「自分の『好き』を深掘りして、明確にしていく」巴ゆもさん

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世間体や価値観に縛られず、 自分のやりたいことに夢中になりたい

現在の活動内容について教えてください。

 巴ゆも:現在はイラストレーターをメインとして活動しつつ、グラフィックデザインなども少しやらせていただいております。
専門学校やゲーム会社へのイラスト提供、 MVイラスト、 講師など、 ジャンル問わず活動しています。 

イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

巴ゆも:まず、私はずっと会社員をしていたんです。
営業や事務など色々経験してきたのですけどそうやって働く中で、周りに尊敬できる人がほぼいなかった、出会えなかったというのが、会社員を辞めるきっかけの一つでした。
私の勤めていた会社では周りがいつもピリピリしていて、 結果、自分もそれに感化されてトゲトゲしていくような、自分の感性が死んでいくような感覚があったんです。

ですから、もっと憧れを抱ける、尊敬できるような人達とお仕事ができたらいいな、と考えていました。
それに、人生一度きりなので、自分で自分のことを幸せにできるようになりたいな、とか。
我慢したり、世間体や価値観に縛られたりすることなく、自分のやりたいことに夢中になったり、正解がわからないなら自分の選んだ道を正解にしたいという気持ちを抱くようになっていったんです。 

そんな中、働いている間も同人誌を作ったりして、ずっと絵を描いていたのですが、フォロワーさんに「ゲーム会社のイラストレーターになれるよ」みたいなことを言っていただいて、私は非常に単純なので()「えっ、やりたい!」と。
そこから、イラストを仕事にしようと考え始めましたね。 

それまでに、どこかで絵を学んだりはされていたのでしょうか?

巴ゆも:いえ、全然そういうことはなく普通科の高校の、美術の授業までで終わりでした。
授業の中では、少しデッサンをやったりクロッキーをやったり、みたいなものもありましたけど、本当にそれくらいで。
大学は、被服科に行って、そのまま就職しましたので、特別どこかで学ぶこともありませんでした。 

なるほど。では、ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

巴ゆも:元々ファッションやメイクが好きだったので、ファッションを中心に、メイクやデザインを組み込んでいって、今の形になった、という感じです。 

色彩などは、何か意識しておられましたか?

 巴ゆも:色に関しては、もう本当に好きな色です。
お洋服とかも、私が学生の頃に流行っていたのが、『ゆめかわいい』だったんですよ。
それにAMOちゃんがすごく好きで、パステル系の色を好きになっていったので、そういった部分がイラストにも反映されているのかなと思います。

自分のキャラクターを、モデルのようにプロデュースしている

作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

巴ゆも:コンセプト作りと、キャラクターの個性を表現することです。
私はいつも同じ4人の女の子と2人の男の子を描いていて、この6人は常に、世の女の子達の憧れの存在であって欲しい、という気持ちで描いています。
なので、絵柄が好きというよりも、キャラクターが好きと言ってもらえるとすごく嬉しいですね。
イラスト1枚でも関係性が伝わるように意識して、 作品を描いています。 

特定の6人を描いていこう、と思われたきっかけなどはあるのでしょうか。

 巴ゆも:最初から決めていたというか、毎回キャラデザをする、という考えが頭になかったです。
キャラクターを使ってお仕事ができたらいいな、と思っているので、事務所というかモデルみたいな感じで、プロデュースしているイメージです。 

影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?

巴ゆも:たくさんいすぎて、逆にあげきれないです…!
イラストレーターさんだけというより、漫画家さんやファッションデザイナーさん、グラフィックデザイナーさん、服のブランド、ゲームなど、本当に色々あります。
2次創作もしてきましたし、ジャンル問わずにいろんな形で少しずつ影響を受け、それが集約されて今の作品になっているのかな、と思います。 

ただ、人物画を描き始めるきっかけになったのは、CLAMPさんでした。

では、画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

巴ゆも:『好きな絵』と『上手い絵』って違うと思うので、一概には言えないなと思うのですけど
ひとまず、基礎画力という部分であれば、やっぱりデッサンが大事なのかなとは思います。
それと、人物が描きたいなら、クロッキーも大事ですね。

あと、世界観や独自性みたいな部分を確立したい場合は、好きなものを明確にする、という部分がとても大切だと思います。
例えば服であれば、自分が無意識に選んでいる色や柄などがあると思うんですよ。そういった部分から、少しずつ「こういうのが好き」「これはそうでもない」みたいに、自分の中にある「好き」を明確にしていくようなイメージで。

