「ずっと応援してくださる方々に、恩返しをしたい」そらななさん

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自分自身が癒されてきたからこそ、今度は自分のキャラクターで誰かに癒しを届けたい

―現在の活動内容について教えてください。

そらなな:現在は、オリジナルキャラクターの『花ことり』や『もちぷあチンチラ』などを中心に、SNSでイラストの投稿をしています。
キャラクター達のグッズを個人で制作して、イベント出展やオンラインショップ、あとは委託などをメインに販売もおこなっていますね。
クライアントワークとしては、プライズ化のお仕事をいただくことが多いかなという印象です。

それまでも趣味として絵を描いてはいたのですけれど、活動を本格的に始めたのは、2025年ぐらいからでした。
とはいえ、キャラクターとしては、『花ことり』は4年ほど前から描いていましたね。
元々は、飼っているペットの亀をモデルにして、亀を中心に描いていたんです。
でも、4年ほど前にTwitterで「タイムラインに花を咲かせよう」みたいなハッシュタグが流れてきまして…それをテーマに思い付きで描いたのが『花ことり』でした。
それが今までの絵よりも反応が良かったんですよ。
その絵がきっかけで初めてプライズ化のお仕事をいただいたりもしましたので、「この子達をもっと広めていきたいな」と思い、今は『花ことり』を中心に描くようになりました。

『もちぷあチンチラ』は、割と最近、昨年の初め頃にLINEスタンプで作ったのが始まりだったかなと思います。
私自身はチンチラを飼ったことはないのですが、以前、チンチラを飼っている方からのご依頼で描かせていただいた時から「可愛いな」と魅力を感じて、以来、もっと描きたいなと。
そういう経緯があって、最近はチンチラ達も描いています。

―では、現在の活動をお仕事にしようと決心したきっかけを教えてください。

そらなな:幼い頃から、絵を描くことはもちろん大好きでしたし、今描いてるようなゆるいキャラクターも大好きでした。
でも、子供の頃は他の夢もありましたので、絵を描くのはあくまで趣味であって、それをお仕事にしたいなとは思っていませんでしたね。

ただ、中学生の頃、学生生活があまりうまくいかず、居場所がなくなって不登校になる時期があったんです。
将来も不安だし、何もできない自分も嫌いでたまらなくなりました。
でも、そんなしんどい時期に、今の原点にもなった『すみっコぐらし』というキャラクターに出会ったんです。
ただ癒されて可愛いだけじゃなく、それぞれのキャラに悩みやネガティブな部分もあり、そんなところも魅力に感じて、私にとって初めての推しという存在になっていました。
いつの間にか『すみっコぐらし』が心の支えであり、居場所になっていましたね。
それから時が経ち、少しずつ前を向き始めてきたタイミングで、自分も何かそういうオリジナルキャラクターを作って描きたいなと思うようになり、高校生ぐらいの時から、趣味として『そらなな』という名前でSNSでの発信を始めるようになりました。

絵を描いている時は嫌なことも忘れられますし、絵を描いている時の自分のことは好きでいられる気がして、描き続けています。
今はSNSでの発信を見てくれている人も少しずつ増えて、キャラクターも定着していきましたね。
高校卒業後は飲食店で働いていたのですが、次第に、絵をお仕事にできたらいいなと思い始めて、今は完全にフリーランス1本で頑張っています。

