—クリエイターとしての主な活動を教えてください。
AA.:作品を制作して展示をしています。
—主にアクリル絵具を使った手描きのものが多いですか?
AA.:そうですね。
—SNS発信もされていますよね!
AA.:元々グラフィックの学校に行っていたので、絵に限らずグラフィックやデジタル系もちょっとやっているって感じです。
—展示は手描きの作品だけですか?
AA.:織り交ぜている感じですね。手描きの作品もあるし、グラフィックのポスターにして天井から吊るすようなふうに考えていますね。
—空間も含めてデザインされていると?
AA.:そうですね。
—AAさんにとって展示は楽しいものですか?
AA.:考えているときは楽しいですが、作り出していざやるってなると、逆にやりたくないなと(笑)頭の中では出来上がるんですけど。
—やりたくないなって思う理由は何ですか?
AA.:イメージ通りにいかないことのほうが多くて。それをどこまで持っていけるか、みたいなところがありますね。
—クリエイターを目指し始めたきっかけはありましたか?
AA.:物心ついたときから絵は描いていて。でもやっぱり親には絵では食べていけないという考えがあったので、すごくそこは言われました。進学も美大に行くよりかは仕事に繋がりやすい学校選びをしていました。
でも今は絵を描いているので、その理由は何だろうと思うと、昔から色々なアーティストの作品を見てきて、「その人がいれば、その人の作品があればもういいや」って思えれば、多分僕は何も作らないと思うんですけど、まだその納得いくものがないんです。素晴らしいものはいっぱいあるんですけど、自分の中で納得いくものが他の作品の中にはまだないなと思ったので。それを多分自分で探し続けて作っているんじゃないかなと思っています。
—グッときました。ご自身の中で最高の作品に出会いたい、それを自分で創り出したいという思いですか?
AA.:そうですね。
—小さい頃から絵を描いていたのですか?
AA.:はい。漫画の模写から始まって、最初は漫画家になりたかったんですよ。だんだん一枚の絵で何かを表現するっていうのが自分に合っているのかなって思ってきて。それからはずっとペンとか鉛筆でイラストチックなものを描いていました。
—具体的にはどういったものを表現していましたか?
AA.:例えば漫画だったらストーリーがあって、絵があって、だと思うんですけど、一枚の絵は自分の思想や芸術の歴史みたいなものを、一個の四角い画面に収めるっていうところに魅力を感じました。
—自分の価値観、思想、背景とかが入る感じですか?
AA.:そうですね。
アートを手軽なものに
—後ほど詳しくお聞きしたいです。
クリエイターとして活動されているなかで良かったことはありますか?
AA.:最近あった出来事ですが、中学校の友達から久々に連絡がきて。
当時は友達から絵を描いてと頼まれることが多くて、下手くそなりに描いて、それをプレゼントしたりしていて。それがその友達から「今もまだ大事に取ってあるよ」って写真が送られてきて。作品って残るので、そうやって思いもよらないところに残っていることが嬉しかったですね。
—それは嬉しいですね!その送られてきた写真の絵を見てどう思われましたか?
AA.:いやもう下手くそだな~って(笑) なんでこんなの描いたんだろう、みたいな(笑)
—でもそれを残してもらっているのは凄いですね。ちなみにどんな絵だったんですか?
AA.:その人をイメージしたイラストみたいな。
—それだけ絵を描くことがお好きで、でも色々な要因があって就職に有利な学校に進学されたわけじゃないですか。それでも今、絵を描くお仕事をしている理由ってありますか?
AA.:結局、普通に諦めきれなかったんだと思います。たぶん一生やり続けられることが作品制作だったので、自然に戻っていったっていう感じです。
—それは学校在学中も思っていらっしゃったのですか?
AA.:在学中はたぶん押し殺していたと思いますが、就活して今の会社に入れた時に、やっぱりこっちだなって思って、制作を続けたいと思いました。
—逆に活動している中で苦労されていることはありますか?
