
「寄り道からわかったこと」観覧車ホテルさん

●観覧車ホテル
Profile
支配人&クリエイター
遊び心のある元気なデザイン&イラストが得意です。
イベントのチラシやロゴ、挿絵などをさせて頂いております。
誰かに突き刺さる、プラスになるイラストを目指しております。
―クリエイターになるきっかけはありましたか?
物心つく頃から絵を描くのが好きでした。
好きだけどまだ自分で絵を描く事が仕事に繋がるところまでは想像していませんでした。
きっかけになったのは、自分がデザインをしたくない時期にデザイン以外の事をしてみようと思い、イベントのボランティアスタッフを経験した事です。その時にボランティアスタッフの先輩から「イラスト描ける?」って言われて、自分の描いたイラストを見せたら、スタッフの方に気に入って頂けて…今の活動に至ります。
―デザインしたくない時期があったんですか?
はい(笑)。専門時代に、バリバリのデザイン事務所にインターンシップに行ったんですけど、そこでデザインする事が全く面白くなくて…私がデザインの面白さに気づけていない時期だったと言うこともあり”これを30年とかやっていくのか”って思うと急にデザイン する事が嫌になってしまって…そこで1回違う事をしてみようと思ってイベントのボランティアスタッフに参加したら結局、戻って来ていました。
―一度はデザインやイラストを仕事にすることはやめようと考えていらっしゃいましたが、イベントを通してやっぱりイラストを描きたいと思われたのはなぜですか?
イベントを運営する事で色々と新しい経験もするんですけど、自分はずっとデザインとかイラストを描いて来たので、それを無駄にしたくないなって気持ちが溢れてきたんです。
あと2回目のインターンシップで市役所に行った時は、市役所ならデザインとかけ離れているから違う事できるのかなと思っていたんですが、実際は”パンフレット制作”と言うガッツリデザインの仕事で(笑)
印刷会社さんとのやりとりとか、どういうデザインの構成にするか、などの仕事も手探りで進めているうちに大変だけど”やっぱデザインって楽しいな”って思い戻ってきました。
―寄り道したからこそわかったことということが素敵ですね。
そうなんです!!専門学校で初めて違う事にチャレンジして大変さがわかったんですけど、やっぱりその経験の中で楽しさも再発見して戻ってきました。
私にしか描けないイラストを描きたい
―現在主にどのような活動をされてらっしゃいますか。
イラストレーターやデザイナーとして、依頼を受けて要望に沿った仕事するっていう感じが多いです。
ボランティアスタッフを経験した事がきっかけでイラストを描いて、そのつながり以外にもだんだんクライアントさんも増えてきました。
―イラストレーターとして活動していて良かったことはなんですか?
良かったことは、自分を選んで下さったクライアントさんに作品を喜んで貰えた事です。
「自分が思い描いていたもの、どストライクです!」みたいな反応が頂けた時は、 飛び上がる気持ちになりますし、それがきっかけで「次回もお願いします」と次に繋がる事が一番嬉しいですね。
― 観覧車ホテルさんがオリジナルの作品を描く上で、大事にされていらっしゃることはありますか?
常に大事にしている事は”私にしか描けないイラストを描きたい”と思っています。 これは観覧車ホテルにしか描けない!!と言うイラストを自分で売って行きたいんです。
そう思って描き込んでいるので、制作期間に結構時間がかかっちゃいます。(笑)
―時間がかかるとありましたが、それは構想に時間がかかりますか?
イラストを描くこと自体に時間がかかりますか?
描く時間ですね。すごく描き込んじゃうので…!
―特にここは描き込んで表現したいところってありますか?
一部分ではなく、全部において自分が納得するまで描き込みたいタイプですね。
ここが画力高いとかではなくて、全部画力高いみたいなイラストを描きたいんです。
―画力が高いっていうのは、細部まで表現するってところですか?
