RonとNyapが生まれるまでの歩み
―現在の活動内容について教えてください。
Nishimura:2025年の1月1日からBumpyのアカウントを公開し、イラストを発信しています。
Bumpyは、私自身の中にある世界観をイラストにして表現したい、またそれをお仕事にしていけたらいいな、という想いで始めたキャラクターになります。

―絵をお仕事にしていこうと決心したきっかけを、教えていただけますか。
Nishimura:絵を仕事にしたい、ということはずっと思っていました。
ただ、私には子どもがいるのですが、私自身は器用なタイプではないこともあり、育児中は、ほそぼそとイラスト公募に応募することはあったものの、積極的にイラストレーターとしてお仕事をするようなことは全くやっていませんでした。
そうした中、上の子の高校受験が終わって、ようやく子育てにおいて精神的な部分での親の役割が一段落つくな、というラインが見えてきたので…
そこから自分の活動をきちんと見つめ直して、やりたいことをやっていこうと決意した次第です。
絵自体は幼少期からずっと描いていました。
イラストの専門学校に通って、就職して、グラフィックデザイナーとしてパッケージデザインのお仕事をしていました。
その後、結婚を機に、パートナーの転勤が多かった事情もありデザイナーを辞めることになり、子どももすぐにできたこともあって、以降は育児の合間に保育士の資格を取って、そちらで仕事をしていました。
元々、保育士も昔からの夢だったんですよ。
なので、育児と保育士をやりながら、趣味程度に絵を描き続けていたなか、ライフステージに合わせて少しずつイラストを描く時間を増やして今に至っている、という感じです。
―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?
Nishimura:自分の絵のスタイルに関しては、ずっと探し続けていた感じです。
憧れているイラストレーターさんを見たり、『illustration』という専門誌を毎期買って勉強したり。
皆さん、きちんと自分のスタイルや世界観があるイラストを描かれている方ばかりでしたから、私もずっと「これがNishimura Yokoの絵だ」と言えるものを模索していました。そしてそれは今も続いています。
今のようなキャラクターものを描くようになったのは、2020年頃だったかなと思います。
それまでは、風景画というか、物や動物、写実寄りの人など、そういった作品を描いていたんです。
―なるほど。RonとNyapが生まれたのは、いつ頃だったのでしょうか。
Nishimura:RonとNyapに関しては、愛されやすく、描きやすく、また絵の中で動かしやすい、そういった普遍的な中にも個性のあるキャラクターを作ってみようと思い、2024年の末の頃、完成しました。

誰もが何かを思い出せるような、共感できる懐かしさを大切に
―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。
Nishimura:一番大切にしているのは、この2匹の中の世界観や空気感、それから、共感されやすい『懐かしさ』を混ぜていく、というところですね。
特に『懐かしさ』は意識しています。「小さい頃にこういうことをしていたな」「こういうことを考えていたな」とか、誰もが何かを思い出せるような、共感できる懐かしさを絵の中に入れるようにしていますね。
―では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?
Nishimura:私が好きなのは、100%ORANGEの及川賢治さんですね。
それから北澤平祐さん、unpisさん、秋山花さんです。
キャラクターに関しては、ムーミンから、スヌーピーから、カートゥーンのキャラクターから、全部参考にさせていただいて、勉強しています。
影響という意味では、色々な方の作品を見ているので、他にももっとたくさんの方から受けているかもしれませんね。
ただ、その中でも、見た瞬間に「この人の絵だな」とわかる作品を描く人が好きで…
お名前を挙げた4名は、本当に独特の世界観があって、他に似たものがないな、というところが特に好きで、尊敬しています。
―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?
Nishimura:また1から絵を学び直すことになったとして、必ずやるだろうな、と思うのはデッサンですね。
ただ、いろんな画材を試す、ということもおすすめしたいです。
キャラクターものを作り始めてから以降は、Procreateを使ってデジタル1本で描いていますけれど、私自身、アクリルから色鉛筆から水彩から版画から、ひと通りやってきたので…
アナログとデジタルでやり方は全然違いますけど、実際にやっていたからこそ、デジタルの中で水彩やアクリルを再現する、となった時に、ここを重ねるとこうなるな、とかがわかるんですよ。
これはやっぱり、基礎ができているからだと思うので…
いろんな画材を試すのは、本当におすすめです。
デッサンに関しては、小さい頃からちょくちょくやっていました。
デッサンというより、模写でしょうか。家とか建物も好きなので、マンションのチラシとかが入っていた時に、どういうパースで描くのかな、と真似している内に、大体できるようになっていました。
あと、小さい時には漫画も描いていたんですよね。
漫画を描くとなると、風景が必要じゃないですか。それもあって、チラシを見て勉強していた感じです。

