「絵を描き続けることで自己効力感が生まれ、自分のアイデンティティになっている」小倉まおさん

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元々は理系で生態学を学んでいた

―現在の活動内容について教えてください。

小倉まお:現在は年に2~3回の展示やイベントへの参加出展を中心に、動植物をモチーフにした透明水彩で作品を制作することを、主な活動としています。

―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

小倉まお:絵を描き始めたきっかけは、大学1年生の時、美術サークルに勧誘いただいたことでした。
元々は生態学などを学んでいたのですが、そのサークルで絵を描くことになったのが本当に最初ですね。
それまでは、ノートの端っこにらくがきする程度のことはしていましたけれど、絵を描くことについては全然詳しくなかったです。

だからこそ、当時は絵を仕事にしたいと思っていませんでしたね。
卒業してからは、一般企業に就職しました。

ただ、仕事のやり方に変化があり時間ができた中で、自分のしたいことは何だろうと考えた時、ふと絵を描きたいなと思って、描くことを再開したんですよ。
それが、(インタビュー当時の)3ヶ月前ぐらいの話です。

 

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

小倉まお:理系分野を学んでいたこともあり、動物や植物や魚など、生物というものがそもそも結構好きなんです。
なので、それをモチーフに絵を描きたいなと思ったのが、方向性を決めた最初のきっかけでしたね。
着色についても、私はブルー1色しか使わないのですけれど、「本当に好きだったから」というのが理由です。
方向性にしろテイストにしろ、単純に「自分が好きだから」という部分を優先した結果、今の感じになった形ですね。

 

―小倉さんの作品には、動植物以外に人も描かれているようですが、それについては如何ですか。

小倉まお:あまり作家っぽくない話をして恐縮なのですが、やっぱり人がいると、見てくださる方からのウケが良いんですよ。
なので、見ていただくために人を描きつつ、自分自身は生き物を描きたくて描いている、という感じです。

 

好きで外に出たついでに、出かけた先で絵の情報をもらってくる

―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

小倉まお:描き始める前、どういうものを描きたいか、とイメージするところに結構時間をかけて、大事にしています。
単純に動植物を描くだけじゃなく、何を伝えたいのか、という部分について考えるんですよ。
表現的なところも含め、何をどうするか、その上でどういう描写にして伝えたいか。
筆をとる前に、その辺りをしっかり考える時間を設けることを大切にしています。

絵を描くとか、パソコンで作業をしている時以外は、もうずっと、それらを考え続けていますね。
1作品に何時間かけて考える、というよりは、常に「こういうのを作品にしたら面白いな」「こういうことを描いてみたいな」ということを考え続けている感じです。

―では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか? 

小倉まお:イラストレーターのオカユウリさんですね。
明るい暖色の作品を描かれる方で、絵を描き始めた大学生の頃から、ずっと絵を拝見しています。
今はいろんなクリエイターさんがいらっしゃいますけれど、オカさんはずっと「この人の絵だ」とわかる作品を描き続けていらっしゃって、尊敬しています。
だからこそ私も、絵を見ただけで「これが小倉まおという人間の作品だ」とすぐにわかってもらえるような作品を作りたいと思っていて、意識していますね。
そういう点で、オカユウリさんから影響を受けています。

大学の2年か3年の時には、オカユウリさん主催のグループ展に誘っていただいたこともあるんですよ。本当に嬉しかったですね。
それがきっかけで今も交流させていただくこともあって…イベントに出る時は挨拶させていただきますし、オカユウリさんのYouTubeに呼んでいただいて、少しだけお話しをさせていただく機会もありました。
今も憧れています。

 

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

小倉まお:よく訊ねられるのですが、実はあまり「これ」というものがなくて、とても難しい質問だなと思います。
いつも「いろんなことの組み合わせです」という、すごくざっくりとした答えになってしまうのですけれど…

結局は人それぞれで、具体的に何をしたら上達する、というものでもないと思いますから、私の場合は、物量をこなすにしろ、インプット・アウトプットをこなすにしろ、まずは自分の絵と向き合ってバランスを見る、ということを常に心がけています。

 

―なるほど。画材の使い方なども美術サークルの中で教えてもらって、今に至っていらっしゃるのでしょうか。

小倉まお:正しい使い方は、未だにわかっていませんね。
サークルの中でも、「部室に置いておくから使ってみてね」みたいな感じで丸投げされていましたから、いろんな方の動画を見たり、一緒に展示させていただく作家さんに話を聞いたりして、機会があれば吸収している感じです。

―そうだったのですね。ちなみに、小倉さんは1日にどれくらい絵を描いていらっしゃるのでしょうか?

小倉まお:今は毎日描いていますね。
(インタビュー当時)ちょうど個展前ですから少し上振れしていますが、最近ですと毎日10枚ぐらい描いています。
個展前でなくとも、毎日5枚は描いていますね。

 

―それはすごい! ですが、1日5~10枚も描いていらっしゃると、ネタ切れなどはされませんか?

小倉まお:私はアウトドアというか、外に出るのが本当に好きなんですよ。
植物園に行ったり水族館に行ったり、動物園に行ったり…外の環境に触れるのが元々好きなので、日々そこから色々と吸収していますね。
絵を描くために見に行ってるというよりは、好きで外に出たついでに絵の情報をもらってくる、みたいな感じです。

デジタルが進んでいる時代だからこそ、アナログの良さを知ってもらいたい

―現在、クライアントワークはしていらっしゃいますか?

小倉まお:メインが、展示させていただいた時の原画販売や、オーダー作品の制作などになりますので、あまり企業さんからのお仕事はありませんね。
展示会経由でいただいたりする、個人様中心のご依頼を受けています。

 

―では、忙しくなった際に受けるお仕事の優先順位などは、あるのでしょうか。

小倉まお:いえ、お断りすることがありませんね。
描いたことがないからお断りする、というのも自分の幅が狭まるかなと思いますから、それまでやったことのないオーダーでも、挑戦の意味で全部お受けしております。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

小倉まお:色々と考えてみたのですが、不安がないんですよね。
必要があれば、今の活動を続けていくために兼業することも選択肢としてあると思っているんですよ。
だからこそ、生活面での不安もないですし、体もタフなほうですから、そちらも特に不安はなく…
今のところ「楽しいな」という感情でしか活動していません。

 

―ありがとうございます。では、絵を描いていて良かったと思うことを教えてください。

小倉まお:展示やイベント、SNSなどで、『自分の描きたいものを描いた作品』に興味を持っていただけたり、共感していただけたり…そういった人の存在を実際に目にして認識できる機会が増えたのは、すごく良かったなと思いますね。
私は元々、自己肯定感が低いほうなのですけれど、絵を描き続けることで自己効力感が生まれ、それが今の自分のアイデンティティになっているなと強く思います。

 

―逆に、大変なことはありますか。

小倉まお:時間がいくらあっても足りないな、というところです。
描きたいものが増えていくのに、時間が足りず…
大変と言えば大変ですが、幸せと言えば幸せなことですけれどね。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

小倉まお:今の活動をできる限り続けていく、ということを、長い目標として持っています。
自分のためでもありますし、見てくださっている方のためでもあるのですけど、『継続』が一つの大きな目標です。

それから、私はアナログ作家として、ずっとペンを持って紙に絵を描いている身ですから…
今はデジタルが進んでいる時代ですけれど、アナログ原画の良さを知ってもらえる機会を増やせたらいいな、と。
そうして、アナログ原画を「いいな」と思ってくれる人を、少しでも増やせるような存在になれたらいいなと、常に思っています。

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