イラストレーターになるきっかけというか、後押しになったのが、2024年の秋に東京で開催されたデザインフェスタというイベントでした。
その時、初めてデザフェスに参加したんです。
ただ、今でこそ、色んなイベントに出て少しずつ接客もできるようになってきましたけれど…私は子供時代から、場面緘黙症という、家以外の特定の場所などで人とうまく話すことができなくなる一種の不安障害を患っていました。
ですから、その時はまだ人前で話すのが怖かったので、デザフェスに応募すること自体にもとても勇気がいったのですけれど…
SNSで周りの方々が出ていらっしゃるのを見て「楽しそうだな」と思ったんですよね。
それで一歩踏み出してみようかなと、頑張ってみることにしました。
当時は準備も手探りでしたし、イベント日が近付くにつれて、本当に不安でしたね。
でも、いざ当日出てみたら、フォロワーさんが応援に来てくださったり、「可愛い!」「応援してます!」と直接、温かいお言葉をかけてくださったりしたのが、すごく心に響いたんです。
それで、自分は自信がなくてできないと思っていたけれど、やっぱりイラストレーターになりたいなと、決心する勇気に繋がりました。
お陰様で、昨年開業届けも出して、本格的に活動を始めることができた次第です。

今は1~2か月に1回くらいのペースでイベントに出展しています。

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

そらなな:やっぱり自分自身が『すみっコぐらし』などのゆるいキャラクターに癒されてきましたので、今度は自分のオリジナルキャラクターで、誰かに癒しを届けられたらいいなと思って、描いています。
あと、キャラクターを描くのであれば、単体じゃなくて仲間を加えてワイワイさせたほうが楽しいなと感じまして。
彩りも出ますし、描く幅も広がりますから、そういった諸々の想いで、いろんなキャラクターを描く方向性に定まっていきましたね。

中高生の頃は、水彩で描く風景画が得意で、賞をいただいたりすることもあったんです。
なので、周りが認めてくれたのは、そういった『リアルな風景画』だったのですけれど…
今の私が描きたいと思うのは、ゆるいキャラクターですし、それに合うのはデジタルイラストでしたから、自分が「大好き」と思うものや、自分の世界観を描きたい思いもあって、今のスタイルになりました。

―ありがとうございます。せっかくですので、花ことり達の誕生秘話を聞かせていただければと思うのですが、如何ですか。

そらなな:元々、花も鳥もそんなに詳しくなかったのですけれど、先ほどお話ししたように、「タイムラインに花を咲かせよう」というハッシュタグが流れてきたのがきっかけでした。
思い付きと言いますか、『花ことり』という言葉の語呂が良いなと感じ、花と小鳥を掛け合わせて描きたいなと思ったのが始まりだったんです。
1枚の絵にまとめて描く感じでしたから、メインの4羽は一気に生まれてきましたね。

―4羽一気にだったんですね! ちなみに『花ことり』と『もちぷあチンチラ』以外にも、シリーズがあったりするのでしょうか?

そらなな:LINEスタンプですと、猫や犬のキャラクターもいますね。
もちろん、亀もいます。
他には特にいませんが、それぞれ種類がいっぱいなので…(笑)

「人と違ってもいいんだよ」「そのままでもいいんだよ」

―作品制作にあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

そらなな:私のモットーが「誰か1人にでも癒しを届けられますように」なので、見てくれる人がほっと癒されるような、そして見ていて「なんか楽しいな」と感じてもらえるようなイラスト制作を心がけています。

イラストに、寂しさみたいなのを感じさせたくないんですよ。
なので、キャラクターの周りにはテーマに添った装飾を…例えば食べ物だったり、お花だったりを加えたりしています。
他にも、なるべくオリジナルキャラクター達は単体で描かず、1枚の絵に、主要キャラクターをみんな入れたりして、シンプルすぎない絵を意識していますね。

あと、『花ことり』のテーマは、もちろんお花と小鳥でもあるのですけれど、『個性』というテーマも内包しているんです。
いろんな色や形のお花があるように、おかめさんは食いしん坊だったり、シマエナガさんは器用だったり。
そういうふうに、キャラクター1人1人に個性を持たせることも大切にしています。
お洋服とかを着せて描く時も、なるべくみんなバラバラのデザインにしていて…
私自身が、周りと違うことに悩んできましたから、「違ってもいいんだよ」「そのままでもいいんだよ」という想いを、イラストを通して伝えられたらいいなと思っています。

―なるほど。ちなみに、一緒に描かれる物としては食べ物が多い印象ですが、そこもやはりお好きだからでしょうか。

そらなな:そうですね、好きなので(笑)
最初の頃は、よく食べ物をリアルめに描いたりもしていました。

―では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?

