見ていて面白く、クスッと笑えるようなアイディアを
―現在の活動内容について教えてください。
らいす:今は働きながらのんびり絵を描いています。ときどき個展を開いたり、イベントとかに参加したりしています。
―絵を仕事にしようと決心したきっかけや理由を教えてください。
らいす:高校では美術部だったのですが、顧問の先生が何でも褒めてくれる先生で、絵を描くことがすごく好きになりました。
卒業のときにその先生に「BIGになります」って軽い気持ちで約束したんですけど、それが今でも自分の中に残っていて、絵を描き続ける原動力になっています。
―展示などの活動を始めたのはいつからですか?
らいす:短大卒業後に絵のイベントなどに参加し始めて、本格的な活動は今から2年前くらいにSNS経由で個展をしませんかと誘っていただいたときからです。それからいろいろお誘いをいただくようになりました。
―らいすさんの作品は温かみのある作品が多いと感じますが、作品の方向性はどうやって決めましたか?
らいす:もともと方向性はあまり決めていなかったのですが、子どもの自由で元気な感じが好きで、子どもを題材にした絵ばかり描いていました。そうしたら、SNSで絵を見てくれた人が 「温かくて懐かしい感じがしますね」と言ってくださることが多くなり、それで自分の絵の特徴を知りました。
―色鉛筆を使って描き始めたのはいつからですか?
らいす:面白い描き方ないかなと探していたときに引き出しから昔使っていた色鉛筆を見つけて、これで描いたら面白いんじゃないかなと思って使い始めました。
あたたかい感じが自分の絵と合っている気がして気に入っています。
―絵を描くにあたって大切にしていることや意識していることを教えてください。
らいす:絵の中の子どもがハッピーであれと思いながら、見ていてちょっと面白く、クスッて笑えるようなアイディアを盛り込んだ絵になるように描いています。
―子どもの絵を描きはじめたきっかけはありますか?
らいす:子どもが好きなのもあるし、子どもの想像もつかない行動をするところが観ていて面白くて、それが魅力的に感じて子どもを描きたいと思うようになりました。
―影響を受けたクリエイターはいますか?また、どんな点で参考にされていますか?
らいす:自分と画風は全然違うんですけど、昔『鉄コン筋クリート』という映画に衝撃を受けて、その作者の松本大洋さんの作品をめっちゃ読んでいました。独特な線やキャラクターの表情、コマの構図とかがすごくかっこいいなと思って、よく模写をしてました。
松本大洋さんの作品の、瞳にハイライトがなくても生き生きとかわいい感じで描けるところがすごいと思い、自分の絵でもあんまり目にハイライトを入れないで描いています。
―画力やデザイン力を上げるために実際にやったことや、おすすめの勉強方法はありますか?
らいす:短大生の時、毎日授業の前にみんなで集まって人物クロッキー10分をやっていて、毎日描くことで慣れてきてだんだん良い線が描けるようになるし、クロッキーは準備運動みたいな感じでいいかなと思います。あとはよく観察して描くのも大事だって最近思いました。
面白いものの組み合わせ
―作品のアイデアはどこから持ってきていますか?
らいす:登下校中の小学生とか、日常の中で面白いと思ったものと、自分の子どもの頃の思い出等を組み合わせて描いています。
ー現在、どうやってお仕事をとられていますか?また仕事が増えてきた際にどのような基 準でお仕事を選ばれていますか?
らいす:そんなに絵の仕事がバリバリ来るって感じではないんですけど、たまにSNSとかで制作依頼が来たり、こんな展示あるんでどうですか、とお誘いをいただいたりしています。
でも本業の仕事があるので、本業との時間とも相談して決めていて、依頼を受けるか迷ったときは、自分がもしそれを受けたときに「面白い」と思うかどうかを想像して、面白そうだったらお仕事を受けています。直感です。
描いているときの気持ちが作品にめちゃめちゃ出るタイプなので、良い作品を作るためにも自分が楽しく面白いと思えるかどうかは重要視しています。
―クリエイターとして活動する上で不安はありましたか?ある場合、どういう風に向き合ってこられましたか?
らいす:今までは絵を描くだけで楽しいと思っていたんですけど、最近は税金などお金のこととか、時間調整をちゃんとやらなきゃと思って、頑張らなくてはいけないなと感じています。
パソコンなど難しい作業はちょっと苦手で今まで逃げていたんですけど、頑張りたいと思います。
―税金などお金周りの事や事務的な事はどうやって勉強されたり調べていますか?
らいす:とりあえず本を買ってきて勉強しています。
―絵をお仕事にしていてよかったことを教えていただけますか?
らいす:昔からずっと好きで絵を描いてたんですけど、好きで描いていたものが見た人に感動を与えたり、誰かの宝物になったりしたときに、それってすごいな、描いてよかったなと思いますね。
絵は見た人の分だけ物語が生まれると思っているので、自分でも想像しなかったような世界に触れたり感想をいただいたときは、新しい発見になってすごく楽しいのでそのときは描いていてよかったなって思います。
―絵を仕事にしていてよかったことと大変だったことを教えてください。
らいす:大変だったことはやっぱり絵以外のことです。作家として活動していくために勉強がんばります。
―最後に、今後の目標や展望を教えてください。
らいす:絵本を出せたらいいなって思っています。結構いろんな人に絵本を描けばいいのにって言われていて自分も興味があるので、いつか出したいなって思っています。BIGになりたいです。