人生の積み重ねが今につながる
―現在の活動内容について教えてください。
KMNK：今は女の子のイラストを中心にお仕事をいただいておりまして、ヴィレッジヴァンガードさんやファミマプリントさんなどで作品集の販売をしたり、コミティアなどのイベントにも参加しています。
―絵を仕事にしようと決心したきっかけや理由を教えてください。
KMNK：小学校に入学する前からチラシの裏とかに絵を描いていました。「イラストレーター」の意味も分からず、イラストレーターになりたいと言っていたと思います。
高校のときに初めてプロになりたいと思って、それから専門学校に入って、今は卒業してフリーのイラストレーターになりました。
これという決定的なきっかけはないんですけど、もう人生で積み重ねたものが今の職業になったって感じですかね。
高校生の頃からイラストのお仕事をいただいていまして、バイトもそのタイミングでやめてイラスト一本でやっていました。
―自分の作品の方向性はどうやって決めましたか？
KMNK：描きながらこれがかわいいんじゃないかな、これもいいなっていうのを試すうちに今の絵柄が定着していきました。最初、目を描くときはハイライトだけを四角にしていて、目自体の形は丸っぽかったんですけど、ハイライトに合わせてだんだんと四角い画風になっていきました。らき☆すたやドクロちゃんみたいと褒めてもらうことも多いですが、自分はどちらも知らず、自然とこの画風になりました。
また、男キャラも結構描くことがあるのですが、仕事で描いたときとそれ以外のときの絵柄の違いにびっくりされることが多いです。
―絵を描くにあたって大切にしていることや意識していることを教えてください。
KMNK：キャラクターのポーズと肉感は大事にして描いていて、特にキャラデザの時点でシルエットを意識しています。シルエットの段階でどんな子なのかがわかるように固めたあとデザインを詰めていきます。
―影響を受けたクリエイターはいますか？また、どんな点で参考にされていますか？
KMNK：ジャンプで連載されていた「ニセコイ」が、アニメ調のイラストを描き始めるきっかけになりました。絵柄の刺激として受けたのは、高橋留美子さんの作品です。高橋留美子さんが描く女の子の肉感や体はすごい参考になりましたね。
―高校まではアナログ、その後デジタルに切り替えたとお聞きしましたが、デジタルに切り替えたきっかけや理由はありますか？
KMNK：高校で出会った友達がみんなiPadで描いていたことにびっくりして、コピックを使ってる人が全然いなくて、自分もiPadで描き始めました。ただ最初はペンが高いので指で描いていました。
―イラストソフトは何を使っていましたか？
KMNK：パソコンを買ってからはペンタブになって、今はCLIP STUDIOを使っています。
指で描いていた時はプロクリエイト、スマホだと無料のアイビスで描いていましたね。
無理はせず、描きたいときに描く
―画力を上げるために実際にやったことやおすすめの勉強方法はありますか？
KMNK：特にないですね。画力を上げるとか勉強っていうとすごい苦手意識が出できちゃって、描くことが嫌いになっちゃうので。
無理して毎日描く必要もないと思っているし、嫌なら離れて描きたいときに描くスタイルで今までやっています。
思うように描けないときは準備運動がてらクロッキーをするのがいいかなと思っています。私は年2回くらいしかできていませんが。
―現在、どうやってお仕事をとられていますか？またお仕事が増えてきた際にどのような基準で選ばれていますか？
KMNK：SNSで私の作品を見てくれた方がメールしてくださることがほとんどで、これからは自分でも売り込みをやっていけたらいいなと思っています。
仕事が増えてきても基本断らないです。高校のときに課題と絵の仕事が手いっぱいになって1回断っちゃったことがあって、それをずっと今でも後悔しているので、今はできる限り全てに応えたいと思っています。
作品は一晩寝かせて客観的に見る
―作品のボリュームによっても違うと思いますが、1つの作品を描き上げるのにどのくらい時間がかかりますか？
KMNK：だいたい3日くらいですかね。線画をやったら1日置かないといけないし、ラフも1日置かないといけないので。作業時間的には6時間くらいだと思うんですけど、作品が完成するまでには最低でも3日はかかりますね。
―作品を1日寝かせている理由は何ですか？
KMNK：ずっと継続して同じものを描いていると、熱くなってきて作品を冷静な目で見れなくなっちゃうので、時間を置くことで自分の作品を客観的に見れるようにしています。
1日置くと見えてくるものがたくさんあるのはよくある話だと思うんですけど、時間をおいて、修正をして、また寝かして、の作業を繰り返しをすることで、より良い作品になるようにしています。高校3年生のころからこのスタイルです。
―クリエイターとして活動する上で不安はありましたか？また、どのように向き合ってこられましたか？
KMNK：基本的には不安な事はないですね。多分あってもないって言うと思います。不安を感じてしまうと終わりというか、引き寄せの法則ではないですけど、そのまま負の方向に向かっていきそうな気がするのでネガティブに考えないようにしています。
―絵を仕事にしていて良かったことと大変だったことを教えてください。
KMNK：やっぱり自分の好きなことなのでそもそも楽しいですし、納品するたびに上達したり発見があったりして、描いている途中に楽しすぎてニヤニヤしてしまうことも本当に多いです。
大変なのはメールやスケジュールの管理、あと体調管理ですかね。
毎日1万歩歩いて外の景色を見て、夜更かししないで9時に寝て5時に起きて、っていうルーティンを自分で作って、8時以降はスマホを見ないようにしています。人間はやっぱり寝ないと駄目だなと思いますね。
それからパソコンの前に座って長時間作業するので血の巡りも悪くなりますし、長時間座って作業していると腰がきついです。
―椅子はゲーミングチェアなどを使われているのですか？
KMNK：椅子はバランスボールです。バランスボールに乗っかって絵を描いています。
筋力は普通に座っているよりもいいと思います。
―腰がきついとの事ですが、コルセットはされていないんですか？
KMNK：コルセットはしていないですね。ただ、体幹がないままバランスボールを使っていることで逆に腰に負担がかかっているかもしれないですね。姿勢を安定させて腰の負担を減らすためにも、今度からコルセットをしてみようと思います。
―体調管理の面で寝ることや運動以外に何かされていますか？
KMNK：散歩と1日3回の食事、野菜をしっかり食べることはしています。あとはお菓子やカップ麺を食べない、外食もあんまりしないことです。惣菜も買わずに自炊しています。
ひとり暮らしなので、健康と仕事をどう両立するかのバランスがちょっと難しいですね。
―最後に、今後の目標や展望を教えてください。
KMNK：コラボカフェや、フィギュア化をたくさんしたいです。
未発表で制作しているものがあるので、早く発表したいなっていう気持ちがありますね。
自分の作品が2Dの範ちゅうにとどまらず、スピーディーにフィギュア化やグッズ化をして、もっと活動範囲を広げていきたいです。
