいな感じで進めています。

―ありがとうございます。では、絵を仕事にしていて良かったことを教えてください。

hoka:依頼が来て、自分のイラストがグッズなどの『形』になった時は、本当に嬉しいなと思っています。

―逆に、大変なことはありますか?

hoka:絵柄を安定させて、もう少し早く絵を描けるようになりたいなと思っているのですが、それがなかなか難しいなと感じる部分ですね。
今も1枚あたり、完成まで10時間から20時間くらいかかっているのですが、本当にこれでいいのかなと思っているんですよ。
他の方がどれくらい時間を要しているのかがわからないので、一概には言えませんが…
もう少し、早く描けるようになりたいですね。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

hoka:1つは、できれば月に3枚くらいは1枚絵を上げたい、と思っています。
それから、とにかく何でもいいので、いろんなお仕事に携わりたいですね。
特に、駅や商業施設などに飾っていただける、目を引くようなキービジュアルなどのお誘いがあると嬉しいなと思っています。

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