「たくさんの人が心温まり、笑顔になってくれますように」mugiさん

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かつて漫画家を目指し、受賞経験もあった上での、選び取った『今』

―現在の活動内容について教えてください。

mugi:現在はオリジナルの、とことこうさぎ『とこうさ』という作品をSNSで毎日投稿しています。その作品でいろんなイベントに出店して、オリジナルグッズを皆さんにお届けしているのが、活動のメインになります。
『とこうさ』の毎日投稿を始めたのは2022年6月からなのですが、とこうさ自体はもう少し前から存在していましたね。
私は多肉植物を育てるのが好きなのですけれど、その多肉植物の鉢に絵を描きたいな、可愛いキャラクターを描きたいなと思ったのがきっかけでした。
最初丸を描いて、耳をちょんちょん、尻尾をちょん、と増やしていって出来上がったのが『とこうさ』だったんです。それが2021年頃でした。

お仕事としては『とこうさ』以外にも、イラストレーターとして、企業様からの依頼を受けてカットイラストなどを描かせていただいたりしています。

―2022年に毎日投稿の活動を始められてから、今までずっと毎日投稿を続けていらっしゃるのですか?

mugi:そうです。今年(2026年)の6月で、毎日投稿を続ける活動も4周年を迎えました。

―すごいですね。毎日投稿を始めようと思われたきっかけは何だったのでしょうか。

mugi:始めた頃はコロナ禍中で…皆さん、家にいる期間が長かったと思うのですが、私も1人で家にいて、何か寂しいなあとか、人との繋がりが欲しいなあと思ったんです。
最初は、描いたイラストを友達に見てもらっているだけだったのですけれど、その友達が「これ毎日投稿したらいいんじゃない?」「たぶん、たくさんの人が心を癒されて笑顔になれるんじゃない?」と言ってくれて。
なので、せっかくこうして描いて、友達も笑顔になってくれているし、もしその友達以外の人にも笑顔になってもらえるきっかけになるんだったら、やってみようかなと。
そういった経緯で、毎日投稿を始めました。

―素敵です! では、現在の活動をお仕事にしようと決心したきっかけを教えてください。

mugi:決心したきっかけでも、同じでしたね。
絵を描くことは昔から好きだったのですけれど、同じくらい、笑顔になれる幸せなもの、心が温かくなれるものを届けられたらいいな、ということを昔から思っていたんです。
なので、まさにコロナ禍の時にもらった友達の言葉がきっかけでした。

ただ、すごく昔の話になりますが、小学生の頃からの夢は、漫画家だったんですよ。
ずっと漫画を描いて投稿したり持ち込みしたりして、賞も受賞して、担当さんがついてくれた時もありました。
担当さんは良いものを作るために、私が描いたお話のネームも、「こうしたら面白くなると思います」と色々アドバイスくださいました。私自身も、当時は「確かにそうすれば面白くなるかも」と修正し、「面白くなったかも」と思って進めていたんです。
でも、その中で、どこかで私が表現したいこととは少し違うニュアンスになってしまうかも、という想いもあったんですよね。
なので友達とか、いろんな人にネームの状態で見ていただいたら、やっぱり「mugiちゃんの良かったところが、ちょっとなくなってきてるんじゃない?」と言われてしまって。
今まで見てくれていた人達は、ここがmugiらしいところだ、という要所をちゃんとわかってくれていて、そこが面白いところだと思ってくれていたんだな、と実感できたんです。
なので、その『mugiらしさ』をなくしてまで漫画家として描いていくのは楽しいことなのか、と悩み、私はそこで一旦、漫画家になることを諦めた、という経緯がありました。

学生時代、母には「漫画家になるんだったら、手に職はつけておいたほうがいい」と言われ、歯科衛生士の専門学校に行って資格も取れていましたので、その後は歯科衛生士として働いていましたね。

そうしてコロナ禍に入り、多肉植物の鉢に『とこうさ』を描いたことがきっかけで、やっぱり絵を描くのは楽しいなあ、と再確認ができました。
漫画家になるのを諦めた後も、お絵描きはずっとしていましたから、その楽しい気持ちが今の活動に繋がっていった形です。

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

mugi:『とこうさ』は、先にフォルムができてしまったんですよね。
鉢に描いた『とこうさ』を見て、その時に「この子は優しい感じがするな」と感じたと言いますか…ちょっと言葉にするのが難しいのですけれど。
こうしていこう、と考えたわけではなくて、この子を見た時に優しい感じがしたというか、私も見ていてニコニコと笑顔になれたので、やっぱりこの子がのびのびできる世界観にしたいな、という部分を大切に作り上げていっています。

漫画として必要な線と、キャラクターとしてのシンプルな線

―作品制作にあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

mugi:絵を描くと、誰かに見てもらえたら嬉しいな、という気持ちが生まれて…
そうして見てくださった方に、にっこり心が温かくなってもらえるのが一番嬉しいなと思っているんですよ。