AA.:自分の売り出し方というか、プロモーションの仕方は結構悩んでいて。専門家的な人が見るアートフェアに展示して見てもらって売れていくというよりかは、もっと一般の人の目に触れたい思いがあって。有名になりたい気持ちはありますが、その過程は自分の中ではきちんと意味を持ってやりたいと思います。なので、これから作品をどのように前に出していこうかなっていうので今は苦労していますね。
—プロより一般の人の目に触れてほしいという思いは、具体的にはどういった理由ですか?
AA.:僕、音楽を聴くことが好きで。音楽って結構身近じゃないですか。買うのも手軽ですし。それがアートだと手軽さがないと思っているんですが、同じようにしたくて。自分の作品はより身近で気軽に見られるようなものでありたいなという思いがあって。そういった意味で、もっと一般の人に見てもらうにはどうしたらいいかなと考えています。
—プロの方の評価とはまた違う面白さ、感じ方があればなと思いました。絵を描かれる中で大事にされてらっしゃることってありますか?
AA.:例えば、絵の内容や表現の仕方に好みが分かれすぎないように、独特になりすぎないようにしています。普遍的なものを作りたくって。
—具体的に普遍ってどういったものだと思われますか?
AA.:全員に好かれるものってなかなか難しいと思いますが、両極端があって真ん中を作ることが今の時代で大事なんじゃないかなという考えが自分の中にあって。一個のモノの間を表現するっていうことが自分の中で普遍的であるかなと。
—アートってちょっと尖がっているものが好まれる傾向があるように思います。
AA.:元々、自分に尖っている部分がそんなにないと思っています。たぶん小さい頃から自分の意見を押し通すとかそういう人間ではなかったので。誰か喧嘩している人がいたら間に入って両方の意見を持つみたいな性格で、それが関係して今の自分の活動の基盤となっているのかなとは思いますね。
—調和、調整みたいな?
AA.:そうですね。
—それはAA.さんにとって心地いいものですか?
AA.:そればっかりが良いっていうわけではないですけど…。やっぱりどこか尖るときは尖らないといけないとは思うし。でも自分のアートは広く知られたいので、そうなった時にはたまに尖った作品あってもいいと思うんですけど(笑)
みんな安心して落ち着いて見ることができるようなものがいいかなと思います。
一枚の絵を通して問いかける
—作品に対しての愛情を感じました。先ほどのお話に戻りますが、「一枚の絵で表現」というお話がありましたが、具体的にどういうものを一枚の絵で表現されることが多いですか?
AA.:僕は今、Z世代とか最後の世代とか言われていて。このAA.としての活動では、そういう自分の世代を総合して、ひとつの人間で表すという。その世代の自画像みたいなのを意識して描いてはいますね。その人間が絵の中で何をやっている、何かポーズとか、行動をしているっていうところで、絵画の面白さとか自分の個性を出しているって感じですね。
—Z世代という社会環境を表現して、自身の個性や考えを表現するということですか?
AA.:そうですね。「社会に対してどうか」というところが多いかもしれないですね。
—見てくれる人に自分の作品をこう思ってほしいなとか、こう思ってくれたらいいのになっていうのはあるんですか?
AA.:いや、自分はこう思うからこうでしょ、っていうのではなく、例えば一個問題があったとして、それに目を向けさせたいというか。今こういう問題があるけど、どう思いますか?という投げかけをできたらいいなと思いますね。
—どっちかというと問題提起をかけているような?
AA.:そうですね、そっちですね。
—「物事について考えてもらう」という想いが、AA.さんのらしさだと思いました。今後の予定や展望はありますか?
AA.:大きな目標としては、テーマパークを作りたくて。体験型アートみたいなのをしたら楽しいかなって。だからこれから空間を使った展示とかをやっていきたいなと思っています。あとは自分一人の作品だけじゃなくて、もっといろんな人を巻き込んで、絵画やグラフィックだけに絞らずに、もっといろんな媒体でこのAA.っていう活動を大きくしていけたらなっていう感じですね。
—最後に、ファンの方へ一言お願いします!
AA.:買っていただいた作品とかグッズが、何十年後、何百年後かに残るようなアーティストになるので、ありがとうございますって感じです!(笑)