内にある感情を形に
―現在の活動内容について教えてください。
100pHz:ネオンの色味や黒猫のオリジナルキャラクターを軸に、イラストやアニメーションを制作しています。音楽アーティストの配信ジャケットやキャラクターデザインなど、音楽にまつわるビジュアル制作に携わることが多く、最近はフルアニメーションのMVを担当させていただく機会がありました。

―ご自身の作品の方向性はどうやって決めましたか。
100pHz:好きなものや、ふと心に引っかかったこと。強く心を揺さぶられた何かを追いかけるように描いていくうちに、気づけば今のような作風になっていました。不穏な世界にネオンが溶け込むような表現が多いのは、きっと、自分の奥に沈んでいた強い感情が、毒のようににじみ出ているからなのだと思います。

―絵を描くにあたって大切にしていることや意識していることを教えてください。
100pHz:色をむやみに散らしたり、情報を詰め込みすぎたりしないよう心がけています。要素を絞ることで、視線の流れや印象に、そっと芯が通るように感じています。複雑な構成を選ぶこともありますが、その中でも何を際立たせ、どこに重心を置くかは常に意識しています。

不安も創作の原動力に
―クリエイターとして活動する上で不安はありましたか?
また、どのように向き合ってこられましたか?
100pHz:正直なところ、不安はたくさんあります。それでも、その気持ちをそのまま作品に落とし込むことで、少しずつ整理されてきたように思います。強い負の感情に揺さぶられることがあっても、それが何かを生み出す力になると信じられるようになってから、自分をまるごと否定せずにいられるようになりました。

―絵を仕事にしていてよかったことと大変なことを教えてください。
100pHz:作品に込めた思いに「わかる」と反応していただけたときは嬉しいですし、次の制作への支えになっています。また、負の感情と向き合うことは、自分の表現において必要な作業の一つだと思っていますが、大きなエネルギーを使う作業でもあります。それでも、その感情と向き合うことでしか生まれない色や形があると信じています。

―最後に、今後の目標や展望を教えてください。
100pHz:やりたいことの一つとして、オリジナルキャラクターの世界をゲームや長編アニメーションといった形で広げていけたらと思っています。あわせて、目の前の制作を一つひとつ丁寧に積み重ねていきたいです。

