「自分が満足できる作品を作ってこそ、誰かの心にも響くはず」壺屋イナメさん

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デザインフェスタに憧れを抱き、元々は出展を目標にしていた

―現在の活動内容について教えてください。

壺屋イナメ:私は現在、キャンバスに絵を描くのではなく、立体的に作り上げるtoysboxという作品や、メンダコをモチーフにした作品作りをしています。

展示もおこなっていまして、2025年はイベントに力を入れようと思い、2ヶ月に1回ぐらいのペースで出展していました。
お陰で、イベントを通して企業様にお声がけいただき、ガチャガチャやUFOキャッチャーの景品などのお仕事をさせていただく機会がありましたね。

―では、現在の活動をお仕事にしようと決心したきっかけを教えてください。

壺屋イナメ:元々、現在私自身もメインで出展している日本最大級のデザインフェスタに憧れを抱いていて、そこに出展することを目標に創作活動を始めたんです。
初めは、本当に趣味の範囲で作ったものを皆さんに見ていただければなと思っていたのですけれども、実際に出展した際、想像よりも多くの方に作品が欲しいと言っていただけまして…それに応えるように制作を続けていった結果、今の活動に繋がっています。

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?

壺屋イナメ:そもそもの方向性というものは、あまり決めていませんでした。
学生時代、陶芸の授業もある学校に通っていまして、そこから「立体的なものを作るのが好きだな」と気付いたんです。
かつ『デフォルメされた機械っぽいもの』も好きだったので、それを掛け合わせた世界を作っていこうと決めて、作品を作り始めました。

その学校の卒業制作で作ったものが、本当にもう今の感じでしたね。
当時はカラフルではなく、陶芸の焼き物としてやっていたのですけれど。それに色付けをしていったのが、今の形です。

10年ほど前、学校卒業後はしばらく絵に集中していたのですが、ちょっと落ち着いてきてから改めて立体のほうにシフトしていきました。
地元の小さなイベントから始めて、今に至ります。
立体制作に関しては、コロナ禍に入り家にいる時間が長くなりましたので、ちょっとやってみたいことをやろうかな、というところから改めて始めていきました。

「粘土作品は粘土だけで作らなきゃいけない」という固定概念が覆された

―作品制作にあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。

壺屋イナメ:一番大事にしていることは、色の組み合わせです。
人の心をぐっと掴めるような配色・色使いですね。
部屋に飾るものを作ることが多いので、作品があるだけで華やかに見えるように、慎重に色を選んでいます。

ただ、色に関しては、実はそれほど勉強していなくて…
とにかく自分がいいなと思った配色をスマホなどにメモしておいて、作品制作の時に色々引き出しとして使っている感じですね。
私は写真を撮ることが好きなので、お散歩とかする中でビビッとくる「いいな」と思ったものを写真に撮ったりして、集めているんですよ。
そうして撮った写真から、この色とこの色があるから綺麗なのかも、可愛いのかも、と分析してみたりして、制作の参考にしています。

―では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?

壺屋イナメ:森屋たいとさんという、粘土で女の子のフィギュアを作っている作家さんがいらっしゃいまして…
私自身が作家になる前、まだ高校生くらいだった頃に初めて見たこの方の作品が、粘土で作ったフィギュアにつけまつげがついていて、頭に顔が二つある、みたいな作品だったんですよ。
それを見た時、「自分の中にあるデザインを、こんなにしっかり表現できるんだ」という衝撃を受けましたね。
森屋さんの作品に出会ったお陰で、「粘土の作品は粘土だけで作らなきゃいけない」「キャンパスに描く時は絵の具と画材しか使っちゃいけない」という固定概念が覆されました。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?

壺屋イナメ:私は絵がそんなに上手じゃなく…画力が高いわけではないので、その分デザイン面で勝負しようと思っていまして。
なので、とにかく外に出かけて新しいアイディアをインプットしてみたり、写真を撮ってみたりしているんです。
以前は、自分の世界を作る練習として、撮った写真を出力し、ひとつの作品を作るつもりでコラージュを作ってみたり…そのコラージュから受けるイメージを文字にしたり絵にしたり、ということをたくさんしていました。
元々、趣味でコラージュを作っていたのですけれど、自分のデザイン性を磨くために、もっと具体性を持って『こういうイメージでコラージュを作ってみよう』とか。意識的にいろんなデザインを取り入れつつコラージュを作る、ということをたくさんしましたね。

―なるほど。ちなみに壺屋さんは、写真を撮ったり散歩に出たりなど、どれくらいのペースで外に出ようとか、何かルールや習慣を設けていらっしゃるのでしょうか。

壺屋イナメ:基本1日1回、15分くらい家の周りを散歩したり、1週間に1回はちょっと車で遠出してみたり、ということはしていますね。
新しいことをたくさん知れるので、楽しんでいます。

立体でもイラストでも、『わくわくドキドキ』を届けられたら

―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。

壺屋イナメ:私は現在、お仕事を取るという活動はあまりしておらず、オーダーなどのご依頼があれば作品を作ったり、イベントに参加して企業様に声をかけていただいた際にお話を受けたり、ということがメインになります。
今のところお断りするという機会もなく、お声がけいただいて事前にお話を聞いたものをお受けしている感じですね。
お声がけいただくお仕事に関しては、イラスト関係はあまりなく、立体的なもののほうが多かったりします。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?

壺屋イナメ:初めは、作品の目新しさなどで注目していただいていたのですけれども、いつ飽きられてしまうのかなとか、そういった不安はありましたね。
あと、私はお仕事も別でしていますので、継続して作品や絵の制作を続けられるかも不安ではありました。

でも、そもそもこの活動自体、自分が楽しくて始めたものですから。
誰かに気に入られることを意識するのではなく、まずは自分が満足できる作品を作ってこそ、その作品が誰かの心にも響くはずと思って、今は活動を続けています。

―今、初めて伺って衝撃を受けたのですが、別でお仕事をなさっていての、その活動量はすごいですね。日々の制作時間は、どのように取っていらっしゃるのでしょうか。

壺屋イナメ:平日は、17時半ぐらいまで仕事をしていますので、帰って色々してから1時間か2時間ほど制作時間が取れたらいいな、という感じですね。
週末はもう、ほとんど作品作りをしています。

―ありがとうございます。では、今の活動をしていて良かったと思うことを教えてください。

壺屋イナメ:この活動を始めて、イベントに出ることが本当に増えたのですけれども。
直接、面と向かって自分の作品を「好きだ」と言ってくださる方がこんなにいるんだと知れて、自分の作品で笑顔になってくれる方を見る度に、活動していて良かったなと思いますね。

―逆に、大変なことはありますか。

壺屋イナメ:作家活動が忙しいことを、友人や周りの方が知ってくれているので、遊ぶお誘いとかをすごく遠慮されてしまって…
なので、作家の交流関係はすごく広がっているのですけれども、プライベート面の交流関係がすごく狭まってしまっている、というのが大変というか、ショックなことですね。
イベントの告知を出しているからちょっと今はやめておこう、みたいな…時間は全然作るよと言っても遠慮されてしまうので、ちょっと難しいところかな、という思いはあります。
会いたいのですけれどね!

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。

壺屋イナメ:以前、お誘いを受けて個展を開いたことがあるのですけれど、もっと自主的に企画をして個展を開いてみたいなという思いがありますね。
あとは立体作品だけでなく、イラストにもちょっと力を入れて活動して、皆様にわくわくドキドキを届けられたらと思っております。

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