「作品を通しての感情共有を知ってしまったら、もう辞められなくなった」WAN!SHOP(Kia)さん

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生んだ責任を持ち、きちんと育てて見届けること

―現在の活動内容について教えてください。

WAN!SHOP(Kia):現在はSNSでの作品発表を軸に、デザインフェスタやコミティアといったリアルイベントへの出展をしております。
出られる時には月1ペースでイベントに出て、活動を楽しんでいますね。

―では、イラストレーターとしてお仕事をしようと決心したきっかけを教えてください。

WAN!SHOP(Kia):子供の頃から、チラシの裏などに絵を描くことが大好きでした。
本格的に絵を仕事にしようと向き合ったのは、美大に進学した後になります。
そこで恩師からいただいた『自分の生み出したものは自分の子供。生んだ責任を持ち、きちんと育てて見届けろ』という言葉がきっかけになり、私の人生を変えてくれました。
絵を描くことは自己満足の表現ではなくて、社会と繋がる責任ある仕事だというその教えがあったお陰で、プロとして生きていく覚悟を決めることができましたね。

美大卒業後は企業のデザイナーとして仕事をしていたのですが、今はフリーで活動しております。
イラストレーターのWAN!SHOPとして活動を始めたのが今から5年前で、フリーになったのもそのタイミングでしたね。
それ以前はしばらく、大学でテキスタイル専攻を学んでいましたので、服や生地を作ったりするハンドメイドのような活動をしていました。

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

WAN!SHOP(Kia):屋号であるWAN!SHOPに、全ての思いを込めているんですよ。
結構、犬の「ワン」と思われがちで…犬も描きますから、間違ってはいないのですけれど(笑)
実は、『Wonderful』『Animal』『Neoteric』という3つの単語の頭文字を取って、「動物をモチーフに、今までにない観点の表現を追求しよう」と思って決めたものなんです。
『Neoteric』は『現代的・新しい』という意味でして、この名前に決めたことで、自分の進む道がわかりやすくなったかなと思っています。

動物たちを描くに当たり、当初は、私自身が犬を飼っていたので「こういうこともあったよな」みたいなことをベースに描いていたのですけれど。
今はそれにプラスして、毎年の干支や、他にも猫など、身近な動物を描いていますね。
元々、動物がとても好きなんです。でも、生き物って、いつかは亡くなってしまうので。
ただ、絵に残すとずっとそばにいてくれますから、そういった思いも込めて描いています。

様々な展示会に足を運び、本物に触れて、インプットしていく

―作品を描くにあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

WAN!SHOP(Kia):私自身がワクワクして描くことを大切にしています。
だからこそ、お気に入りの音楽をかけたり、美味しいコーヒーを用意したり、お菓子で自分の機嫌を最大限に取ったりしてから、描き始めるようにしているんですよ。もう、私なりの儀式になっています。
ハッピーな気持ちになれないと、絵にもちょっと出ちゃう気がして。

―自分のご機嫌取りは、大切なことですね。ちなみに、よくお食べになるお菓子は何ですか?

WAN!SHOP(Kia):めちゃくちゃグミが好きでして。
グミにも色々種類がありますけれど、個人的にはよく噛んで食べるかんじの硬いグミが好きです!

―なるほど。気持ちのコントロールはクリエイションを生み出していく上で本当に大切なことだと思うのですが、意識するようになったきっかけなどは、何かあったのでしょうか。

WAN!SHOP(Kia):絵を描くこと自体は子供の頃から好きだったのですが、だからこそ、自分のテンションが結構出ちゃうなということが、わかるようになっていったんです。
例えば、すごく怒られた後に描いた絵はすごく悲しい絵になってしまったり…受験生の頃はそれでもデッサンをしなければいけなかったので、一生懸命ニュートラルにする訓練などもしていたのですけれど。
やっぱり、自分の想いが乗るイラストに関しては、私自身わかりやすい性格をしているので、私自身が楽しまないと見ている人もつらくなってしまうな、と。
それに気付いてからは、自分でもとても意識するようになりました。

―では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?