そらなな:周りのクリエイター様にも日々刺激をいただいているのですが、やっぱり一番は、すみっコぐらしの作者である、よこみぞゆり先生ですかね。
今は『なんでもいきもの』というキャラクターも描かれているのですが、よこみぞ先生のキャラクターは1人1人にもちゃんと個性があって、そのキャラクターの背景や内面もしっかり描かれているのが魅力的だなと思っています。
なので私も、自分のキャラクター1人1人に個性を持たせているんです。

それに、よこみぞ先生の作るキャラクターって、男女問わず好きな方が多いイメージがあるんですよ。
グッズを、女性が持っていても、男性が持っていても、どちらでも違和感がない。これって本当にすごいなと。
だからこそ、私も、可愛いけど可愛すぎないようなデザインを意識しています。
ピンクなどファンシーな色を使いすぎず、ゆめかわ系のイラストよりも落ち着いた感じの色味を使うように、とか。
よこみぞ先生のように、老若男女問わずに愛されるようなキャラクターを描きたいなと憧れを持って描いています。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

そらなな:ゆるい感じの絵を描く時は、季節に関するイラストだったり、今日は何の日、というのを調べたりして描いているんですよ。
例えば、今日が『ホットケーキの日』だったら、それをテーマにキャラクター達を加えていくのですけれど、その上で、ただ何となく描くのではなく、いろんな資料や自分の撮った写真などをしっかり見て、参考にしながら描いていますね。
作品にもよるのですが、私は1枚1時間前後で仕上げることが多いので、『何の日か』は当日に調べて描くことが多いです。

それに、今は毎日描けているわけではないのですけれど、以前はなるべく毎日描くことを意識していました。
あとは、イラストの描き方や、構図、デザインの本を買って、学んだりもしていますね。

他にも…頻度は少ないのですけれど、気になった展示会やイベントには、行くようにしています。
美術館やイベントも、お客さん側で回るのも楽しいですし、作家さんと直接会ってお話しができるのも刺激になりますし。
描く時間が多いほど、家にこもる時間も多くなってしまうのですけれど、外に出て、いろんな作品に直接触れてインプットして、自分の中に思い描いたものをアウトプットしていく、ということも大事にしたいですね。

好きでいてくださる方は、決してゼロではない

―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。

そらなな:今は基本的に、こちらからお仕事を取るというよりは、メールでご連絡くださった企業様のご依頼のみをお引き受けしています。
最近だと、ラウンドワンのプライズ化だったり、間違い探し書籍の一部分のパートを担当させていただいたり、SNSを見てご連絡をくださる方がほとんどですね。

今のところ、お仕事が重なるということは起きていないのですけれど、もし今後そうなって優先順位をつけることになったとしたら…
やっぱり、自分が本当にやりたいこと、描きたいものなのか、自分の絵柄の世界観に合っているお仕事か、といった部分を重視して選ぶと思います。

今はまだ、自分自身が経験不足ですのでおこなっていませんが、投稿やイベントの出展で経験を重ねていったら、クリエイターEXPOみたいな商談会にも後々チャレンジできればと思っています。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

そらなな:やっぱり、夢や目標はあるものの、ずっとこの活動を続けていけるのかなといった将来の不安は、今もありますね。
あと、体調を崩したりすることもあり、SNSの更新ができない期間にフォロワーさんが減っちゃったり、再開後もいいね数や閲覧数が減って、自信を失うこともあります。
基本的に、SNSは2日に1回は投稿するよう意識しているのですけれど、それでもキャラクター達が飽きられるんじゃないかな、忘れられちゃうんじゃないかな、という不安もあったりしますね。

