「明るくて優しい雰囲気が、イラスト全体から伝わるように」たけもんさん

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動物キャラクターの絵を描く時が、一番気持ちが楽だった

―現在の活動内容について教えてください。

たけもん:現在イラストレーターとして、主にパズル誌の問題のイラストや教材の挿絵、プライズマスコットのデザインなどのお仕事をさせていただいております。
他にも、今年(2025年)からハンドメイドイベントなど、対面のイベントで自分のイラストグッズを販売することにも力を入れ始めました。

―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

たけもん:小さい頃から絵を描くことが好きでした。好きなゲームや漫画のキャラクターの絵を描いて、人に見せることが好きだったんです。
でも、そうしてずっと描いてはいたのですけど、大学生の頃までは「お仕事にしよう」ということは全く思っていませんでしたね。

そんな中、就職活動をしている内に「本当に自分がやりたいことって何だろう」と考えるようになり…
就職活動において、なかなか自分のやりたいことと現実が噛み合っていない感じがしていた中で「やっぱり絵を描きたいな」と考えたのが始まりかなと思っています。

その後、専門学校に進み、イラストの勉強をして…そこから、イラストを扱う文具メーカーに就職をしました。
その頃は会社員として、イラストを制作することもあれば、文房具や雑貨の版下作成などをおこなっていましたね。

ただ、そうして色々と仕事をやっていく内に、今度は自分が描いたイラストで仕事をやっていきたいな、と思い始めまして。
ちょっとストレスが溜まってしまった部分もあったんですよ。
もちろん仕事を通して、イラストのスキルや、商業に通用できるイラストについて学べたことはすごく大きかったのですが…
会社って、いろんな人と関わりますから、人のいろんなところがたくさん見えてしまい、それに適応しながら仕事をしていくのが、次第にしんどくなってしまったんですよね。
それで3年ほど前、会社員を辞めて、フリーランスとして活動を始めることにしました。

ただ、そういったストレスがなかったとしても、自身の絵をいろんなところに使っていただいている方々を見ていて、単純に「フリーランスのイラストレーターっていいな」とも思っていましたから…
きっかけは少しポジティブとは言い難い感じでしたけれど、結果的にはこれで良かったのかなと思っています。

―では、ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

たけもん:会社員時代は、子供向けのキャラクターっぽいイラストから、写実的なリアルなイラスト、それからデザイン的な要素の強いイラストまで、いろんな絵を描いていました。
そんな中、当時も自分のSNSアカウントにいろんなイラストを描いて投稿していたのですが、やはり今のような動物やキャラクターっぽいイラストを描くことが、一番気持ちが楽だったんですよ。
一番ストレスがなかった、と言うと少し語弊があるかもしれませんが、そういった面から、今のスタイルになりましたね。
当初は背景がないキャラクターだけのイラストで、それこそ、クマならばクマ1匹プラスアルファだけ、みたいな形で描いていたのですが…
ただ、いろんな書籍に使われているイラストを見ると、やっぱり大体背景があるんですよね。
なので、このままではいけないな、と思ったのと、知り合いが、背景ありの素敵なイラストを投稿しているのを見て刺激を受けまして、背景も描くようになっていきました。
そこから少しずつブラッシュアップしていって、今の形になっていきましたね。

明るく楽しいイラストをモットーにしている

―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

たけもん:自分のイラストをもっといろんな人に見て欲しいですし、見ることで気分が癒されたり、安心感を得られたり、誰かの気持ちに寄り添えるようなイラストを描きたいなと思っているんです。
なので、色に関して、明るすぎたり濃すぎたりしない雰囲気を守りたいな、という点は意識していますね。
僕自身が、少し目が痛くなるようなイラストが苦手、という側面もありますけれど、色味からも優しい雰囲気を出したいなと。

それから、PCで描いているのですが、色鉛筆やクレヨンぽい主線になるようなタッチを心がけています。

あとは、丸っこい雰囲気が好きでして。
安心感があるので、そういう面を出していきたいなと思っていますから、キャラクターはもちろん、キャラ感薄めの動物を描く時も、意識していますね。
とはいえ、丸くしたいからといって嘘をつくのはいけないと思いますので、特徴などをしっかり見て描くことは忘れず、その上で丸っこくて可愛い感じの雰囲気を出せるようにしています。

最後に、明るくて優しい感じの雰囲気が全体から伝わるように、という部分は常に意識していますね。
かなり昔に、暗い絵を描いていて、すごく悲しくなったことがあったんですよ。
なので、暗いとか嫌なことを連想する絵は描けないなと。
明るく楽しく、というイラストをモットーにしています。

―ありがとうございます。では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか? 