SNSとお仕事
―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。
Nishimura:ありがたいことに、少しづつイラストレーターのお仕事をいただけるようになってきたのですが、私からからの営業とかはしておらず…
基本的にはSNS経由でお仕事のご相談を頂くことがほとんどです。
今のところ月に3~4件くらいご相談をいただいています。ご相談いただいたお仕事はできる限りお受けするように心がけていますが、Bumpyの世界観に合うものや、社会貢献に繋がるようなものは、積極的にお受けできればと思っています。
―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?
Nishimura:今後もイラストレーターとしてお仕事を続けていけるのか、という不安は常にありますね。
でもその不安を解消するための明確な解決策もないと思っていて、もう、動き続けるしかないと思っています。そのため、とにかく目の前にある仕事と、今発信したい・広げたい方向性に向けて毎日イラストを描く、ということに集中していますね。

―ありがとうございます。では、絵を描いていて良かったと思うことを教えてください。
Nishimura:キャラクター作家として活動し始めてから、デザインフェスタなどの展示会で、お客様と直接お話しできるようになったことですね。
「本当に好きなんです」とか「いいですね」とか、「初めて見たけど可愛くて買いました」というようなお声を直接聞けるのが、もう本当に喜びです。
原動力にもなりますし、勉強にもなりますし。
お客様と直接会えることが、この活動をしていて一番良かったなと思うところですね。
―逆に、大変なことはありますか。
Nishimura:『毎日描く』ということですね(笑)「今日は疲れてるから後日まとめて」となってしまうこともありますが、SNSで応援のメッセージをいただいたりすると「やらなきゃ」という気持ちになりますし、毎日描くのは大変ではありますけれど、楽しく描かせてもらっています。
―ただ、毎日描いていらっしゃると、ネタ不足とかに陥ったりすることはありませんか?
Nishimura:めちゃめちゃあります。
私自身、日中はイラスト以外の普通の仕事もしていますので…日常生活の何やかんやを終えて、夜の3~4時間くらいしか絵を描く時間がないんですよ。
なので、休みの日にまとめてラフスケッチで案を出して、今週の分はこれでいこうか、という作品の下絵を作って、毎日それを清書していく、という形になっています。
もう、別の仕事以外の時はずっと絵のことを考えていますね。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。
Nishimura:私は、この2匹を見て、懐かしい気持ちや楽しい気持ち、優しい気持ちなど、癒されるような気持ちになってもらえる方が、1人でも多く増えれば良いなと思っています。
あと、いろんな世界の人に届けばいいなと思うところですね。
広めていきたいです。
そうして広めていって、結果的に私自身もちょっぴり幸せな気持ちになるといいな、と思いますね。
それからイラストレーターとしては、インタビューの途中でもお話しした通り、「この人の絵だな」という絵や作品を描けるようになりたいですね。「この人に頼みたい」と思っていただけるようなイラストレーターになりたいです。
あとは、今はキャラクターってたくさんありますけれど、そんな中でも、RonとNyapを、ずっと残り続けるキャラクターに育てていけたらなと思います。