あとは、見てもらった時に、描いた絵から『感触』とかも伝わればいいな、と言う部分も意識していますね。
ふわふわというか、もちもちというか、触ったら気持ち良さそうな感触が伝わるように、線を1本1本描く時も、何度も描き直して、自分の求めるカーブを描くようにしています。
少しでもカーブの歪み具合が変わると、質感が変わってしまうなと感じているので、気をつけています。

―影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?

mugi:漫画家を目指していたこともあり、元々の絵をたどると、やっぱり漫画が元になっている気がします。
初めて買った漫画が『カードキャプターさくら』でしたし、種村有菜先生の華やかな感じとか、少年漫画も好きなので、結構動きのある絵とかもたくさん見ていて。大元としては、その辺りに影響を受けていたと思います。
ただ、だからこそ、表現や描き込み具合が、漫画の線の重さになっていってしまう部分がありまして。
なので、最近参考にさせていただいているのは、シンプルなデザインで可愛いキャラクターを描かれている方達、皆さんを、参考にさせていただいています。
「私だったらこの線も描いてしまうけど、このクリエイターさんはこんなに少ない線の数で表現されているのか」という部分を分析して、めちゃくちゃ参考にさせていただいていますね。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

mugi:私は子供の頃からずっと、広告の裏とかにも、とにかくずっと絵を描いていました。
幼稚園の頃になると、スケッチブックにずっと波線など、線を描く練習をしていて、スケッチブック何冊もその線を描くだけで終わっていたりしましたね。
ただ、やっぱり線を描くだけじゃ上手にならない、ということもわかったので、その次は物を見るだけでなく、触ってみるようにしたんですよ。
そうして、対象物のカーブの具合はどれぐらいなんだろう、とかを実際に自分で感じて描くようにしたら、1回目に描いた時よりも2回目に描いた時のほうが上手になった気がしますから、実際に触る、というのはおすすめです。

あとは、やっぱり人に見てもらうのも良いな、と。
描く時に自分がこだわったところを、皆が見つけてくれて、それを褒めてもらえるのが成長に繋がるのかなと思います。

『とこうさ』が、多くの方の日常に笑顔を届けられる存在になれたら

―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。

mugi:現在はSNSのDMや、ホームページのメールからお仕事をいただくことが多いです。
それから今年は、クリエイターEXPOというイベントに初めて出展して、そこでもたくさんお声がけいただき、お仕事をいただけるようになりました。

お仕事が重なると、どうしても受けたくてもお受けできないことはあるのですけれど、依頼をお受けする際には、自分の作風に合っているかどうかも大切にしています。
あとは、やはり先にお引き受けしたお仕事を優先していますね。
無理にお仕事をお受けしてしまうと、スケジュール的にクオリティを保てる自信がないので、きちんと納品できる範囲でお引き受けするようにしています。
そのため、新たにお声がけいただいた際に、すでに予定が埋まっていてお引き受けするのが難しい場合は、お断りさせていただくこともあります。
せっかくお声がけいただいたお仕事ですし、どのお仕事も責任を持って取り組みたいので、先にお引き受けしたお仕事を大切にしながら、無理のない範囲でお受けするようにしています。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

mugi:不安がないわけではないのですけれど、私は、クリエイターとしてやっていこうと思った時に、自分の気持ちが楽しいと思えることが第一優先だなと考えたんですよ。
なので、楽しくないと感じたら辞めようと思って活動をしているんです。
不安はありますが、人生1回だし、やれることはやって、楽しいと思えることをやって活動をしていこう、と決めています。

―ありがとうございます。では、今の活動をしていて良かったと思うことを教えてください。

mugi:やっぱり絵を見てくださった方が、笑顔を見せてくださった時ですね。
それから、大きい絵を展示させていただいた折、「絵の前に立った時に涙が出ました」とか、心を動かしてくださった瞬間に出会えたり、そういった感想をいただいたりした時に、本当に描いて表現していて良かったな、とすごく思います。
活動していないと、そんなふうに思ってもらえることもありませんでしたし、すごく嬉しいことだなと感じ入ります。

―逆に、大変なことはありますか?

mugi:絵を描いていると時間を忘れてしまって、ストレッチとかもせず、ずっと描き続けてしまうんですよ。そうして体が固まってしまうことが1番大変ですね。
先日も、ぎっくり腰になってしまって…
絵を続けるためには、きちんとこまめに休憩を取らなければいけないなと実感しました。
健康、大事ですね。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

mugi:自分が描いている『とことこうさぎ』が、町中のどこに行っても見つけられる存在になれたらいいなあ、と思っています。
例えば、文房具やカプセルトイ、日用品とかだと、きっと手に取ってもらえることが多いでしょうから、そういった場で手に取ってもらって、笑顔になってもらえる存在になれたら嬉しいですね。

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