すごく心惹かれるキツネのぬいぐるみとの出会いが、最初のきっかけだった
―現在の活動内容について教えてください。
tama:現在は動物、特にキツネをモチーフにしたイラストを描いたり、そのイラストを使ったブローチなど、いろんなグッズや雑貨の制作をしたりしています。
企画展やイベントに参加したり、個展をしたり、クライアントワークをいただいたり、という感じの活動がメインになりますね。
初めはイラストではなく、ハンドメイド作品の販売がメインだったんですよ。
そこから数えると、今年で創作活動自体は13年くらいになります。
現在のイベント参加は、当落もあるので、年によってバラバラではありますけれど…大体2ヶ月に1回ぐらいは出展しているのかな、という感じです。
―では、現在の活動をお仕事にしようと決心したきっかけを教えてください。
tama:絵を描き始めて楽しいなと感じるようになったのは、恐らく小学生くらいの時だったかと思います。
ただ、そのままズルズルと描きながら…お仕事にできたらいいな、という気持ちはありつつも、それで「じゃあやろう!」と決心したというよりは、とにかく描いてSNSなどで発表していく、というところがメインでしたね。
そういった中で、ありがたいことにお仕事をいただいた、という流れでした。

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか?
tama:昔、犬を飼っていたこともあり…それで動物をモデルにすることが自然と多かった、というのが最初にありましたね。
動物も、とても好きだったので。
そんな中、ある時、ぬいぐるみの作家さんがいっぱい集まった展示を見に行ったんですよ。
そうしたら、そこにすごく心惹かれるぬいぐるみがありまして…それがキツネだったんです。
そこがまず、キツネが気になり出した、ひとつのきっかけになりましたね。
比較的人間の生活に近いところにいる動物ですし、犬猫にも似ていて、あと昔話とかにもよく出てきますよね。
そういう部分から、よりキツネに惹かれていきました。
その頃…10年くらい前は、まだ今みたいに色々、キツネのキャラクターなどがそこまで多くない感じがしていて。
どちらかというと和風の、神社にいるようなキツネが多い印象がありましたので、それとは違う方向性で発表できたらいいかなと思って、始めていきましたね。
リアルに描き込みすぎないデフォルメ感と、細かな部分で嘘を描かないバランス
―作品制作にあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。
tama:自分の絵の雰囲気からして、結構デフォルメしているというか、端折っている部分がありますので、メインとして描いている動物に対して、小物がリアルになりすぎないように、描き込みすぎないように、という全体のバランスは気にして描いていますね。
あと、4足で歩いている動物を2足で歩いている感じにデフォルメして描いているなかで、できるだけ気をつけていることもあります。
指の本数を合わせるとか、肉球がない動物は肉球を描かないようにするとかです。

―では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?
tama:幼い頃から、チャールズ・M・シュルツさんのPEANUTSがずっと身近にありました。スヌーピーですね。
なので、きっとその影響は受けているのかな、そこが根幹なのかな、とは思っています。
自分自身で絵を描いている上では、そこまで影響されているという意識はないのですけれど、それでも、きっとどっかであるんだろうな、と。
あと、シンプルな線と色数が好きなので、憧れる作家さんはそういう作風の方が多い感じがしています。
―なるほど。ちなみに、ハンドメイド方面でも、影響を受けた方などはいらっしゃるのでしょうか。
tama:特定の方ではないですが…自分が作りたい動物とかぬいぐるみとかブローチとかアイテムがあれば、そういうものを作っていらっしゃる作家さんの作品を見て、なるほどと、刺激を受けているという感じです。
最初に出会ったぬいぐるみの展示会に出られいた作家さんたちの影響が結構大きいかもしれません。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?
tama:美大受験するにあたり、鉛筆デッサンをやらなければいけなかったこともあり、頑張って描いていました。
その時の話になります。同じような題材で、いろんなの方の描かれた作品を見られる環境でしたので、自分のと比べて、こういうところが足りないなとか、課題点を見つけて意識するようにしていました。
あとは、実物を見て、できれば触ったりしてみると、理解を深められやすい気がしますね。
―なるほど、基礎力をそのように培われていったのですね。では、今の作風にするために、色やデフォルメに関しては、何か勉強などされたのでしょうか。
tama:最初にぬいぐるみがきっかけとして存在しているので、2足歩行の動物を描く時は、ぬいぐるみのデフォルメの仕方というか、頭があって、胴体があって、手足があって、という点は意識しながら描いている気がします。
4足歩行している動物を描く時は、現実に生きている動物を見ながら、描き込みすぎない程度に描いていく、という感じですかね。
『今現在を生きること』に集中して、不安を押しのけている
―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。
tama:大体は、SNSをきっかけにメールをいただいて、という流れが多いですね。
お仕事の優先順位としては、基本的にお受けするようにしたいので…
他の案件とバッティングしていないかとか、総合的に考えてご相談しつつ、進められるようにしたいなとは思っています。

―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?
tama:不安は湧いて出てきてしまうので、言い出すと際限がなくなってしまうのですよね。
なので、そこに囚われないようにしたいと思っています。
とりあえず、出てくる不安って、多くが未来に対して、これから来るかもしれないみたいな物事に対してのものなので、一旦そこは置いておいて、できるだけ『今現在を生きること』に集中しようと考えるようにしています。
「今を生きる」と言うとすごく難しい感じになってしまうのですけれど、具体的には何でも良いというか、考えすぎると何もできなくなってしまうので…
とりあえず何か描く、とか。縫い物をしてみる、とか。本を読むでもいいし、ゲームをするでもいいし、とりあえず今何かをしている、という状態にできたらいいのかなと思っています。
―ありがとうございます。では、今の活動をしていて良かったと思うことを教えてください。
tama:やっぱり、イベントや個展などに出た時、来てくださる方がいること、そういった方々から「面白い」とか「可愛い」と言ってもらえることですね。
SNS上でもそうですが、反応をいただけるのは嬉しいですし、良かったなと思います。
活動していなければ、きっと出会わなかった方達だったと思うので、すごくありがたいなと感じています。
また、クライアントワーク、個展、イベントなどの販売を通して実際にお金をいただける経験ができているのも奇跡的なことだなと思っています。
―逆に、大変なことはありますか?
tama:案出ししなければいけない時に、なかなか出てこなかったりとか。
描いてはいるけれど、なんか違うな、みたいにしっくりこないところがある時は、大変だなと思いますね。
ただ、それを超えた時は楽しいですし、そういう瞬間に喜びがあるのかなとも思います。
案出しなどで行き詰まった時は…ここ数年、ずっと描いているのは動物なので、その動物が出ている写真集とかを見て、「ああ、この動物ってこうだったよな」と再認識できると、その後スムーズに進められるような気がします。
あとは自主制作をしていると、物理的な意味で、グッズの管理が大変ですね。
そこはずっと課題だなと思っています。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。
tama:第1に、キツネは変わらず描き続けていきたいし、動物も描き続けていきたいなとはずっと考えています。
その中で、今までに2回カプセルトイを作ってもらったことがあるのですけれど、またカプセルトイの機会をいただけたらいいなと思います。
動物園とか水族館とか牧場とか、動物関連のことでイラストのお仕事をできたら嬉しいなという想いもありますね。
最後に、初期の頃は、ハンドメイドでぬいぐるみを作ったりもしていたのですけれど、ちょっと事情があってストップしていましたので、それを最近、再開したんですよ。
これをきちんと形にして、遠くない内に発表できるようにしたいなと考えています。

