ずっとなりたかった職業として、キャラクターと漫画を描く
―現在の活動内容について教えてください。
わにゃ:X(旧Twitter)にてイラストや漫画を投稿する他、LINEスタンプの販売などをおこなっております。
他にもありがたいことに、いろんな会社様からお声がけいただき、準備中となっておりますので、今後活動が広がっていくかな、という段階です。

―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。
わにゃ:漫画やアニメが好きで、小学生の頃からノートに漫画を描いたりして、漫画家などを目指していました。
なので、その頃からずっとなりたかった職業として、今のお仕事をさせていただいています。
とはいえ、夢が1個ずつ叶い始めて本腰を入れ始めた、というのは5年ほど前からですね。
専門学校に行ったりはしていたのですが、「持ち込みとかは自信ないしな…」とダラダラしていて…
でも、このままでは駄目だなと。
最近は技術なども発達してきて、行動しやすく、人にも見てもらいやすくなりましたので、本腰を入れ始めた次第です。
元々、漫画だけでなく『ゆるキャラ』も好きだったんですよ。
ポムポムプリンをはじめとした、女児が好む系統のキャラクターが好きで。
中でも『ちいかわ』は、今の活動にダイレクトに繋がるきっかけとなりました。
好きだからこそ、いろんなゆるキャラを追いかけて、グッズを集めたりしていましたから、初めはファンアート用としてSNSアカウントを立ち上げたんです。
当初はずっと、ちいかわの絵ばかり投稿していましたね。
でも次第に、私もゆるいキャラクターのお仕事をしたいな、と憧れを抱くようになっていって…その結果、今の形に変化した感じです。
―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?
わにゃ:やっぱり、自分のキャラクターを持ちたい、という欲が出てきたのが始まりでしたね。
こんな感じのキャラクターが可愛いかもな、とふと思いついたキャラクターをまず描いて、SNSに投稿していったんですよ。
そうして思いつくまま投稿していった中、特に反応が良かったキャラクターを相棒に決めました。
今の『スーパーハッピードッグ』が生まれるまでは、結構早かったです。
以前は、アザラシとポメラニアンとラッコがトリオになっているキャラクターなどを描いていたのですが…3匹ともモフモフしているし、丸いし、いっそ全部犬として見ている、みたいな気持ちで、まとめて『ポアラ』と呼んでいましたね。
他にも、違う犬のキャラクターを出してみたり、ということをしていたので…そういった経緯を経ての、スーパーハッピードッグでした。
初めにポイッと、何となく喜んでいるスーパーハッピードッグのイラストを出した時に、結構バーンと見てもらえて。
そこから、どうなるか反応を見ようと思い、続けて2、3投稿してみたのですけど、変わらず愛されている感じでしたので「よし、君が相棒だ」と思って選びました。

自分自身も昔、犬を飼っていた
―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。
わにゃ:自分が楽しんで描く、ということをすごく大切に、意識しています。
私は結構、イラストに感情が乗るタイプで…苦しいとか、描きたくないけど描かなきゃ…といった気持ちで描くと、イラストもそういう感じになってしまうんですよ。
結果、見ていて楽しくない、硬いイラストになりがちなんです。
なので、自分が一番描きたくて、「可愛い!」「楽しい!」と思っていて、無理をしない描き方、みたいな感じでのびのび描けるようにすることを心がけています。
おかげで、今はすごく楽しいです。
―なるほど。では、どのように「描きたいな」「楽しいな」と思えるネタを、探しておられるのでしょうか。
わにゃ:そこは結構、考えて選んでいますね。
犬を飼っていらっしゃる方の投稿を見た時に、インスピレーションを受けたり…
私自身も昔、犬を飼っていましたので、当時のことと照らし合わせて思い返しながらオマージュしていく、みたいな感じが多いです。
あとは、人間との関わりの漫画なのか、犬との関わりの漫画なのか、みたいな部分もしっかり考えて描き分けるようにしていますね。
人間と関わる漫画であれば、『あるあるネタ』のほうが共感してもらいやすいので、その点を心がけていますし…
逆に犬との関わり合いの話の時は、結構ファンタジーといいますか、『どうぶつの森』みたいな世界観で考えて描くようにしています。

