犬と過ごす日々から生まれる “詩と絵” の世界
―現在の活動内容について教えてください
のい:絵を描いたり、詩を書いたりして活動しています。最近は、犬と暮らす日常の中から浮かんだ言葉を詩にして、それに絵を添えるような作品づくりをしています。絵と詩を合わせた本『犬たちの詩』を出版したり、展示をしたり、グッズの制作なども行っています。

―絵を仕事にしようと決心したきっかけや理由を教えてください
のい:子どものころから絵を描くのは好きでしたが、大人になってからは仕事と距離のある存在でした。ただ、自分が描くものが誰かの心をふっとほどいたり、笑わせたりできるかもしれないと感じたことがあり、「やってみよう」と思いました。
―自分の作品の方向性はどうやって決めましたか
のい:日々の中で感じたことをつらつら描いていたら、だんだん「詩と絵」という形になっていきました。犬と一緒に暮らす日常の中で、ふと浮かぶ言葉を忘れないように書き留めておいて、それに絵を添える…という流れが自分にとって一番自然でした。

―絵を描くにあたって大切にしていることや意識していることを教えてください
のい:抽象的かもしれず申し訳ないのですが、頭の中のぐるぐるもやもやした部分の端っこのつまめる部分をくっと掴み、これなら描けるかも…やっぱり無理かも…を繰り返して、描けるものを描いている感じです。今後は描けるものを増やしていきたいです。
大事にしたいことは、きれいに見せようとか、よく思われようとか思わずに、そのときの自分の気持ちや景色をなるべくそのまま描けるようになるといいなと思います
不安も受けとめながら、“描けるもの” を少しずつ増やしていく
―影響を受けたクリエイターはいますか?また、どんな点で参考にされていますか?
のい:馬場のぼるさん、工藤直子さん、長新太さんが特に好きです。ユーモアと優しさがあって、子どもにも大人にも伝わるところがすごいなと思います。あと、空気の抜けたような間合いや、余白の美しさにも影響を受けています。

―画力を上げるために実際にやったことやおすすめの勉強方法はありますか?
のい:画力をあげたいという気持ちは常にありますが、それ以上に「自分の絵を好きになる」練習をしてきたかもしれません。自分の理想を探したり、はちゃめちゃでも線一本でもいいから描き続けることが何よりの練習だと思っています。これからも模索しながら進みます
―現在、どうやってお仕事をとられていますか?また仕事が増えてきた際にどのような基準でお仕事を選ばれていますか?
のい:基本的にはご依頼をいただいたものから選んでいますが、「誠実にやりとりできそうかどうか」「自分の表現が活かせるかどうか」という点を大切にしています。あと、自分ひとりではできないことに挑戦できそうな仕事は、ちょっと怖くてもやってみようと思うようにしています。

―クリエイターとして活動する上で不安はありましたか?また、どのように向き合ってこられましたか?
のい:常に不安はあります。ですが、散歩したり、福(犬)と過ごしたり、友人と話したりするなかで「なんとかしなくては」という気持ちにもなれます。あと、不安なときこそ「なにかしら手を動かす」ことが大事だと感じています。
―絵を仕事にしていてよかったことと大変なことを教えてください
のい:よかったことは、自分の感じたことを表現して、それが誰かに届いたときの嬉しさです。大変なのは、自分の心と向き合い続けることかもしれません。正直にいうと苦しいことが多いです。でも、そこにしかないものがある気がしています。

―最後に、今後の目標や展望を教えてください
のい:これからも、絵や詩で「ふっと笑える瞬間」や「忘れたくない思い出」を描いていきたいです。ゆっくりでも、自分のことを理解しながら進んでいきたいです。

