自由に好きなキャラクターを見つけて欲しいからこそ、自由に描く

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絵を仕事にしないということを逆に諦めて、絵の道を志そうと思った

―現在の活動内容について教えてください。

かなさこあゆむ:イラストレーター・デザイナーとしてクライアントワークをする傍ら、タレミミくんというオリジナルキャラクターでイラスト本や漫画本・グッズなどを制作しています。
イベントにはほぼ毎月出展しており、年15回から20回ぐらいはイベントに出ています。

―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

かなさこあゆむ:学生の頃は、絵で食べていこうと微塵も思っていませんでした。
「絵描きさんってすごいな~」くらいの憧れはあれど、絵でお金を稼ぐ将来にどことなく現実味がなく…最初から諦めていた節がありました。

ただ、クリエイティブに限らず様々な仕事を試してみた結果、結局いつも創作する日々に戻ってしまっている自分がいました。一番自分らしくいられ、ストレスなく生活できることが創作活動だと気付きました。
「絵を仕事にしない」ことを諦めて、絵の道を志そうと思ったのは社会人になってからです。

その後、タレミミくんというキャラクターを作り、2024年から本格的に活動を始めました。

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

かなさこあゆむ:私は元からシンプルではっきりした線画や曲線・デフォルメデザインが大好きで描いていたので、それを活かせる絵からまず描いていこうと考えましそれが今のタレミミくんシリーズの作品やグッズに繋がっています

―なるほど。では、タレミミくんはどういうところからインスピレーションを得て、生まれてきたのでしょうか。

かなさこあゆむ:そもそも、キャラクターものを始めたきっかけ、そういったコンテンツが好きというのがありました
実家で犬を飼っていたのでモチーフはそこからです。あとは、小さい頃に長いこと海外のカートゥーン作品に触れていたので、犬は犬なんだけれどもキャラクターとしての自由さを持たせてあげたい、と考えながらデザインしました

何が自分の「大好き」「得意」なのかを、ずっと自問し続けること

―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

かなさこあゆむ:活動にあまり制限がかからないよう、「敢えてルールを決めすぎない」ように意識しています。

例えば、タレミミくんが腕があったりなかったりしているのも、そのイラスト上で必要かどうか、その時その時で決めているからです。
手足が伸びたり絵柄が変わったりするのも、作品やグッズに合うと思った形を、その都度模索した結果です。

キャラクターでも、プレーンのタレミミくん以外にチーズミミやしょくぱんミミなど色々なワンコたちを展開して、お客様に「好きな1匹」を自由に見つけてもらえるようにしています。
コンテンツや作家を知らなくても、キャラクターから手軽に好きになってもらえるよう、良いと思ったものを自由に作るようにしています。

―ありがとうございます。では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか? 

かなさこあゆむ:現在『天国大魔境』という作品を連載されている、漫画家の石黒正数さんです。

活動を始めるよりずっと前、石黒さんの『外天楼』というオムニバス短編集を読みました。
シンプル堅実な線、コマ割りやストーリーラインのすごさに圧倒され、初めて漫画という総合芸術の奥深さに触れました。
『外天楼』は自分にとって人生で忘れられない1冊になり、それ以来「漫画ってすごいな」「絵ってすごいな」と感銘を受けて、筆を持つ力が湧いたきっかけの一つになりました。

私はイラスト本以外にも漫画本を出しているのですが、皆さんから結構「どうして漫画を描こうと思ったんですか」と聞かれることがありました。
漫画がきっかけで創作活動を始めたので、自然と漫画制作に手を出していたと言いますか…
当たり前のように「漫画は挑戦するもの」という感覚が存在していました。
改めて考えてみれば、これも石黒さんの作品に出会ったことが大きな理由としてあったのかもしれません。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

かなさこあゆむ:画力に関しては、ひたすら課題を見つけ、クリアしつつ『描き続けること』だと思っています。それ以外の部分は少し精神面のお話しになってしまいますが、『こだわり捨てずに制作すること』だと思っています

専業でも兼業でも、限られた時間の中で見返りや反応だけを求めて活動を続けるのは、個人的に修羅の道だと感じてい
ます。
『受けそうなもの』『今売れているもの』を勉強し続けるのも大切なことですが、それらを取り入れた上で自分のこだわりに昇華させ、好きなものを作り続けていったほうが、むしろ後から技術も身に付いてくるんじゃないかな、と。

なにが自分の「大好き」なのか、なにが自分の「得意」なのか、自分のこだわりがどんなものであっても、ずっと自問し続けることが大切なことだと思います。
必ずどこかに需要があったり、ファンになってくださる可能性を秘めたお客様が存在していますからね。

生活の一つに創作が組み込まれている人生が、自分らしくいられる

―現在は、どのようにお仕事を取っていらっしゃるのでしょうか。また、忙しくなった際に受けるお仕事の優先順位などもあれば、教えてください。

かなさこあゆむ:タレミミくんの活動をしているなか、イベントでお声がけいただいたり、出展をきっかけにメールなどでお問い合わせいただく形が多いです。
今のところはお断りすることもなく、基本的に対応できるお仕事には全て積極的に関わらせていただいています。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

かなさこあゆむ:将来の不安は、毎日あります。
ですが、その不安と比べても、今はクリエイターとして物創りをしながら生涯を終えたいという気持ちのほうが大きいです。
どんな形であっても、クリエイティブに携わり続ける道を模索していくために、活動はなるべく目標や数字を決めて行うようにしています。部数や売上、販売傾向はExcelで事細かに記録を取り、新作のグッズに反映できるようにしています。

そうすると、精神論だけでなく数字的な部分でも自信がつき冷静に先々のことを具体的に考えやすくなりますし、クリエイターとして1人で活動する場合は、そういった数字気にしたほうがいいのかなと思います。

―ありがとうございます。では、絵を仕事にしていて良かったことを教えてください。

かなさこあゆむ:やはり、毎日制作を続けられるところですね。
例え嫌になっても考え続け、生活の一つとして毎日のルーティーンに創作が組み込まれてる。そういう人生が、一番自分らしくいられます。

―逆に、大変なことはありますか。

かなさこあゆむ:健康の維持が一番大変ですね。
健康って興味が向かない部分でもあるので、きちんと意識して維持し続けなくてはいけないのが個人的に大変です。

制作が最優先なので、使えるものは全部使って、制作できる生活と身体を守っています。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

かなさこあゆむ:基本的にはオリジナルコンテンツを展開させていきつつ、クライアントさんからの仕事をもっといただけるよう、SNSでのアプローチや作品投稿を継続していくつもりです。雑誌や書籍の表紙を飾れるくらい、技術を精進していけたらと思っています。

個人制作では、漫画には挑戦し続けたいと思っています。自宅の本棚が自分の本で埋まるくらい、生涯本を出し続けたいです。

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