「生まれた時に母がプレゼントしてくれたクマの毛布を、自分の絵で復活させたかった」およよさん

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躓いたからこそ、同じ気持ちの人がいるかもしれないと気付けた

―現在の活動内容について教えてください。

およよ:ほっこりするような絵本タッチの、子どもや動物のイラストを描いています。

それから、オリジナルキャラクターのマイベアズの絵本やグッズを制作して、イベントで販売したり出展したりしていますね。

 

あとは、YouTubeで初心者向けのイラスト講座を投稿・公開中です。

自分が過去に躓いてわからなかったところなどをまとめて、もっと絵を描く楽しさを発信していけたらいいなと思っています。

 

―イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

およよ:仕事にしたいなと思う一番のきっかけになったのが、YouTubeのイラスト講座でした。

元々絵は、ファンアートや、ノートの切れ端にちょっとらくがきをする、くらいから始めていったんです。

そんな中、SNSでデジタルイラストを初めて見て…

すごく細かい綺麗な絵をたくさん見るようになり、私も描いてみたいなという気持ちがどんどん大きくなっていきました。

そうしてデジタルイラストに挑戦してみたのですけれど…やっぱり思うように描けなかったり、ツールの使い方がそもそもわからなかったり、というところで躓いたんです。

心が折れそうな時もありましたね。

 

でもそれが結果として、私と同じ気持ちの人がたくさんいるかもしれない、と気付くきっかけにもなりました。

私は独学で、動画や本を読んで絵を学び始めたのですけれど…やっぱり、実際に描いているところを見ないとわからない、ということが多かったんですよね。

それをどうにか上手く発信していけたらいいなと思って、動画を始めたんです。

そうしたら、思っていた以上にたくさんの方に見ていただけて。

「描けるようになりました」とか「デジタルイラストを始めるきっかけになりました」という言葉をいただけて、すごく嬉しかったです。

それが、「私も一緒に頑張っていこう」という気持ちにも繋がって、私自身も本格的に絵を始めていこう、という今の活動に繋がりました。

―面白いルーツですね。まさかの動画から始まった活動だった、と。

およよ:そうなんです。

本当に趣味で描いていただけで、専門学校や美大に行っていたわけでもなく。

趣味としては、ちょうどコロナ禍に入った時、何か家でできることはないかな、と思って描き始めたのがきっかけでした。

 

液晶タブレットを購入して、初めは使い方がわからなくて、ほぼ放置状態でした(笑)

そこからしばらくして、改めて頑張ろうと思い、先ほどお伝えした動画配信の活動に繋がっていきました。

 

誰かに何か教えるとなれば、やっぱり自分がきちんと知っておかないと駄目じゃないですか。

それもあり、ちょっと気を引き締めて頑張ろう、という気持ちにもなることができましたね。

 

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

およよ:小さい頃から絵本が大好きだった、というのが一番大きいですね。

「絵本のような、ほっこりとしたタッチを描きたい」と思ったのが、方向性を決める大きなきっかけになりました。

 

その後は、色々描いていくにあたって、オリジナルキャラクターがあったほうがいいなと思うようになり…

まず何を描こうか、と考えた時、私が生まれた時に母がプレゼントしてくれたクマの毛布を思い出したんです。

今も大切に取ってあるのですが、つらい時や悲しい時もずっとそばにある、ライナスの毛布のようなそのクマの毛布の存在が、私の中ですごく大きくて。

大切な宝物なのですが、やっぱり使っていくと色褪せて、模様も見えなくなってしまうので、今はもうクマの絵柄も見えないんですよね。

それでも、クマさんがずっとそばにいてくれたという記憶があって。

これをどうにか自分の絵で復活というか、表現できないか、と考えていきました。

そこから今のキャラクターが生まれて、「よし、このキャラクターを自分の大好きな絵本タッチのイラストで描いていこう」と決めたのが、今の方向性に至ったきっかけです。

気になることはとことん追求して、好きなこともとことん追求する

―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

およよ:一つ一つの作品に対して、我が子のような気持ちがあります。

自分の作品を、自分が一番好きであることが一番大切だな、と思っているんですよね。

その上で「この子だったら恐らくこんな服を着るだろうな」「この子だったらこんなことをするだろうな」とキャラクターの気持ちを想像しながら描くことをすごく意識しています。

自分がその子たちのファンであることを、大切にしながら描いている感じですね。

 

あとは、作品を見てくださった方にほっこり温かい気持ちになっていただけるように、という部分も、常に意識をしています。

私が他の方の絵を見る時も、励まされたり、心が落ち着いたりすることが多いんですよ。

なので私も、私の絵を見ることでそういう気持ちになってもらいたい、という想いがあるので、そこを意識して描いている形です。

 

―では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか? 

およよ:私が本当に小さい頃からずっと大好きで、影響を受けた作家さんが、『バムとケロ』シリーズを描いていらっしゃる絵本作家の島田ゆかさんです。

 

幼稚園や小学校に通っていた頃、島田さんの絵本を初めて読んで以来、ずっと大好きなんです。

今も何回も何回も読み返しているのですけれど、読み返す度に、サブストーリーなどまた新しい発見があるんですよ。それがもう、私もこの世界の住人になりたい、と心から思うくらい楽しくて。

描き込み量がすごいんですよ。

メインストーリーとは別に、小さいところでサブストーリーがあったりして。

そういう作品を小さい頃から見てきて、私の絵にもそういうものを取り入れたいな、という気持ちがありますね。

 

あとは、本当にバムとケロのように、皆さんに愛されるようなキャラクターを作っていきたいなという気持ちがあるので、色々と参考にさせていただいています。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

およよ:私はゼロからのスタートで、学校に行っていたわけでもなく、クリエイターさんの知り合いなど相談できる人もおらず、初めは本当にどうすればいいかわかりませんでした。