ただ、いいねとか、コメントを毎回くださる人もいますし、キャラクターを好きでいてくださる方や応援してくださる方は、決してゼロではないんですよ。
それはとても嬉しいことですし、やっぱりイベント出展した時に、いろんな人が来てくださって、改めて「1人じゃないんだな」「見てくれている人は、ちゃんといるんだな」と実感できると、励みになります。
それがまた、次のやる気や気力にも繋がっているので、周りの方々に救われている部分も多く、感謝もいっぱいありますね。

なので、ずっと応援してくださる方々にイラストで恩返しもしたいんです。
だからこそ、ゆっくりでいいから着実に進めるように、あと、休む時間があってもいいからとにかく辞めずに、キャラクター達がもっと羽ばたけるように努力したいですね。

―ありがとうございます。では、今の活動をしていて良かったと思うことを教えてください。

そらなな:昨年、1つの目標としていたラウンドワンのプライズ化をしていただけたことがとても嬉しかったですね。
その上で何より嬉しかったのは、プライズ化決定後の周りの方々の反応でした。
お知らせを見て、「すごい!」とか「絶対取りたい!」とか、一緒に喜んでくださったり、実際に取ってくれた『花ことり』のぬいぐるみをSNSに載せてくれたり。
UFOキャッチャーって、お金も時間もかかって大変だと思うのですけれど、それでもわざわざ取ってくれた、ということが本当に嬉しくて、描いて良かったなと思いました。

―逆に、大変なことはありますか?

そらなな:絵のこととは少し異なるのですが…
私は現在、地元の長崎の離島に住んでいるのですけれど、イベント出展に力を入れている上で、発送面が大変だな、と。
イベント会場や委託先にグッズを発送する際、「何日までの必着」という期限があるのですけれども、やっぱり離島は船での輸送を経るので、波があると欠航になることもよくありまして。
普通より、1日2日は届くまでに日数がかかってしまうんですよ。
なので、余裕を持って1週間ぐらい前とか、遅くとも4日前には出さないといけない分、いつも慌てていますね。
作りたいと思ったグッズを発注したくても、その会社が離島発送不可だったりすることもありますし…
それにイベントの場合も、発送の際に配達会社を指定されるのですが、その配達会社によって、離島宅配不可だったりすることもあるんです。
そしてデザフェスの時が、まさにその離島宅配不可だったので、初出展の時は、近くのホテルに送って、歩いて運んだりしましたね。
前回はもう、親戚にも協力してもらって、一旦親戚の家に送ってから会場まで発送をお願いしました。
あと、送料の負担ですね。相手の負担もかかってしまうので。
それと、自分自身もイベント会場へ移動する際、船が出るか出ないかというリスクがあって…毎回もう、天気というより波の高さが低くなることを祈っています。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

そらなな:『花ことり』も『もちぷあチンチラ』も含め、オリジナルキャラクターの、ガチャガチャのトイカプセル化をまだしたことがありませんから、それを叶えたいですね。
それから、子供の頃の夢が飼育員だったので、動物園や水族館のコラボグッズも、いつか展開できたらなと思っています。

あと、イベントにはなかなか行くことができない方とかもいらっしゃいますし、誰もがSNSをやっているわけではないので、もっといろんな場所でキャラクター達の存在を知ってもらって、その中で癒しを届けられたらいいなと考えています。

最後に、一生かけての夢として…
よこみぞゆり先生のキャラクターと自分のキャラクターがコラボする、というのが目標ですね。
やっぱり、私自身にとって、イラストレーターになりたいという夢の原点にもなった方なので、すごく壮大すぎる夢なのですけれど、自分の力で地道に進んでいって、いつか直接感謝も伝えられたらいいなと思っています。
そうして、誰か1人のために、というのももちろんなのですが、自分自身のためにも、これからも作品を描き続けたいです。

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