細かく線を描いたり、色使いにしてもリアルだけどイラスト感があるようにします。
そこもこだわりがあって、写真と同じなら写真で良いと思ってしまうので、写真と同じようにイラストを描くのではなくて、写真では表現できない色の使い方とか、手描きだからこそ人が描いているからこそ、出来る色の組み合わせっていうのはやっぱり意識しています。
高校時代、専門的な知識の高い先生方に、アクリルガッシュや水彩画、デッサンなど色々教えて頂きました。その時に技術だけではなく、アーティストとしての思想みたいなものも教えて頂いたので、今でも細部までこだわることを大切にしています。
―レベルが高い方がいらっしゃったからこそ、細部までこだわることが大切であると気がついたということですね。その中で学んだ観覧車ホテルさんらしさってありますか?
そうですね。私のイラストを見て「あなたは色がすごく良い。その年でその色を出せているのは素晴らしい事だし、そこを伸ばしていくべき」って教えて頂いて。
やっぱりオリジナルを突き詰める人達が周りにいて、そういう人たちが何をもがき苦しんでいるかっていうと、自分のタッチを確立するまでが大変で…それに右往左往してしまってもがき苦しんでいるところがあって…でも私は、若い時から自分のタッチが確立出来ている点はすごく恵まれている事だと思っています。
―ご自身のタッチや世界観はいつごろ出来てきたんですか?
そうですね。初めて油絵を描いたときに今の色みが自然に出たんですよ。私は意識してないけど、描いていたらそういう色になっていて…色々な人からすごく褒められたんです!
それからどんなイラストを描いても、どうしてもその色にたどり着くというか… 無意識にその色になるんですよ。計算して初めからこういう色にしようとかではなくて、 描いていると自然にそういう風になっていって、ゴールは自分の色味になっているみたいな感じです。
―すごいですね。初めて描いた時からずっと自然と同じ色味になっていると。
そうですね。それに気づいてからは”それを大事にしよう”って思っています。
ただちょっと離れつつあります。やっぱりデザイナーになると、アーティストとは別で個性を消さないといけない事が多いので。学校を卒業してからはデザイナーをメインにしていたのでこれからは、自分のタッチに戻していきたいなとは思います。ガンガン個性が出てた時に戻して(笑)、両方出来るようになりたいです。
イラストだから表現できること
―今後こういうことをやりたいなとか今後の展望とかってありますか。
二つあって、一つ目は今回お誘い頂いたグッズ販売です。元々興味はあったんですけどなかなか一歩踏み出せなかったので、この機会に始めていけたらなと思っています。
二つ目はデザイナーとして今以上にもっと色々なジャンルのお仕事に携っていけたらなと思っています。最近はポップな感じや元気なイラストを頼まれる事が増えているんですけど、おしゃれなイラストとか違うジャンルのイラストも描きたいなって思っています。おしゃれなカフェとか…今までと違うジャンルにも挑戦したいですね。
―観覧車ホテルさんが思うイラストが人に与える影響ってなんだと思いますか?
そうですね。イラストは文字では表現出来ないイメージをイラストを通して伝えているなと思っていて、何かイラストって声優さんと似ているなと思っています。
例えば「おはようございます」っていうテキストがあって、文面だけじゃ「おはようございます」って事しか伝わらないじゃないですか。例えば男性の声優さんが言ったら、ちょっとかっこいい爽やかな「おはようございます」になったり、いろいろ表情があるじゃないですか。
それと同じで「おはようございます」っていう文字を例えばポップに見せたり、また違った表情でロックな感じに見せたり、イラストでそういう表現があるモノかなと。
―表現が多彩だから、より届けたい人に届けることができるみたいな。
そうですね。イラストはいろいろ自由自在で七変化できるので、私は私が私がっていう主張のあるイラストだけじゃなくて、相手にドストライクで突き刺さるイラストを描きたいです。
―受け手に突き刺さるイラストですか?
私の場合はそうです。アーティストさんは自分の世界を売ることが多い様に思いますが、私はあくまでも自分の世界は組み込みつつも、相手の思いに刺さるものを考えて、相手のイメージにそっと寄り添って作りたい!私も”自分の世界を”という時代があったのですが、でもそれより相手に突き刺さるイラストを描きたいですね。
―最後にクライアントさんやファンの方に一言いただけますか。
さっきお話しした事と同じことなんですけど、私はアーティストではあるけど寄り添い型なので、お客さまや相手の気持ちを汲み取って、制作して行きたいと思います。