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【erumina - エルミナ】記事一覧インタビュー「SNSを通して世界が広がる」上ノ句さん

「SNSを通して世界が広がる」上ノ句さん

上ノ句

上ノ句

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コンセプトは「メルヘンダウナー」。 かわいくてちょっぴり危なっかしい、人外男子の絵を描きます。

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—クリエイターさんとしての主な活動を教えてください。

上ノ句:SNSを中心に創作イラストを発信しています。それに付随して、個人様・企業様のイラスト制作案件もお受けしています。主な仕事内容としては、キャラクターデザインや、最近は歌ってみた系の動画の需要も高いので、そのMV用イラストと動画制作も続けてお受けすることがメインです。

—イラストのみならず動画とかも作成されるんですか?

上ノ句:はい、そうです。

—基本的にSNSの中でお仕事を受注されていますか?

上ノ句:はい、そうです。

—SNSで作品を見られた方からのご依頼されるケースが多いってことですかね。

上ノ句:そうですね。あとはSkebのリンクも貼っているので、海外の方からの依頼を受けることも最近は多いです 

—そうですよね、海外の方も好きなイラストだろうなと思って見ていました。

上ノ句:そうですね(笑)今年の3月ぐらいからインスタを始めたんですけど、やっぱり海外のユーザーがすごく多くて。そこからSkebだけでなくDMを通して外国の方との仕事が増えてきています。

 

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—海外の方からの案件はどのようなものが多いですか?

上ノ句:日本国内で受けるのとあまり変わらないんですけど、キャラクターの一枚絵というよりかはLive2Dのモデルに起こすための三面図とかが結構多くて。そこからできたらモデリングもお願いできないかとか、そういう結構レベルの高い内容が多いですね。

—動画とかビジュアルを前提とされたイラストの提供ですか?

上ノ句:そうですね。

—SNSの活用が素晴らしいですね。

上ノ句:結構、想定外のことが起こっています。私自身もSNSで絵を発信して、一年経ってこんな活動をしているとは全く思ってなかったんですよ。

—そうなんですね。求められるレベルが高いと思うのですが、それは断りなく受けてみようみたいな姿勢なんですか? 

上ノ句:そうです、時間があれば可能な限りお受けするという姿勢です。やばいなって思うのはいっぱいあるんですけど、経験上やってみてよかったなと思うことのほうが多いので。ただやっぱり初めの頃はすごく怖かったです。でも依頼者様も印象の良い方と出会うことが多かったので、怖がらずとりあえず受けてみようという感じですね。

—元々チャレンジ精神が旺盛な方ですか?

上ノ句:そう…だと思います。絵の分野に限らず、今まで自分がやってこなかったことをしてみたいなとは結構思うので。その点チャレンジ精神は旺盛な方だと思います。

過去の記憶

 

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—クリエイターさんを目指されたきっかけはありますか? 

上ノ句:小さい頃に兄の横でパソコン画面を見ていたのですが、その時にやっていたのがWeb版のテーブルトークRPGみたいな画面を見ていて、そこでイラストレーターさんに自分のキャラクターを描いてもらえるっていうページを一緒に見たんですよね。

その時に、自分のキャラクターを描いてもらえるんだ!ってビックリしたのを覚えていて。たぶんその時の記憶がトリガー的なものになって、今頃になって時差で「絵を描かないか」と自分に伝えてきたのかなと思います。

—それはちなみにおいくつぐらいの時ですか?

上ノ句:小学校4年生5年生ぐらいですかね。

—それまでも含めて、お子さんの時からイラストをすごく描いていたみたいなものはありますか?

上ノ句:全然なんですよね、そのあたりは。 

—では、いつ頃イラストを描こうかと思われましたか?

上ノ句:そうですね。まずコロナが始まって、色々な行動が制限される中で自分って何ができるんやろう?ってなったんです。一人の時間も多くなったので、そこで悩むことがあったんですよね。そしたらSNSをチラチラ見る時間も多くなって、コンテンツを作る側に対してすごく尊敬しているなっていうのに気がついたんです。それが、先ほどお話しした昔の記憶とかも結びついて、結果としてこういう行動に至ったのかなと(笑)

いい意味で「妥協をする」ということ

 

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—今までクリエイターさんとして活動されててよかったことって何ですか?

上ノ句:いっぱいあるんですけど、簡単なレベルで言うと、自分の好きなことが主張できるっていうのはいいなって思いました。SNSは不特定多数の人に対して、「私こういうのがいいなって思うんだけど、どうかな?」ということに対して「いいね!」っていう、そんな素朴なやり取りがまず楽しいですね。

お仕事の面で言うと、納品した後に直接ご感想を頂いたり、実際に納品したものをご使用いただいているところを見ると、やっぱりコンテンツを作る側っていいなって改めて思うこともありますし。あとはリピートを頂いたときは、もうすごくニッコリしちゃうというか(笑)

—今も続けていきたい、これからも続けていきたいっていう部分は、やっぱりユーザーさんに喜んでもらえるところっていうのは結構大きいですか?

上ノ句:はい。そうですね、生の声が聞こえるっていう…リアルで対面しているわけではないのに、ちゃんと相手に届けられて、その結果お客さんからも感想をいただくっていう幸せなサイクルがあるというか。それが結構癖になっている点はあると思います。

—幸せのサイクル、いいですね。色々なことを行うチャレンジの原動力になっていますか?

上ノ句:そうですね、それにかなり生かされています。

—素晴らしい。良い循環が見えます、クルクルしている感じが。

クリエイターさんとして活動されている中でご苦労されていることはありますか?