たけもん:影響を受けた人、となると、ちょっと多すぎて絞れないのが正直なところですね。
すごく曖昧な言い方になってしまいますが、動物系で子供向けコンテンツのお仕事をされている方々のイラストを多く見ていますから、そういった方々の色使いやモチーフ、動物や人物の動き、それから頭身や表情は参考にしています。
自分の中に落とし込んで、僕自身の絵に合うようにしていく、という感じですね。

それから、そういった方達が、どういう活動をしていて、どういう仕事を主にやっているのか、という部分も参考にしています。
その方達がされているお仕事の本や教材などを集めて、勉強して、みたいな形ですね。
本当に、いろんな人を見させていただいています。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

たけもん:基本的に、クロッキーやデッサンなど、そういう基礎的なことは大事にしたいし、今後絵を描こうと思っている方達にも大事にして欲しいな、とは思っていますね。
僕も動物を描く時は、資料を見ながらまずクロッキーやデッサンをしていますし、人を描く時も、デッサン人形や写真などを見ながら、やっぱりクロッキーやデッサンをやっています。
描く時に、全体の輪郭をいきなり可愛く描くのではなく、まず実際は何頭身なのかをしっかり確認していますね。それから、腕と体はどういうふうに繋がっているのか、足はどこから付け根になっていてどういう角度になっているのかなど、そういった部分も意識して描くようにしています。
僕のイラストって結構デフォルメなのですけど、デフォルメするにしても、やっぱり矛盾や違和感がないようにしていきたいな、と思っていますから、その辺りは大事にしていますね。

あとは、「こういうイラストを描きたいな」と感じる方の作品の模写もしました。
もちろん、それをネットに上げるなどは駄目ですけれど、いっぱい模写することで「こういう描き方をするんだ」「こういう雰囲気なんだ」と色々覚えられて身に付きますので。
自分がどうしたいか、どうなりたいかをしっかり考えながら描いて、最終的に自分流にしていけば、良い感じになるのかな、と思います。

最近はバタバタしてできていないのですが、できる時は今でも週に2、3回ほどクロッキーやデッサンをしていますね。
あと、30秒ドローイングというWEBサイトがありますから、そこで人のポーズを描いたり、動物図鑑などを見て「この動物描きたいな」と思うページをぱっと開いてちょっとクロッキーやデッサンをしてみたり、という作業もしています。

イラストに込めた想いが世界にも伝わったような気がして、嬉しくなった

―現在は、どのようにお仕事を取っていらっしゃるのでしょうか。また、忙しくなった際に受けるお仕事の優先順位などもあれば、教えてください。

たけもん:お仕事に関しては、「ここでお仕事をしたいな」と思った書籍の奥付を見て、その編集部にポートフォリオを送ったり、商談会で来場者の方と話したりして、獲得しています。
たまにSNSからご連絡をいただくこともありますが、大体自分から営業してお仕事を取るパターンがほとんどですね。

優先順位に関しては…
今はお仕事が重なることがそれほど多くはないですし、大体自分のやりたいお仕事をいただいていますから、最近は特に選ぶとかいうことはないのですけれど。
以前は、あまり方向性が合わないお仕事のご相談をいただくこともありましたので、自分と方向性が合っているかどうか、自分がストレスなくできるかどうか、は重要視しています。
もちろん、自分ができるお仕事しか受けない、というのは駄目だと思うのですけど、かといって自分の方向性から外れすぎたり、まったく描けないものを描いたりとなると相手にもご迷惑をおかけすることになってしまいますから。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

たけもん:安定しないお仕事ですから、お仕事がどうしてもない時などは、すごく不安になりますね。
ただ、クライアントワークだけがイラストレーターの手段ではないかなと僕は思っているんですよ。
なので、そういった時はLINEスタンプを発表するなど、できることをしていますね。
あと、どうしてもちょっと嫌なこととかもあったりしますから、そういう時は同業者に話を聞いてみたりなどの交流も大切にしています。

それからSNSをやっていく上で、数字的な不安を感じた時もありました。
SNSにイラストを投稿しても、「ちょっといまいちなのかな」と思うこともあったりして。
でも、やっぱり自分のイラストをいつも見てくださったり、「可愛いですね」とコメントをくださる方がいてくださったりもしますので…
活動していく上では、そういった方達の存在は心強いですね。

―ありがとうございます。では、絵を仕事にしていて良かったことを教えてください。

たけもん:仕事をしていて、担当の方に「可愛いです」とか「ほっこりします」とおっしゃっていただけた時が、すごく嬉しいですね。
対面のイベント等でも、「可愛いですね」と言いながら購入してくださったり、じっくり悩んで購入してくださったりする方を見た時は、描いていて良かったなと思います。

先日出展したイベントでも、日本の方だけでなく外国の方も来てくださって。
そういった、いろんな外国の方にも「可愛いですね」とおっしゃってご購入いただけた時は、自分がイラストに込めた想いが世界にも伝わったような気がして、嬉しい気持ちになりました。

―逆に、大変なことはありますか。

たけもん:1人でやっていますから、ちょっと話を聞いて欲しいなと思う時、すぐに相談できない、ということですね。
なので、オンラインでも何でも良いのですけど、やっぱり話し相手を作るといいますか、仲の良い人は1人でも2人でもいたほうが良いのかな、とは思っています。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

たけもん:動物のイラストをずっと描いていきたいと思っていますので、自分がイラストを手がけた動物図鑑などのお仕事をしてみたいですね。
動物園や水族館の商品グッズのイラストも手がけてみたいと思っています。
あと、同じく動物園や水族館で、自分のグッズのポップアップ展開とか。
できるのかどうかもわかりませんけど、そういうこともしたいなと夢を抱いています。

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