「細部のこだわりや魅力に惹かれる」まれさん

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自分の好みや、良いと感じるものを反映させたい

―現在の活動内容について教えてください。

まれ:基本的にはSNSでイラストを発表していて…
あとはご依頼がある時はご依頼いただいた絵を描いていますね。
加えて、グッズの委託販売をしていただいてる感じです。

―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

まれ:小さい頃はイラストを描くのが好きだったんですけど、中学以降は全然描かなかったり、たまに描いたり…という感じだったんです。
でも、社会人になった後、また改めてちゃんと描こうかなと思って、練習をしたり、SNSにイラストを上げたりするようになりました。

やっぱり描いていると楽しいので、お仕事もできたらな…と思いながら続けていたら、ご依頼などをいただけるようになりました。

―ご自身の作品の方向性は、どのように決められましたか?

まれ:そうですね…やっぱり一番は手探りで、色々試しながらやってきたな、というのが大きいでしょうか。

最初、SNSにイラストを上げ始めたばかりの頃は「キャラクターを描かなきゃな」と思っていたところが結構あったのですが、しばらくした頃、結構キャラクターを抑えた感じのものを上げた時に、当時の自分にしては人にたくさん見てもらえたことがあったんです。
それがすごく嬉しくて、自分の信じる感覚でいいのかなって思えた気がします。

ずっと手探りで描いていて…今もそうではあるんですけど。
ただ、今は絵柄でも画面作りでも、自分の好みや、良いと感じるものを反映させたいなというのがあって。
そうやって試していった結果、今の作品の形になったかなと思います。

あと、子供の頃からぬいぐるみが好きだったので。
ぬいぐるみってすごい描きやすいなと思って、結構描いています。

―ありがとうございます。まれさんの絵は、水色の使い方などが印象的ですが、その辺りはお好きで使っていらっしゃるのでしょうか。

まれ:自分では、色使いはあまり意識していなかったです。
ただ、そうですね。パッキリした色が描きやすいな、というのがあって。
黒白で明暗をつけながら描くことが多いのですが、そうすると黒が暗い分、明るい色が使いやすいかなっていう意識があるかもしれないです。

―なるほど。では色使い以外にも、作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

まれ:画面に小物などを入れる時や、あと、人を入れた場合は人の服装などを、自分なりにできるだけ可愛く見えるように、可愛いなと思えるように描いているつもりです。
私自身、映画や漫画を見ていて、細かいところが素敵だとそこに惹かれるので…
自分もそうできたらな、と思っていますね。

「自分でも描ける」って思えるようになったのは、大きいなと思う

―影響を受けたクリエイターさんがいれば、教えてください。

まれ:色々なものに影響を受けていると思うのですけど…
その中でも、社会人になってから絵を描こうと思ったきっかけの一つは、大学生の時、旅行先で安野光雅さんの絵を美術館で見たことでした。
すごく素敵だなと、とても憧れて。
それを社会人になった時に思い出して、自分も絵を描いてみたいなと改めて思ったんです。

安野さんの作品は、絵がやわらかくて、構図とかも結構不思議な感じで。
その、すごくやわらかくて優しい感じに、憧れましたね。

―作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

まれ:結局は、描き続けることが大事かなと思います。
ただ最初の頃を思い出すと、大人になるまでひたむきに描き続けてきたのでもなかったですし、描いていて下手だなと感じて。
なので、上手になりたいと思って、人体デッサン本を買って、模写をやるようにしました。

そういう練習が必要かどうかは絵によると思うんですけど、模写をやっていると、客観的には下手でも、自分ではだんだん上手になっていると思えるようになるので。
そういうのが、最初の続けるモチベーションになって良かったなと思っています。

―ありがとうございます。ちなみに、その時に購入された本のタイトルなど、教えていただいてもいいでしょうか。

まれ:王道なのですが、アンドリュー・ルーミスの『やさしい人物画』と、ジャック・ハムの『人体のデッサン技法』ですね。

私も、人体の肉感がすごく上手とかではないのですけど…
SNSで絵を見ていると、やっぱりキャラクターの絵ってすごく多いので、「自分でもキャラクターが描ける」って思えるようになったのは、大きいなと思います。

伸び悩みもあるからこそ、色々試して描けるものが増やせている

―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。

まれ:基本的にはSNSで作品を知ってくださった方からご依頼いただいたものをお受けしている、という感じです。
仕事の依頼も今のところはそんなには来ないので、自分には難しいなと思うもの以外は、特にお仕事を選ぶこともしていません。
できるものは、何でもやってみたいなと思っています。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか。また、その不安とはどう向き合ってこられたのでしょうか。

まれ:やっぱり、不安はありましたね。
自分の好きなものを自由に描いているので…最初の頃にご依頼いただいた時は「こんな自由に描いているのに、お仕事で絵を描くなんてできるのかな」という思いがありました。

でもいざやってみると、他の方からイメージをもらって描けるというのは、やっぱり普段とは違いますし、すごく楽しかったので、良かったなと思います。

あと、最初の2、3年は絵が上手になった実感があったのですけど、それ以降はあまりすごく上手くなったっていう感じはなくて。
立体的で上手な絵を描いていたら、勉強するところがいっぱいあったと思うのですけど…自分が結構、ぺったりした平面的な絵を描いているので、技術的にはそんなに上手にならなかったなっていうのはあります。
ただ、やっぱり「色んなものを描けたらいいな」と思って、ちょっと普段は描かないものも自分で描くようにすることもあるので…
そうやって、描くモチベーションが上手になる実感から離れても、色々試して描けるものが増やせている、というのはあるかなと思います。

―では、絵をお仕事にしていて良かったと思うことを教えてください。

まれ:何かしらの反応をもらい易かったり、そうじゃなくても誰かが関わることが、貴重ですごく良かったなと思います。
いつも本当に1人で描いているので。1人で描いて1人で絵を上げて…となっていると、自分の世界で完結しちゃうと思うこともあるんですよね。
自分の絵がどう見えているのかっていう部分は、自分1人で判断するのはちょっと自信が
ないなっていうのもあって。
でも、仕事で描いていると、より見て頂いてるのを意識しますし、それがすごくありがたいなと思います。

―逆に、大変だと感じたことはありますか?

まれ:そうですね…
やっぱり普段と違うことが多くてずっと気楽になれないところです。
あと締め切りに間に合わせるのも、大変だなと思いますね。

―最後に、今後の目標や展望を教えてください。

まれ:お受けしたどのお仕事も光栄でありがたい限りなのですが、昨年本の装画としてイラストを提供したことは私にとって夢みたいだったというか、本の挿絵とか、本の装画とか憧れなので、だからもしいつかそういう分野に関われるようになれたらすごく嬉しいなと思います。

あと、昨年はSNSをあまり更新できなかったな、というのがあるので、今年はまずSNSの更新も頑張って、それで絵を見てもらえる機会が増やせたら、見てもらえたら嬉しいなと思っています。

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