「吸収できるものは何でも吸収して最高のけもみみを!」ろうずさん

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最初のインパクトは大事

―現在の活動内容について教えてください。

ろうず:今年(2024年)の3月までは専門学生をやりながら、X(旧Twitter)で二次創作やオリジナルキャラクターのイラストの発信をしていました。SNSで発信したイラストをきっかけにお仕事の話をいただいて、受けてみたい案件があったらその依頼を受けています。中にはVTuberのサムネイルや配信待機画面のイラストなどのお仕事もありました。

―Xの活動は何年くらいされていますか。

ろうず:6年くらいだと思います。最初はpixivでアップし始めて、高校2年生の頃にTwitter(現X)のアカウントも作りました。最初は二次創作をアップし続けていると、だんだん作品を見てくれる人が増えていったんです。専門学生になってからは、「オリジナルもやってみよう」と思いオリジナルのイラストも発信し始めると、さらに反応してくれる人が増えて今に至ります。

―絵を仕事にしようと決心したきっかけを教えてください。

ろうず:まず絵を始めるきっかけになったのは、中学校3年生の時に友人から『ご注文はうさぎですか?』を紹介されたことです。僕はこの作品が初めて観た深夜アニメだったのですが、めちゃくちゃはまり、そこからオタクになりました(笑)いろんなアニメやゲームとかに触れていく中で、オタクの世界は面白いな、自分でも作る側になってみたいなと思い始めて、絵を描き始めたんです。

僕は我が強くて、やりたいことしかやりたくないタイプなので、高校生になってすぐ絵にはまっちゃったから、部活もバイトもせずに放課後はすぐ家に帰って、ずっと絵を描くっていうのを3年続けていました。

進学ももちろん絵の分野へ行こうってことで、絵を描くことを仕事にしようというよりは、自然と仕事になった感じ。やりたいことだけやっていく延長線上で、専門学校卒業後もそのまま絵が仕事になるんだろうなと考えています。

―自分の作品の方向性はどうやって決めましたか。

ろうず:SNSのフォロワーが2万人超えるぐらいまでは何も考えていなくて、ただ自分がいいなって思うキャラクターのフェチみたいな部分を詰め込んだ絵を発信したらみんなが観てくれた、というのがずっと続いていました。

今も方向性がしっかり自分の中で固まっているわけではないですが、何となくこういうのがやりたいんだろうなというのはあります。

それが「けもみみ」。

本当に「けもみみ」が大好きで、ビジュアルとしてシンプルにかわいい。僕の「好き」はビジュアルから入るんですよ。イラストってストーリー性もすごく大事だと思いますが、僕はぱっと見たときにインパクトがあるものを作っていきたいなと思っています。

―絵を描くにあたって大切にしていることや意識していることを教えてください。

ろうず:本当に何となくSNSのタイムラインをスクロールしたときに見てくれた人から「いいかも」と思われるようにどうしたらいいか。これはすごく意識しています。

例えば強い色を使うとか明るくするとか、顔がよく見える方が目に留まりやすいから顔は大きく配置してみるとかですね。その上で自分がやりたいことと組み合わせてできたらいいなと思って今も試行錯誤しています。

―割とロジカルに制作されていますよね。

ろうず:ただロジカルになりすぎて、結構スランプ気味に何回もなっていますね(笑)

―影響を受けたクリエイターはいますか。また、どんな点で参考にされていますか。

ろうず:僕が絵師さんの中で最初に影響を受けたのは、凪白みと先生です。

この方も「けもみみ」を描いているんですよ。かっこいいけもみみ武器娘を描いている方でアズールレーンのキャラデザとか大きな仕事もされています。

みと先生から受けた影響は絵の質感かな。僕が絵を始めたての頃の二次元の絵に対するイメージは、すごいパキッとしてツヤツヤしている感じでした。でも、みと先生はアナログ絵じゃないけどタッチが柔らかくて鉛筆みたいな質感、デジタルでありながらアナログの温かさがある印象で、デジタルでこんなことができるんだっていう驚きがあって結構影響を受けました。

もう1人僕が影響を受けた方がいて、それがrurudo先生です。この方はけもみみの絵ではないけれど、悪魔や天使と、ちょっと露出高めの絵を描かれています。この方を一番尊敬しています。

二次元の絵って健全なものとエロの要素のギャップが結構大きいじゃないですか。

確かに一般の人が露出の多い女の子の絵を見るとエロ絵寄りの印象を受けるかもしれないけど、僕は結構神秘的でかっこいい印象を受けました。大げさに表現するなら西洋の宗教画みたいな神秘的なかっこよさ。

