「『自分のままでいい』という表現」みや

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水色界隈とめんだこちゃんに込めた、誰かに寄り添いたいという想い

―現在の活動内容について教えてください。

みや:今は定期的に個展を開催したり、グループ展の参加や主催をさせていただいたり、あとはコミティアやデザフェスなどのイベントへの出展をさせていただいています。最近ではポップアップイベントへの出展も主な活動になっていますね。

―年間でどれくらい出展されているんですか?

みや:今年の5月は、個展とデザフェスとコミティアが連続であって、さすがに忙しかったです。月に1回あったらやばいほうかな、というくらいの感覚なんですけど、5月から9月まではもう全部の月で、絶対どこかで1回はイベントをやっているか、どこかに出ているかっていう感じですね。

―現在の活動を始めようと決心したきっかけを教えてください。

みや:実は、明確に「絵を仕事にしよう」と決心したきっかけみたいなものはないんですよ。元々絵は好きだったんですけど、両親が絵に対して批判的で。両親の反対を押し切って、奨学金を借りて専門学校に行ったんですけど、家庭の事情で学校に通いながら働かなきゃいけない環境でした。

学校が終わったらそのままバイトに行って、休みもなくて課題もキツキツで、体力的にも精神的にも結構きつかったですね。一応卒業はできたんですけど、ちゃんと学べたっていう自信もなかったので、その時点で仕事にするのはもう諦めていました。

卒業から数年後、たまたま印刷会社に入社したときに、そこで働いている先輩方のほとんどが何かしらの活動をしているクリエイターさんだったんです。音楽を作っていたり、ダンスをしていたり、イラストを描いていたり、フォトグラファーさんだったり。世の中の型にはまらず自由な生き方をしてる人がすごく多くて、尊敬できる先輩方を見て「自分も小さいことからでもいいから何か始めたいな」と思ったのが、また絵を描き始めるきっかけになりました。

今は本業でDTPの仕事をしながら、自分の作りたい世界観の表現を形にしている感じで、結果としてイラストのグッズが販売につながったので、自然と仕事みたいになった、という流れですね。

―ご自身の作品の方向性は、どのように決まっていったんですか

みや:自分の過去があまり明るいものではなかったからこそ、創作の方向性として「自分のままでいい」というのをメインにしています。自分のための、未完成な感情を抱えたままでいい、自分が好きだと感じる心に忠実でいること、というのを表現しようと思っていて。

私自身、人生の中で周りから否定されることが多かったんです。自分の好きなものを誰かに否定される対象になったことで、「もう何も好きじゃないんだ」って思い込もうとしていた過去があって。だからこそ、誰からも否定されない世界を自分で作ろうと思って、そういう作品を作り始めたんです。誰かに寄り添えるような作品を作りたいなと思って、今の方向性になった感じですね。

―水色界隈や、めんだこちゃんというキャラクターにも、そういう想いが表れているんでしょうか。

みや:水色界隈って、一般的にはマイノリティになるジャンルではあるんですけど、個人的にマイノリティという概念自体が存在すること自体がよくないと思ってるんです。好きなものに対してマジョリティやマイノリティを考えてほしくなくて。流行よりも自分にとって「好き」が一番大事ですし、その輪が広がる事はいい事だと思っていて。

私が描いているめんだこちゃんというキャラクターも、ピンクや赤じゃなくて水色や白にしているのは、「自分は周りと違うんだ」って思っている人にこそ手に取ってほしいなという想いがあったからなんです。手に取ってくださった方が、少しでも心が軽くなったらいいなと考えながら作っています。

いろんな経験を絵に変える、創作の工夫

―絵を描くにあたって大切にしていること、意識していることを教えてください。

みや:私の場合は、とにかくいろんなものを見て、いろんなことを経験することです。絵の技術には直接関係のないことなんですけど、全く関係のないものを見たり経験したりしたときに、それを絵に落とし込むとしたらどう表現しようか、という全く違う角度から物事を見ることができるようになるんです。個人的には、いろんな絵を見ることも大事にしつつ、それ以上にいろんな経験や、実際に見に行って感じることを大事にしていますね。

ルーティンは特に組んでいなくて、女の子のイラストを描くときは、実際にどこかへ行ってその景色を見て、深海に沈めたらどうなるかなとか考えながら、写真を撮ったりして。それを見ながら「次はここをモチーフに描こうかな」と考えたりしています。

―制作のペースはどれくらいなんですか?