そして、ある程度描ける上でクオリティを上げたいのであれば、ひたすら描くというよりは、自分の120%の力を出し切ったものをたくさん描くことが重要なのかな、と思います。
資料も、毎回たくさん集めたほうがいいです。 

なるほど。ちなみに、自分の限界を超えて120%の力で描くという部分で、意識すると良いことはありますか。

 巴ゆも:完璧主義のほうがいいです。
自分が納得いくまで、という部分が一番大事だと思います。
昨今、SNSの数字などに左右されがちだとは思うのですけど、とにかく自分自身が納得いくまで、作品と向き合う。
描いた後に1日寝かせて、朝起きたら、絶対に直したくなるところって出てくるんですよ。
それを何日も繰り返して、例えば普段1枚の絵を2日で仕上げてるなら2週間、長くて1ヶ月かけてみてもいいですし。
たくさん描きたい場合、描く時間が短いに越したことはないのですけど
クオリティアップを図る面では、とことん向き合ってみるのも、ありだと思います。

お仕事は全て手を抜かずに全力でやる

現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、忙しくなった際に受けるお仕事の優先順位などもあれば、教えてください。

 巴ゆも:今は、 所属している事務所とパートナーシップの企業様からの案件がほとんどです。
それから私は、結構せっかちで待てないタイプなので()、自分から営業をかけたりもしています。
他にも、イベントに出るなどの活動をしていると、声をかけてもらえる機会もありますね。
こういう業界にいると、仲良くなったイラストレーターさんから「今こういう仕事があって人手が足りないんだけど、どうかな」みたいな、横の繋がりで声をかけてもらうこともあります。 

仕事が増えてきた時はそうですね。
案件が重なる、 ということが今のところ稀ですが、 以前一度だけそういったことがあって、 その時はいつもお世話になっている方を優先しました。
でも、今後どちらも新規の案件で重なった、ということがあれば、やりたい仕事、実績として付けたい仕事を優先して選ぶと思います。 

営業をかける時は、いつもどのような方法を取っておられるのでしょうか。

 巴ゆも:メールですね。
会社のホームページを開くと、メールアドレスが書いてあることも多いので
私の場合は、PDFで作ったポートフォリオを添付して、SNSIDも載せて。
メール本文には、「こういう仕事をしています」「こういう仕事がやりたいです」「得意なことはこういうことで、こういうことができます」みたいなことを書いて、送っています。

ありがとうございます。では、クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

巴ゆも:お金のこととか、お仕事が来るかとか、将来のこととかいつも不安ですね。
今は、会社員は辞めましたけど、アルバイトもしながら活動している感じです。 

なので、いろんなイラストレーターさんやクリエイターさんから、それぞれのやり方をたくさん聞いて、自分に合うやり方を常に考えて模索しています。

 絵をお仕事にしていて良かったと感じたことがあれば、教えてください。

 巴ゆも:クライアント様に喜んでいただけた時が、一番嬉しいです。
いただいたお仕事はもう、全部手を抜かずに全力でやらせてもらっていますから、感謝の言葉をいただけた時は、素直にとても嬉しいです。

あと、少し前に2次創作関係のお仕事をさせていただいたのですが、私が描いたキャラクターは、公式から供給がほとんどないキャラクターだったらしく、ファンの方から「こんなに素敵なイラストを描いてくれて本当に嬉しいです、ありがとうございます」というようなことを言っていただけて
それが、すごく嬉しかったです。

逆に、大変なことはありますか?

 巴ゆも:一番は、インプットの部分かなと思っています。
家にいることが増えて、外に出ることが減りましたので
会社員をしていた頃は、都心に出る仕事でしたから、帰りに商業施設などに足を運んだりしていましたし、駅で見かけるのも、やっぱりおしゃれな子が多くて!
以前は、そういった部分からインスピレーションを受けていたのですけど、今は住んでいるのも結構田舎のほうなので、インプットできる機会が減ってしまいました。
インターネット上からしかインプットができないと、アイディアが不足しがちなので、課題だなと思います。

今は、1週間に1回ぐらいは、出かける予定を入れるようにしています。
誰かと話したりすることも大事だと思いますし、原宿などの方面に出かけてお洋服を見たりとか、そういう時間を意識して作っています。 

それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。 

巴ゆも:直近の目標として、ファッションやメイク関係のお仕事はどんどんやりたいです。
あと、デザインの仕事をもっと増やせるように勉強していきたいです。
商業BLも大好きなので、小説の表紙や挿絵などもやりたいです。ぜひ男の子を描かせていただきたい。

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