たくさんインプットして、自分の絵に取り入れていく
―現在の活動内容について教えてください。
きりうみ:現在はSNSを中心に活動していて、主にX(旧Twitter)で自分の好きな絵を描いて投稿しています。
その中で、絵を見て気に入ってくださった方から、たまにご依頼を受けたりもしていますね。
ご依頼くださるのは個人の方が多いのですけど、大体は、ネット活動者さんの配信用背景や、『歌ってみた』のお手伝いなどで絵を描かせていただいています。

―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。
きりうみ:昔から絵を描くのが好きでしたから、やんわりと「仕事にしたいな」という気持ちはあったんです。
とはいえ現実的じゃないことも多いので、初めは趣味として、ふわっと活動を始めました。
オリジナル創作の前は二次創作をちょこちょこしていましたから、SNSを始めたのは中学生の頃、今から7年前くらいでしたね。
そうした中、SNSで絵を仕事にしている方々の素敵なイラストなどを見ていくと、やっぱり自分も目指したいな、と改めて思うようになっていったんです。
そこから強く、仕事にしよう、と考えるようになっていきました。
―では、ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?
きりうみ:元々暗めよりも、明るいカラフルな絵が好きでしたね。
加えて、私は発想力があまり良くはなく…テーマや描きたいことを難しく考えすぎてしまう癖があるんですよ。
なので、毎回ベースのカラーを一旦決めて、そこから描きたい雰囲気を決めるようになってから、今のスタイルに落ち着きました。
―そうだったのですね。ちなみに、きりうみさんの作品は配色やライティングも印象的ですが、その辺りは如何ですか?
きりうみ:ライティングも少し苦手なほうではあるのですけど、私は、いろんな人の絵をたくさん見るのがすごく好きなんです。
SNSで目が留まるイラストや、すごく人気な方の作品って、光や色の使い方がすごく上手ですよね。
なので、ちょっと勉強しようかな、と取り入れてみている、という感じです。
一瞬でも目に留まって「いいな」と思ってもらえる絵になるように
―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。
きりうみ:私の絵は結構、色使いを重視しているので、色味のバランスや情報量を意識していますね。
たくさんイラストが流れてくるSNSなどで、一瞬でも目に留まって「いいな」と思ってもらえる絵になるように、ちょっとインパクトのある色彩選びなどを考えています。
あとは一応、こだわりたい部分や、ここは見て欲しいなと思う部分を、納得いくまで描き込んでいます。
私は男性を描くのが好きなので、男性の骨格の感じとか筋肉の感じとか、手の骨感とか質感とかを、結構こだわって描いちゃったりしますね。

―影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?
きりうみ:私がアニメ調の絵を描き始めたのが、大体小6ぐらいの頃だったのですけど…
そもそもその時、HoneyWorksのヤマコさんに憧れて絵を描くようになったんです。
ヤマコさんは、塗りや雰囲気もそうですが、やっぱりきちんと骨格を意識した描き方がすごく印象的でしたね。
どちらかというと、アニメのちょっと可愛らしい丸っぽい絵よりも、人体に沿った描写が好きだったので…そういった男らしさのある絵を描き始めたのは、多分ヤマコさんの影響が大きいと思います。
最近は、そんなにすごく参考にしている、という方はいないのですけど、SNSで見かける皆さんすごくお上手なので、目に入ったものは全部参考にしていますね。
―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?
きりうみ:最近はたくさん資料を見て、描くものの説得力を上げることを意識していますね。
それからやっぱり、すごく良いなと思ったイラストは自分でもすぐ取り入れてみたりすると、伸び悩んでいた時にステップアップできたり、ということがありました。
あとは、自分の目を肥やすことがすごく大切だなと思っています。
実践的な部分では、スランプや画力の低下を感じた時、モデルさんなど、よくPinterestで流れてくる写真とかを軽く模写したりして、勉強しています。
私の場合は、それらも楽しくやっていますから、勉強と言っても苦ではありませんね。

―ちなみに、1日どれぐらい絵を描いたり、絵のことを考える時間を持ったりしているのでしょうか。
きりうみ:別で仕事をしながら描いているのですが、毎日帰ってきて落ち着くのが大体21時ぐらいなので、それから翌日の仕事に支障が出ない夜の1時くらいまで作業しています。
休みの日は早めに起きてから夜中までとか、最近は結構ずっと描いていますね。
なのでもう、一日中です。
色選びがとても好きで、色味を重視している
―現在は、どのようにお仕事を取っていらっしゃるのでしょうか。また、忙しくなった際に受けるお仕事の優先順位などもあれば、教えてください。
きりうみ:絵のお仕事に関しては、今年に入ってからやり始めているのですが…
メールアドレスを公開して、プロフィールにお仕事依頼について記載してから急に来るようになりました。
一応、ご依頼に関しては基本的に受けるようにしているのですけれど、兼業ということもあり、納期が早すぎたり、スケジュールに無理があったりするものはお断りさせていただくこともありますね。
あと、内容で断ることもあまりないのですが、私自身の技量不足により、たまに細かい背景の依頼が来た時は、適材適所あるかなと思ってお断りすることもあります。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?
きりうみ:やっぱり今の時代って、すごく上手な方がいっぱいいらっしゃるので、自分の個性や、自分にしかないものに対して大きな不安を感じたことがありますね。
自分の絵柄は何番煎じになってるんじゃないか、と思ったりしていました。
でも、ただ落ち込むというより、今活躍されている方の良い点を研究したり、その中で自分が出せそうな部分を模索したりして、何とか上手くこの不安とも付き合っていますね。
―個性の出し方って難しいと思うのですが、きりうみさんの作品の持ち味って、ご自身ではどういう部分だと思われますか。
きりうみ:色の感じでしょうか。
色選びがすごく好きで、高校はデザイン系の学校に行っていたんです。
その時、必修で色彩検定を取ったのですが、すごくたくさん勉強した中で、色味って結構楽しいなと感じたんですよね。
相性が合うとすごく華やかに見えたりして、少し違うだけでも印象が変わるじゃないですか。
なので、色味は重視しています。
―ありがとうございます。では、絵を仕事にしていて良かったこと、大変なことをそれぞれ教えてください。
きりうみ:大変なことから言うと、やっぱり、相手の方とのやり取りをすべて自分でやらなければいけないところとか。
あとは、依頼してくださった方のニーズにきちんと応えられているか、納品後満足してくれたのかなと不安になってしまう部分ですね。
でも、納品後にすごく喜んでいただけたり、その絵をたくさん使ってくださったりしているのを見ると、本当にやって良かったなと思います。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。
きりうみ:もっとたくさんの方の目に触れるようなお仕事をしてみたいですね。
商品のコラボ販売とか、展示会とか、書籍系とか。
いろんなことに挑戦したいです。
それから、メールアドレスを公開して以降、ちょこちょこお話をいただけていますから、ここから軌道に乗れたらいいなと思います。