みや:女の子のイラストと、めんだこちゃんの活動を、去年から真っ二つに分けているんです。デザフェスや雑貨系のイベントのときはめんだこちゃんしか描かないですし、コミティアのような本系のイベントや個展のときは女の子のイラストだけを描く、というふうに。世界観は一緒なんですけど、表現しないといけないところが微妙に違ったりするので分けていて、ほぼ毎日、違う制作をしている感じです。

―影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?

みや:これも家庭環境の都合で、両親がアニメやイラストに対してひどく偏見を持っていて、当時は禁止されてました。なので、隠れて絵を描いているような感じだったので、「この人の影響を受けました」とはっきり言えるクリエイターさんがいないんです。その分、外に出たときに街中にある広告やポスター、デザインなどをいろいろ見て、「こういう部分は参考になるな」というふうに、いろんな形やデザインを別の形でイラストに落とし込めるよう工夫してきました。

―作品のクオリティを上げるために、努力したことはありますか?

みや:私自身、絵を描くのはめちゃめちゃ好きなんですけど、描くのがめっちゃ苦手なんですよ。昔はデッサンやポーズマニアックスで練習していたんですけど、自分の空間認知能力に限界を感じて、そこは潔く諦めました。

その代わり、自分が好きな配色やUIデザインを組み込んで、画力を上げるというよりは、イラストをよく見せる方向に舵を切ったんです。正直、デッサンもパースも狂っているんですけど、絵に正解ってないと思っていて。デッサンが狂っていても、それが個性として一つの作品に落とし込めていて、見てくれた人が納得できたり、自分にとって最高だと思えるなら、それが正解かなと。自信をなくして描かなくなるより、自分で正解を見つけたほうがいいと思ったんです。

自己満足の先にある、これからの創作の話

―クライアントワークはされていますか?

みや:本業があるので基本的にはやっていないんですけど、余裕があるタイミングで似顔絵を描きに行ったりすることはあります。

―お仕事の依頼が来たときは、どのように対応されているんですか?

みや:本業があるので、イラストのご依頼はほとんど受けていなくて、基本的にはお断りしています。自分の描きたいもの以外は描きたくないのもあるので…。ただ、安いから依頼したいという理由ではなく、「この人だから描いてほしい・作ってほしい」という動機なら、本業の兼ね合いもありますが、私に依頼したいと思っていただける気持ちが嬉しいので、そこはしっかりご相談に乗ります。

―クリエイターとして活動する上で、不安はありましたか?

みや:活動する上での不安というのは特にないんです。ただ、私自身あまり人と関わらないように生きてきたタイプなので、イベントという人前に出る場面のたびに、めちゃくちゃ緊張して体調を崩してしまうのがネックですね。イベント前は準備も佳境になってメンタルもすり減るので、ご飯を食べている途中でお腹を下したり、自律神経がどこかに行ってしまったような感じになったりします。

―活動していてよかったことと、大変なことを教えてください。

みや:よかったことは、自分の頭の中にある世界を絵で表現して、実際に本として手に取れる形に落とし込めたときです。大変なのは、企画からグッズ制作、販売、デザインまで全部自分ひとりでやらなきゃいけないことで、作りたいものがたくさんあるのに、全然追いつけていないなというところですね。

個展のブースでは、BGMもオリジナルで依頼して作ってもらって、空間の雰囲気に合うようにしています。準備はすごく大変なんですけど、来てくれた方に何かを感じて、楽しんで帰ってほしいという気持ちが強くて。BGMに気づいてくれた方が「展示内容にBGMを合わせたんですか」と聞いてくれたりすると、すごく嬉しいです。

―今後の目標や展望を教えてください。

みや:正直、私自身は有名になりたいから活動しているわけではなくて、全部自己満足でやってるので、私というクリエイターを見つけてくれた人が、ずっとそばに置いておきたくなるようなグッズを作ったり、イラスト作品を作っていけたらいいなと思っています。大きな野望みたいなものは特になくて、これからもグッズ作りやイラスト制作をずっと続けていけるようにしたいなと思っています。

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