「キャラクターを可愛がることを通して、自信に繋げてもらえれば」マルメのモンスター屋さん

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経験を全部組み合わせて、自分だけの活動を作ろう

―現在の活動内容について教えてください。

マルメのモンスター屋:依頼者さんにヒアリングをして、その内面的な魅力をキャラクターとして描く、『ゴジモン』という活動をしています。
その他に、オリジナルキャラクターを作ったりもしているのですけれど、現在はゴジモンがメインですね。
2022年にゴジモンの活動を始めて、現在(インタビュー時点)で4年目になります。

それから、デザフェスなどのイベント出展もおこなっています。
大体、年に5回くらい参加していますね。

マルメのモンスター屋:大学への入学時、元々は実写の映像をやりたかったんですよ。
ただ、目指していた学部の入試方法が、普通に勉強で入試を受ける形と、もう一つ、デッサン&センター試験で受ける形と2枠ありましたので、そこでデッサンの勉強をしました。
元々はそんなに絵を描くこともなかったので、絵の勉強自体、その受験のタイミングで少ししたくらいでしたね。

卒業後は、会社員としてコピーライターになったのですが、その時点では絵ではなく、言葉を考えるほうが、自分の気持ちを表現しやすいなと感じていたんです。
文通みたいなことも好きで、相手に何か伝える時、じっくり言葉を考えるのが楽しかったんですよね。
なのでコピーライターとして働き始めたわけですが…
ちょっと、就職した会社が結構、パワハラなどが酷いところで。
新入社員だったこともあり、自分自身まだそんなにバリバリ仕事ができる感じでもありませんでしたし、加えてパワハラを受けたことも合わさって、だいぶ自信をなくしてしまったんです。

そういった経緯があって、自信を取り戻したいというか、もうちょっと自分を肯定したいなと思った時に、『自分でしかできないことをやって、それを社会に受け入れてもらわないと』という考えに至りました。
とはいえ、何か一つ磨き上げてきたスキルがある、というわけでもありませんでしたから、そこで「経験を全部組み合わせよう」と思ったんです。
絵を描くこととか、コピーライティングとか、取材した経験とか。他にも、文通とか、大学時代に制作したものとか…
とにかく全部を複合して、自分だけの活動を作ろう、と。

それで今、絵と言葉の両軸で活動しています。
すべてが繋がって今の活動になっているので、『絵の仕事』というよりは、『絵と言葉がセットの仕事』と思って活動を続けていますね。

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

マルメのモンスター屋:大学時代、『顔を見ずに、その人の内面を表現した絵を描こう』ということを、ちょっとした試みとしてやったことがあったんですね。
結果として、それがキャラクターのデザインになったんですよ。
その描き方をずっと繰り返している内に、『相手の魅力を目に見える形で表して、受け入れてもらえれば』という目的が、次第に大きくなっていった感じです。

『魅力を描く』ということを目的とした時、いろんな描き方が存在していると思うのですけれど、自分の場合は「キャラクターにすることで愛着を持ってもらえるかな」というふうに考えたんですよね。
自分自身の内面が表現されたキャラクターを可愛がる、ということを通して、それを当人の自信に繋げてもらうことができればいいな、と。
そんな想いで、今の方向性になりました。

常に実験を繰り返し、毎回模索を続けていく

―作品制作にあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

マルメのモンスター屋:決まった描き方をなぞって、毎回制作するのではなくて…
効率などは求めずに、葛藤しながらその都度描いていく、ということを大切にしています。
「自分の描き方はこれ」というものをあまり固定しないで、毎回模索する、という形ですね。

―なるほど。ちなみに、そうして『効率を求めない』と決めて、描くようになっていったきっかけなどはありましたか?

マルメのモンスター屋:自分の場合、決まった描き方にすると、どうしても色々と停滞してしまうんじゃないかな、と感じたんですよね。
毎回違う人を描くわけですから、その都度その都度、相手の人柄に向き合うことで、その人に合った描き方も生まれてくるんじゃないかと。
それに自分自身、依頼者さんによって全く違う描き方をしたほうが、変化も止まらずに続けて行けるんじゃないかな、という気持ちでやっています。

―では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?