でも、SNSで好きなイラストレーターさんをフォローして、「どうしてこの人の絵はこんなに魅力的なんだろう」と分析をしたり、相談できる相手がいないからこそ、わからないことをとことん自分で調べたり…描けないポーズがあったら、自分で同じポーズをして写真で撮って、それを模写したり。

あとは、イベントに行く機会が増えてきて、展示に参加されている作家さんに「どうやって描かれているんですか」と直接相談したり。

そういった細かな積み重ねで、徐々に徐々にひたすらひたすら絵を描いていって、ようやく今の、自分の描きたいと思う絵が描けるようになっていった感じです。

 

なので「この方法がいい」という、特定の正解が私の中にはないんですよね。

とりあえず、気になることはとことん追求して、好きなこともとことん追求して、という感じです。

 

目に見える数字に落ち込んで、挫折したこともあった

―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。

およよ:現在は、自分から取りに行っているわけではなく、メールでご依頼いただくことがほとんどですね。

皆さんイラスト講座を見てご依頼くださることが多くて。

今は、イラストの講師やお絵かきソフトの使い方だったり、機材の紹介などをさせていただいています。

 

オリジナルキャラクターができてからは、1枚絵の制作や、企業様のキャラクタースタンプを作って欲しいというご依頼をいただくことも出てきました。

 

その中で、忙しくなって優先順位を付けなければ、となった時などは…そうですね。

自分のやりたいことだったりとか、熱量だったりとか。

動画であれば、絵を描く楽しさを、本当に届けられるかとか。

そういう点を重視したお仕事を、優先的に選んでいます。

機材なども、本当に自分が普段愛用していて、使った上で「本当にいい」と思えるものを動画にして、発信したいんですよ。

いつでも本心を、普段動画を見てくださる方にお伝えしたいので、自分の気持ちに正直な発信ができるか、という点も選ぶ基準にしていますね。

 

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

およよ:不安はもう、今でも正直ずっとあります。

絵を描き始めた頃は、SNSに投稿してみてもあまり見てもらえなかったり、動画も再生数が伸びなくて、目に見える数字に落ち込んで挫折したり…もう、向いていないのかな、と考えるほどの大きな不安がありました。

 

それでも描き続けていって、イベントに出ていると、作品を見てくださる方と出会うことができて。

いただける感想などを直接聞いている内に、改めて、「ちゃんと見てくださる方がいるんだ」「今まで数字を気にしていた部分もあったけれど、本当に好きで楽しみにしてくださっている方がいるんだ」ということを、イベント出展を通して実感できました。

 

いただける言葉一つ一つにすごく励まされて、また頑張ろうと向き合えたんです。

 

本当に、最初の2年ぐらいはもう、動画も全く見てもらえませんでしたし、SNSに投稿しても『いいね』の数が10付けばいいな、という感じだったんですよね。

心が折れそうな日々がほとんどでした。

でも、そこからイベントに出ていくようになったのがすごく大きくて。

イベントに出るようになってから、新しく知ってくださる方も増えてきて、徐々に徐々に見てくださる方も増えて、お陰で頑張って来られた、という感じです。

―ありがとうございます。では、絵を仕事にしていて良かったと思うことを教えてください。

およよ:やっぱりイベントで「いつもほっこり温かいイラストで癒されています」など声をかけていただけたりすることですね。

以前、デザインフェスタでは、私の絵本を目の前で読み聞かせしてくださる親子さんがいらっしゃって、小さい子がものすごく嬉しそうに、指を差しながらページをめくっている姿を直接見られたこともあったんですよ。

あとは、自分の作品を誰かへのプレゼントとして選びましたとおっしゃっていただけたこともあって。

そういった一つ一つがすごく嬉しくて、諦めず、描き続けて良かったなと心から思いますね。

 

―逆に、大変なことはありますか。

およよ:やっぱり、全部がゼロからのスタートだった、ということがすごく大変でしたね。

イラスト講座をするにしても絵を描くにしても、何もかも調べるところから始めなければいけませんでしたから。

パソコンを購入して、パソコンの仕組みを調べて、動画編集のソフトを入れて、動画の作り方をまず勉強して…

その後にやっと絵を描いていったのですけれど、まず絵を描いたことがなかったので、そこでまた描き方を学んで。

本当に、大変でした。

 

あとは普段、遅めの時間でフルタイムの仕事をしていますから、絵を描く時間が夜中や土日しかなくて、限られた時間内でどれだけ作品を描けるか、というところも大変ですね。

イベントまでの準備もそうですが、削るとなれば、もう睡眠しかないので。

自分の体調面を考えつつ、時間配分していくのが大変です。

 

平日は夜中に仕事が終わりますので、帰って1時から朝の6時までの5時間は絵を描こう、と決めています。

 

休日はフルで行けるところまで進めたいと思っていますが、とはいえ集中力が続かないので、途中でちょっと出かけてみたり、個展に行ってみたりとか…

気分転換をしながら、時間を調整して作業に取り組んでいます。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

およよ:オリジナルキャラクターを、もっと発信していきたいですね。

もっと、たくさんの方に知ってもらいたいと思っています。

 

それから、子供向けのお仕事を、これからたくさんしていきたいな、という目標があります。

企業様と自分のオリジナルキャラクターのコラボ企画によるグッズ制作や、児童書の挿絵など、子供が触れるものに関われるお仕事をやっていきたいな、というのが以前からの夢なんです。

なので、2026年以降は、そこを目指して活動していきたいですね。

 

あとは個人的に、絵本制作や個展を開催したいな、という大きな目標があります。

今は自費出版で絵本を制作していますが、いつか商業で、本屋さんに並べてもらえるような絵本を作りたいですね。

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