思うように描いていったら、いつの間にか今の形になっていった
―現在の活動内容について教えてください。
momomo:SNSでのイラスト投稿や、個人・法人を問わず、いろんな方からのご依頼をお受けしています。
個人様ですと主にアイコンや配信用のイラスト、法人のお仕事ですと、最近はショッピングモールの通用扉のイラストを描かせていただきました。
他には、デザインフェスタや、コミティアといった即売会のイベントに出たりもしています。
今年はたくさんのイベントに出たいなと思っていて、直近は7月のデザインフェスタに出展予定で、秋に大阪で開催されるイベントにも出られたら良いなと考えています。
―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。
momomo:絵自体は、趣味で数年前から描いていたんです。
コロナ禍が始まった頃、家にいることが多くなり…そこでiPadを買ったのをきっかけに、せっかく買ったので絵でも描いてみようかな、と思ったのが始まりでした。
iPadを買う前も、好きなアニメキャラの模写などはしていたのですが、SNSやオリジナルの絵は描いていなかったので、本格的にオリジナルイラストを描き始めたのはコロナ禍に入ってからでしたね。
当時は、依頼などは受けていなかったのですが…私は自分の絵が、すごく好きなので。
同じように私の絵を好きだと言ってくれる人に、グッズなどを届けたいなという想いが次第に強くなっていきました。
それから、同じ時期に活動を始められたクリエイターさんたちが活躍されているのを見て、やっぱり自分もこういうふうになりたいと強く思うようになり、仕事として始めることを決心しました。
―ご自身の作品の方向性は、どのように決められましたか?
momomo:アニメが好きだったので、最初はずっとアニメ風のイラストを描いていました。
でも、ふと『アニメ風の絵』と『私が描きたい絵』は違うなと思って…
私は可愛いものが好きなので、とにかく可愛いものをもっと自由に描きたいなと考えるようになったんです。
そこからアニメ風の絵柄からポップな絵柄に路線を変えて、大好きなピンクと好きな線で自分の思うように描いていったら、いつの間にか今の形になっていったという感じです。
なので方向性は、決めた、というよりは、自然にそうなっていった、という気がします。
描いて描いて、消しては描いて、自分の絵の好きな部分を見つける
―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。
momomo:自分だけのスタイルを作りたいなというのはずっと思っていて、自分らしさを出すことを常に考えています。
例えば私は、本当にピンクが大好きなんですけど。
『普通はピンクじゃないものがピンクだったら絶対可愛いな』とか。
他にも、本来はまっすぐな線でも『ここに丸みがあると可愛いな』とか。
そうだったらいいな、と思う自分の感性を形にすることを意識しています。
―影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?
momomo:大好きなクリエイターさんがいて、本当に憧れなのですけど…
湯浅政明さんというアニメ監督の方の『カイバ』というアニメがすごく好きなんです。
線の運び方がすごく美しくて、それからキャラクターのデフォルメ具合がすごく可愛くて、「こうなりたいなあ」とずっと参考にしています。
この作品はサブスクの配信でたまたま見つけて、本当にたまたま観たものがすごく刺さったんです。
作画もアニメーションもストーリーも全部が素晴らしくてとても衝撃を受けました。
―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?
momomo:自分もまだ全然上手くはないので、あまり参考にはならないかもしれないのですが…
ずっと描いている内に、自分の描くこの線が好きだな、というような部分がわかってくると思うんです。
描いて描いて、消しては描いて、自分の絵の好きな部分を見つける作業というのが、自分の中では一番大きかったかなと思います。
私の場合は、消しゴムツールで線を削って自分が納得する線を見つけるという方法が自分に合っているということに気付いて、本当に『描いて消して、描いて消して』を繰り返しながら、一枚にすごく時間をかけて描いています。
『momomo』というひとつのジャンルを確立させたい
―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。
momomo:まだ、それほどご依頼をいただいてはいないのですが……そうですね。
私は、私の絵を見て「良い」と思ってくださった方が声をかけてくださることがとても嬉しくて。
なので、引き続き自分の好きなものを描いて、もっとたくさんの方に「良いな」と思っていただけるように頑張りたいと思っています。
―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか。
momomo:まだ始めたばかりで、不安だらけです。
本当に自分が仕事をいただけるのかとか、いつまで自分の絵を人に良いと思ってもらえるだろうかとか、色々考えてしまいます。
それでも、『自分が一番、自分の絵を好きだ』ということを必ず心に留めておきながら、ひたすら良い絵を描くぞ、という気持ちで今は頑張っています。
―では、絵をお仕事にしていて良かったと思うことを教えてください。
momomo:やっぱり対面イベントで、目の前のお客さんが、自分の絵を見て「可愛い」と言ってくださること、そう思って買ってくださる方がいるんだということを実感する瞬間は、本当に幸せだなと思います。
―逆に、大変だと感じたことはありますか?
momomo:イラストをお仕事にすることを決めてから、どういう絵を描いたら皆さんに喜んでもらえるかな、と考えることが増えたんです。
ご依頼をいただいた時も、相手がどういう絵を私に求めているのかなとか、お客さんのことを考えて描くことが増えたので…
自分の描きたいものだけではなくてご依頼に含まれた期待に応えるというところが大変だなと思っています。
―最後に、今後の目標や展望を教えてください。
momomo:いろんな人の目に留まる場所に絵を使ってもらうというのがひとつ目の目標ですね。
例えば書籍の表紙ですとか、イベントなどのメインビジュアルに使っていただけたらとても嬉しいです。
それからもうひとつ、野望みたいなことを言うと、『自分の絵のジャンル』みたいなものができたら嬉しいです。
一目で私の絵だと分かってもらえたり、私に憧れてイラストを始めましたと言ってくださる方が現れるとか。今は「誰々に似てるね」と言われることもたまにあるのですけど、そうじゃなくて、『momomo』というひとつのジャンルができる、というのが本当の本当に大きな夢です。