マルメのモンスター屋:いろんな人の作品を見るようにしているのですが、考えてみても、個人のクリエイターさんの中に「この人の影響を受けました」という特定の方は、いないかなと思っています。

ただ、今の活動や作風に繋がってるかどうか、ちょっとわからないものの…
大学時代の制作の時、アートアニメーションの世界に魅力を感じて、東京藝術大学の大学院などで教授をされている山村浩二さんというアニメーション作家さんの作品は、よく見ていましたね。
その当時は、今と違って、少しタッチも似ていたような気がします。

それから、同じくアニメーション作家の、ひらのりょうさんの作品も、当時はよく見ていました。
本当に、今の自分の作品に活かされているかどうかはわかりませんが…
生き物が好きなので、ひらのさんに限らず、いろんな生き物を描いている人の作品は、特に見ているかもしれないですね。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

マルメのモンスター屋:先ほどお答えした「描くに当たって大切にしていること」にも通じるのですが、練習作だけでなく本番で描く時でも、完成に至るまでずっと、常に実験を繰り返して描く、ということでしょうか。
何だろう…決まった描き方を繰り返すのではなく、毎回新しいテーマだと思って描くというか。
やっぱり、その都度「描き方を新しく見つける」という気持ちで描いていく、模索を続けていく、ということですね。

あとは、自分も全然大したことはないのですけれど、それでもデッサンは大切かなと思います。
光源とか、そういった理論的な知識は、どうしても必要になってくるかなと思いますので。

不安があることは、結構プラスになるのかもしれない

―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。

マルメのモンスター屋:自分の場合、Instagramのフォロワーさんや、あとはイベントで出会った方から依頼をもらっていますので、あまり企業さんの仕事などはしていないんです。

ただ、もしお仕事を選ぶことがあった場合の優先順位としては…
どうしても、自分のモチベーションによって作品のクオリティが左右してしまう、という未熟な部分がありますので、自分が誇りを持てる仕事かどうか、というところが基準になってくるかなと思います。
作品の質を上げるために、今はそこを大切にすると思いますね。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

マルメのモンスター屋:やっていることが、結構ニッチなので…
一生理解されなかったらどうしよう、みたいな不安は、今でもありますね。
ただ、不安はありつつも、これまでの活動を振り返ってみると、昔より今のほうが理解してもらえた機会が多いと感じているんですよ。
なので、不安を持ち続けながらも、進歩していればいいのかな、という気持ちで続けています。

―不安があると、結構動けなくなってしまうタイミングなどもあると思うのですが、そういった時はどうやって状況を打開していらっしゃるのでしょうか。

マルメのモンスター屋:自分の場合は、不安じゃないと逆に良い絵が描けないかもしれません。
不安がない、絶好調みたいな時って、何だか悪い気分の乗り方みたいになるんですよね。
そうやって、「何でもいけちゃう」みたいな制作を進めると、自分の感覚として、人を舐めたような絵になってしまう気がするというか…
なので、謙虚でいるためには、不安ってある程度あったほうが良いなと。
悩んで悩んで描いたほうが、ちゃんと葛藤した良い絵になると思うので、自分としては、不安があることは結構プラスなのかもしれないと思って活動しています。

―ありがとうございます。では、今の活動をしていて良かったと思うことを教えてください。

マルメのモンスター屋:依頼に対応していると結構、感激してもらえて、長文のメッセージをいただいたり、「何か人生がちょっと好転しそう」みたいなことを言ってもらえたりするんですよ。
会社員をしていた時も、それより若かった頃も、そういうふうに人に感動してもらえたことってあまり経験がありませんでしたから、いただく言葉が本当に毎回自信になっていっている気がします。
メッセージをいただく度、良かったなと思いますね。

―逆に、大変なことはありますか?

マルメのモンスター屋:同じようなことをしている人が見つからない、という部分でしょうか。
武道とかで言えば、師範についていって、その人を倣って成長する、みたいなところがあると思うのですけど、自分は追いかける背中がないので。
毎回、自分自身の手探りでやっていくしかないんですよね。
だからその分、歩みも遅いような気がするんですよ。
それがちょっと大変かな、と思います。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

マルメのモンスター屋:一番は、このゴジモンの活動を一生続ける、ということが人生かけての目標ですね。
その中で、もっとゴジモンの活動を広く知ってもらい、『ご自愛』を応援する文化として、浸透させていきたいな、という想いがあります。

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