WAN!SHOP(Kia):日本の民芸や北欧のデザインに、強く惹かれているんです。
馬場のぼるさんや、ディック・ブルーナさんのような、シンプルで愛らしい感じの絵本の造形から、岡本太郎さん、横尾忠則さんのような爆発的なエネルギーのある方まで、割と広く影響受けていると思います。
共通点として結構皆さん独自の哲学が通っていらっしゃいますので、絵のタッチはもちろん、作家性も指標にさせていただいているところがありますね。

馬場のぼるさんやディック・ブルーナさんは、小さい頃から絵本を読んでいて、もう覚えていないくらい幼い頃から繰り返し作品を見ていましたね。
岡本太郎さんや横尾忠則さんに関しては、中学・高校生ぐらいの一番多感な時期に「こういう人もいるんだ」と知って、影響を受けた感じです。
生き方とかも結構激しい方々なので、「思い切りがいいな」と思って…
私もそういう「思い切りのいいものを描きたいな」と憧れています。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

WAN!SHOP(Kia):小さい頃から、様々な展示会に足を運んで、本物に触れる、ということに気をつけていました。
今もそうですが、基本として『よく見る』ということを徹底しています。
絵以外でも、インテリアや工芸など、博物館を含めて幅広い展示会に足を運びますね。

その中で「結構好きだな」と思った作品や言葉は、しっかり心に留めておくと良いと思います。
私はそれによって、自分にとってしっくりくる描き方や画風などが見つかっていった気がしているんですよ。

初めは中学生ぐらいの頃、化石博物館みたいなところに行った時にふとそう感じたのですけれど。
そういった『本物』に触れたことで、何となく「引き出しに入れておいたらいいかな」「いつか役に立つかも」と思ったんですよね。
なので今も、最低でも月に1回くらい、年間でスケジュールを組むほどに、いろんな展示会になるべく足を運ぶようにしています。
見逃してしまったり、チケットが売り切れてしまったりすることもありますので…
もう、イベントや展示会でスケジュールを詰め詰めにしています(笑)

一番の夢は、私が大好きな日本の伝統工芸とコラボレーションをすること

―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。

WAN!SHOP(Kia):基本的には、個人ホームページからいただくご依頼をお受けしています。
中でも、WAN!SHOPの世界観を守るため、動物に関わるお仕事だけをお受けしている状態ですね。
その上で、私の画風を愛してくださることを基準に、お仕事を選ばせていただいております。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

WAN!SHOP(Kia):最初は、「楽しくなくなったら辞めてもいい」くらいのラフな気持ちで始めたんですよ。
でも、ほぼ毎月イベントに出させていただいて、直接お客さんと話をしていく中で、「この動物可愛いですよね」とか…
感情を共有できる瞬間を知ってしまったら、もう辞められなくなってしまって(笑)
お客さんの笑顔が、不安な気持ちを打ち消してくださって、「また明日も描いていこうかな」と思わせてくれる一番の薬かなと思います。
インターネットだと、どんな方がいらっしゃるのか知ることはできませんけれど、イベントでは常連さんなどもいてくださって。
「また来てくださった、嬉しい!」「お久しぶりです!」みたいな明るい気持ちで頑張れるので、私自身、生きている感じがしますね。

―ありがとうございます。では、絵を仕事にしていて良かったことを教えてください。

WAN!SHOP(Kia):先の回答と重複してしまうのですが、私の描くものでお客さんが喜んでくださることですね。
「仕事がつらいんですけど(WAN!SHOPの作品のお陰で)頑張っています」みたいな、心の支えにしていますといったことを伝えてくださることもありますので…
役に立てているんだな、と実感できることは、良かったなと思います。

―逆に、大変なことはありますか?

WAN!SHOP(Kia):私は結構、デジタルで絵を描くことが多いのですけれども…
使用しているAdobeのIllustratorというソフトが不機嫌になってしまったり、データが消失してしまったり、ということがたまにありまして、そういう時は大変だなと思いますね。
ただ、その時はその時で、アナログに切り替えたりして、改めて「アナログで描くことも楽しいな」と感じられたりしますから、臨機応変に対応できて良かったな、なんて考えたりもします。

―データが消えるって、皆さん絶対に経験があるんじゃないかと思うのですが、今は何か対策をしていらっしゃるのでしょうか。

WAN!SHOP(Kia):バックアップをこまめに取ることですね。
あとは、ソフトが固まってしまったり、アップデートについていけなかったり、ということもありますから、なるべく最新のものを使うようにしています。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

WAN!SHOP(Kia):今後はより作家性を深めるために、絵画展への参加にも挑戦したいと思っています。

そして一番の夢は、私が大好きな日本の手仕事…伝統工芸とコラボレーションすることなんですよ。
古くから受け継がれた技術と、私の描く動物が融合した時、どんな化学反応が起きるのか、そういう未来にわくわくします。
特に九谷焼など、お皿や器でコラボしてみたいですね。

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