言語化するのが難しいんですけど、結構直感的に一番衝撃を受けたのがrurudo先生でした。

そういう感覚的な部分ももちろん、技術的な部分でも影響を受けました。

SNSに投稿する上で何かぱっと見たときの引っかかりみたいなのがめっちゃ大事だと思っていてrurudo先生はそれがめちゃくちゃ強いなと思います。

基礎を忠実に

―画力を上げるために実際にやったことやおすすめの勉強方法はありますか。

ろうず:絵を描き始めたぐらいのときは毎日クロッキーはしてたし、専門学校に入ってからデッサンとかも始めたし、基本的によくやれよって言われてることは、一通り全部やってました。

二次創作をずっとやってた時代は割と好き勝手にやって描いてたんですけど、オリジナルを発信するなら、それなりに上手くなりたいなと思いました。それから結構、技法書みたいな本をたくさん買って、その中に書いてることを絵に取り入れてみたり、本で勉強したりしていました。

あとは、YouTubeにいっぱい解説動画があるから、アップされたものを全部見ようぐらいの気持ちで見まくって、吸収できるものは少しでも吸収しようみたいな気持ちでやってましたね。

僕がそうやって学んでいく中で「現代なら本じゃなくても、YouTubeでも知識は色々補えるな」と感じました。学生とか若ければ若いほど本はやっぱり高いし何冊も買うのも勇気がいるし。それで遅れを取るくらいなら、別にYouTubeで発信してる人も小手先だけじゃなく結構ちゃんと本質的な話とかしてる人もいるんですよね。特に韓国系のイラストレーターですごいなって思っていて、解説されている動画もあります。

おすすめの勉強法としては、YouTubeにいろんな解説があるけど、バズる方法とかわかりやすいタイトルよりは、海外の人とかが解説してるバリバリ基礎みたいな動画をちゃんと観るようにした方がいい。

勉強って面倒くさいけど、勉強したら絶対意味があるから、小手先のものをいっぱい吸収するよりも基本的なことを地道にやっていった方がいいって後になって思いました(笑)

―YouTubeでよく見ている動画は誰のですか。

ろうず:知名度が高い方で言えばさいとうなおき先生。先生の動画はほぼ全部見たかな。

さいとうなおき先生の動画はとりあえず始めたい人におすすめです。

ただ、本当に仕事にしたくて、自分の中で突き詰めたいものがあるみたいなレベルになってくると、韓国系のイラストレーターさんとか、理論的に説明や解説をしてくださっているような動画が参考になります。

自分もいろんなものを見てアップデートしたいです。

―現在、どうやってお仕事をとられていますか。また仕事が増えてきた際にどのような基準でお仕事を選ばれていますか。

ろうず:主にSNS経由で依頼を貰っています。正直まだ学生だったこともありお仕事の経験は少ないですけど、skebで個人依頼をもらったり、コミッションもらったり、X(旧Twitter)に載せているメールアドレス宛に海外の人から、キャラデザして欲しいですとか、さっきのVTuberさんの依頼がきたりしています。

―どのような依頼が多いですか。

ろうず:このキャラクターをあなたの絵柄で描いてほしいですみたいな、絵柄を気に入って依頼してくださる方が結構多いですね。

―お仕事にしていて良かったことや大変なことはありますか。

ろうず:僕は小学校ぐらいのときからクリエイティブ系の仕事をしたいなと思っていたので、今その仕事ができていることが良かったことですね。

大変なことは、好きな事でも得意な事とはまた違うという事ですね。

世の中にはうまい人もたくさんいるし、技術で比べるなら絶対負けるから、その中でどうやって付加価値を出していこうかなとすごく悩みますね。

でもそれを模索するのもまたクリエイティブであり、面白いなって思うから、結局は楽しいが強いです。

時間を気にせずに大変なことに夢中になってる方が幸せかもしれません。

―当面の目標や展望を教えてください。

ろうず:自分で生み出したものが気に入ってもらえて、それが勝手に売れていくのが一番理想。絵の仕事って基本的に誰かから依頼が来て、「こういう内容を描いてください。予算はこれくらいで」っていうのが普通だと思います。

人からの依頼に合わせて作るのもいいけど、やっぱり僕は自分が好きって思うものを作って、それが認められるのが一番楽しい。

今はイラストレーターとして個人で活動しているけれど、僕の人生の目標というか、やりたいこととして後々はチームで何かをしたいです。

最終的には同じ価値観の人と集まって、クリエイティブ系の会社かグループを作って一緒に仕事するみたいな場所を作りたいですね。

それ以外にもオフラインイベントやオフラインの店舗とコラボも面白そうだし、個人のクリエイターさんとコラボしても楽しそう。

あと自分でお店を作りたいんですよ。具体的に考えがあるわけではありませんが、ネット上だけじゃなくて、オフラインで人と触れ合えるものに繋がるものもつくっていきたいですね。

―最後に応援してくださる方々に一言お願いします。

ろうず:クリエイターにとっては応援してくださる皆さんの何気ないコメントが本当に心の支えやエネルギーになるので応援コメントや感想など、恥ずかしがらずにどんどん送ってもらえると非常に喜びます!これからもよろしくお願いします!

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