上ノ句:SNSが中心である以上は、いい感じで無知でいられないっていうところに苦労しています。というのも、情報で毎日溢れかえっている世の中なので、日頃の情報量にまず自分が押し潰されそうになるんですよね。

イラストレーションってまずは自分との戦いのはずなんですけど、やっぱり目に見える情報が多い分、人と比較してしまって苦しむっていうのが多いです。

—比較っていうのは、単純に絵の上手さとかフォロワーさんの数とかですか?

上ノ句:絵の上手さですね。私が表現したいのはこれ!ってなったときに、でも今の私がこれを埋め合わせるには一体何が足りないんだろう、何もかも足りてないっていう、そこがすごく苦しい時がありますね。

—描きたいものを描ききれないというか。

上ノ句:そうですね。今持っている力では描けないっていうことはハッキリわかるんですけど、それを習得するには何が足りていないのか。その解決策を探すときにもがいている感じっていうのがすごく苦しくなります。

—それがSNSとかを見ていて、もう既にそれをクリアしている人がいたりとかすると、苦しい感じですよね。

上ノ句:ヴァーッ!てなります(笑)

—そうですよね(笑)自分がしたいことをできている感じが。

上ノ句:そうなんですよ。脳内イメージにありつつもまだ作品にできていなかったものに近い他者作品が先に世に出ると、やっぱり後から出た人ってすぐに「〇〇に似てる」とか言われちゃうんですよね。創作の世界って結構スピード重視なところがあって。でも私が懸念しているのは、あまりにもインスタント化されすぎじゃないかなって思うんですよね。

私は絵を描く人の中ではペース的には遅い方なんですが、でも早く上げないと「〇〇に似てますね」ということになり兼ねないですし。とはいえ、絵を描かない人側からしたら、それって至極当然の感覚だとは思うんですよ。作る側と作らない側のギャップとかにもちょっと苦しいなって思う時もありますね。

—そうですよね。SNSってスピードが速くて、かつユーザーさんの好きなものとかトレンドのものを描かないといけないっていう部分もあると思います。その反面、クリエイターさんとして自分の描きたいものもあると思いますが、その辺は上ノ句さんの中でどうやってバランスを取られているんですか?

上ノ句:一言で言うと、妥協が結構あると思います。絵を描かない側からの絵に対する意識っていうのは、SNSを見ていたら勝手に目に入ってくる程度のものなので。

特にSNS上に投稿されたものは誰もが無料で見られるものなので、やっぱり価値としてはすごく低いものになってしまっていると思います。個を主張するためには相応のクオリティに留めてスピードを上げないとだめなので、自分の衝動だけをとりあえず粗くても上げていくっていう、一定の妥協は必須だと思ってやっています。

—自分の作品に100%投じられないような。

上ノ句:そうですね…75%ぐらい? 

—でも出しちゃえ!みたいな?

上ノ句:そうです(笑)

—ジレンマを感じました。

上ノ句:そうですそうです!そのワードです、ジレンマ!

—リアルをわかっている部分と理想として繋げたい部分のもどかしさをすごく感じました(笑)

その中でクリエイターさんとして大事にされていることはありますか? 

上ノ句:クオリティに関しては妥協とは言いましたけど、でもクオリティは大事にしたいんですよね。例えばお仕事で納品するときは、表情差分を言われてないんですけど、先回りしてこっちで用意したりします。

もし相手方の予算や納期の兼ね合いで75%のクオリティで出さざるを得ないのであれば、別の点で補って100%かそれ以上にして相手に渡すっていうのは意識していますし、そこは譲りたくないなって思っています。

 —例えばSNSでの発信は75%だとしても、案件のお仕事は100%120%を目指していきたいと?

上ノ句:そうですね。正直絵を描く人なんていっぱい居ますし、その中でまず見つけてもらったっていうことに対して、すごく…ありがとうございますという感謝の気持ちで。ネット上でその気持ちを出すっていうのはすごく難しいですし、実際会ってお話できるわけでもないので。

であれば、お仕事から、何かしら断片でも相手さんに伝わったら嬉しいなっていうことで、それは自分の中で習慣化しています。

 

あなたの絵が好き

—今後こういうことしたい!とかご予定があればお聞かせいただきたいです。

上ノ句:直近だったらコミティアにも参加します。

そういうリアルイベントには毎年顔を出したいなとは考えていますし、もうちょっと将来になったら、いずれはアパレルとか雑貨屋さんとのコラボができるぐらいにはなりたいと思います。

あとは2Dばっかりじゃなくて3Dもちょっと触りたいなとか…その前にLive2Dで私の作品が商品化できるぐらいレベルアップしたいのもありますし。

もう寿命が足りないくらいにやりたいことがいっぱいあります(笑)

—全部できますよ(笑)これだけの短い間で色々なことをされているので。来年にはコラボ商品が発売されているかもしれませんね!

最後に、ファンの方に一言お願いします。

上ノ句:情報が溢れ返っている中で、私のことを見つけてくださったことに対して、すごく感謝でしかないです。

まだまだ絵を描く歴も浅いので、地面に種蒔いて芽が出るか出ないかの中で見つけてもらったっていうことが本当に奇跡だなって思います。「あなたの絵が好き」と仰ってくださる方のために絵を描いていると言っても過言ではないです。万人受けを狙うっていうのは大事かもしれませんが、まずは見つけてもらった方とか、私の描いているものが刺さると思ってくださった方に、しっかりお返ししていくというのが目標です。

どう頑張るかというのは私自身まだまだ模索中ですが、とにかく良い作品を作って、せっかくなら日常でもしっかりお客さん(フォロワーさん)とも会話したいです。コミュニケーションを大事にしてどんどん成長していきたいと思っていますので、是非飽きるまで、というか飽きさせたくないんですけど(笑)、どうか末永くお願いします。

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