―影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?
わにゃ:ジャンル問わず、リスペクトしている方が、本当にたくさんいます。
とはいえ、やっぱり中でも一番影響を受けてこうなりたいな、と思ったのは、ナガノ先生ですね。
大好きです。
ナガノ先生の場合は、鬼才すぎて逆に参考にならないことが多いですね(笑)
ただ、私は結構、背景をごちゃごちゃ描くと、主体になるものがあちこちにいってしまいがちなんですよ。
なので、お名前が挙げられないほど本当に多いのですが、他のクリエイターさんのいろんな作品からは、「背景はこのくらい手を抜いても大丈夫なんだな」とか、そういった細かな部分で学びを得たりしています。
―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?
わにゃ:私は脳筋なので、ひたすら描くことばかりしていましたね。
ただ、素敵なイラストを描かれるクリエイターさんの作品をじっくり眺めて描いてみたり、「ここはこういう感じで塗っているんだな」というのを自己分析しながら、試しに真似して塗ってみたり、などもよくしていました。
でも、やっぱり大半は、無心で描くことばかりしていたように思います。
今の状況に至る前は、描きたくなくても強制的に描く、くらい描いていましたので、それが結果として一番自分の画力を育てた気がします。
あとは、いろんなものを見ることでしょうか。
いろんなものを見て参考にする、というのも、とても大切だと思いますね。
スーパーハッピードッグを描いている本人がスーパーハッピーじゃない、というのが一番駄目
―現在は、どのようにお仕事を取っていらっしゃるのでしょうか。また、忙しくなった際に受けるお仕事の優先順位などもあれば、教えてください。
わにゃ:今はありがたいことに、お声がけいただくお仕事のみでやっていて、自分から仕事を取りに行く、ということをまだしていないんですよ。
優先順位としては…今のところ、依頼内容が別のお仕事と重複していなければ、お受けしていますね。
グッズ化のお話に関しては、作るグッズを変える方向などで考えて対応している感じです。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?
わにゃ:現状、不安しかありませんね。
安心したことが一切なくて、常に不安と一緒に活動しています。
不安の気持ちが強い時や、本当にもうメンタルがやばい、みたいな時は大体、仲の良い友達にウジウジした気持ちを聞いてもらったりして、気持ちを晴らしている気がします。
あと、私は結構、他人と自分を比較しがちで…自分に劣等感を抱えてどんどん落ち込んでしまう、ということがあるのですけど。
そういった時は、SNSを見ないようにして、対処しています。
基本的には、人に話して、励ましてもらって頑張っている、という感じですね。
―なるほど。ちなみに先の回答で、絵に感情が乗ってしまいがち、とおっしゃっておられましたが、いわゆるスランプなどに陥った時はどのように対処されているのでしょうか。
わにゃ:私の場合は、スランプで描けない、みたいな時こそ、人の真似をしてみます。
駄目な時は駄目で、他のことをしてみたりと、放り出すこともあるのですけど…
ただ、スランプの時って、自分がわからなくなっている時だと思うんです。
だからこそ、他の方のアイディアやデザインなどをインプットすることで、また新しい道が見えてくるんじゃないかな、と思っています。
なので、まずはとにかく、公開しない形で真似をしながらひたすら描いてみますね。
模写だったり、色を同じ感じに落とし込んでみたり、表現の仕方を落とし込んでみたり。
その中で「この方の真似をしたら少し上手く描けたな」というのが見つけ出せれば、スランプからは抜け出せるような気がしています。
スランプに陥ったら、それは『自分の中にインプットする期間』だと思って、やっていますね。
―ありがとうございます。では、絵を仕事にしていて良かったことを教えてください。
わにゃ:やっぱり一番は、「絵が好きだ」と言ってくださる方々の存在ですかね。
お声をいただいたりすると、「頑張って描いてきて良かったな」という気持ちになります。
あと、私は結構引きこもりですので、家にいられることが良かったなと思いますね。
「外に働きに出なくていい。幸せ!」みたいなところがあります(笑)
―逆に、大変なことはありますか?
わにゃ:先の回答と重複してしまいますが、メンタルがガタガタに落ちてしまうことがある、という部分ですね。
メンタルが落ち切ってしまった時は、スランプの時とは違って、絵から離れます。
友達と一緒にアニメを見たり、映画を見たり、お話ししたりで、気晴らしをしますね。
そして最終的にやっぱり励ましてもらいます(笑)
周りに恵まれているというのもあって、感謝しかありません。
とはいえ最近は、スーパーハッピードッグというキャラクターを扱っていますから。
スーパーハッピードッグを描いている本人がスーパーハッピーじゃない、というのが一番駄目だと思っていますので、そう考えることによって「楽しければ良いか」という気持ちになるように変化してきました。
それこそ、「好きだ」と言ってくださる方々のお陰もありますね。
いただくコメントを読み返したり、エゴサーチして出てくる嬉しいコメントを読んだりして、「やった、ありがとうございます!」とメンタルを回復することが多いです。
―ちなみに絵から離れる場合は、どれくらいの期間だったりするのでしょうか。
わにゃ:私の場合は、1日離れるぐらいですね。
あまり期間を空けすぎると、今度は自分の首を絞めてしまうので、なかなか離れられない、というのが現状ではあるのですけど。
なので、「今日はもう何もやらないぞ」と決めて、1日ずっと寝る日にする、みたいな感じにしています。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。
わにゃ:ありがたいことに、皆様のお陰で着々と夢が1つずつ叶っている最中なんですよ。
その上で、今後はプライズやガチャガチャにもなってみたいな、と思っています。
それから、ゆくゆくはアニメ化や、グッズの常設店舗などが構えられたら嬉しいな、という夢と目標を大きく抱いています。
初めは、ぬいぐるみ化を夢に頑張ろうと思っていたのですけど、本当にありがたいことに、それも叶いそうですので。
だからこそ今後は、アニメ化や店舗、と夢自体もどんどん大きくアップデートしている感じです。

