10年間ずっと、パティシエをしていた
―現在の活動内容について教えてください。
かなち。:主にLINEスタンプや絵文字の制作とSNS活動をしていて、時折イベントに出店しています。
イベントはたまに出るくらいで、今後も含めて年に2~3回出るのが目標です。
他に、個人のご依頼や、アイドル活動をしている方の生誕祭イラスト、Youtuberさんからのイラストオーダーも受けたりしています。
本格的に活動を始めたのは今(2026年)から5年ぐらい前で、LINEスタンプからのスタートでした。
―では、現在の活動をお仕事にしようと決心したきっかけを教えてください。
かなち。:きっかけは本当に些細なことで、成り行きから始まりました。
以前働いていた職場の方が、「LINEスタンプ作ってみたんだ」とおっしゃっていて、それがきっかけで私も作ってみたいな、という興味を持って始めたのがきっかけです。
もともと絵を描くことは好きだったのですけれど…私は10年間ずっとパティシエをしていたので、絵の専門的なこととかには触れてこなかったんです。
なので、右も左もわからないまま自分で調べながら、最初はスマホに指でお絵描きするところから始めて、趣味で描いていました。
その後、今メインキャラクターとして扱っている『たれ耳うさぎのもるちゃん。』が、俗に言うバズみたいなのが起きて軌道に乗ってくれたんですよね。
そこで当時お世話になっていた税理士さんに「開業したほうがいいよ」と言われて、2021年にイラストレーターかなち。として活動を始めました。
―すごいですね。お忙しいであろうパティシエとして働いている状態から、LINEスタンプを作り始めた際の、何かターニングポイントのようなものはあったのでしょうか。
かなち。:実はその時、コロナ禍だったんですよ。
なので、ケーキ屋さんも休業をしていて、お家で時間ができたこともあり…
職場の方から「LINEスタンプを作ってみた」と聞いていたのもそのタイミングで、私もやってみようかな、と考えたのが始まりでしたね。

―ご自身の作品スタイルや方向性については、どのように決められましたか? もるちゃん。の誕生秘話なども含めて、教えていただけますか。
かなち。:実は、作品スタイルというか、もるちゃん。が生まれるまで、それほど数を描いたわけではなくて…
落書きみたいな感じで描いて、もるちゃん。の絵を2個ぐらい出したタイミング運良くたくさんの方に見つけてもらえたという感じです。
なので、誕生秘話なども…結構ふわっとしていて。
犬かうさぎを描きたいというか、最初は、白いキャラクターを描きたいな、ということしか思い浮かんでいなかったんですよ。
そんな時に、ロップイヤーといううさぎを見つけて、自分流に描いたのが、もるちゃん。でした。
子供の頃から趣味で絵を描いていましたが、その時の絵のタッチも、ゆるーい感じのものを描いたりしていて、ふわっとしていたように思います。
キャラクターを愛してくれるフォロワーさん達とは、お友達みたいに仲良くしたい
―作品制作にあたって大切にしていること、意識していることがあれば教えてください。
かなち。:『ふわっとした、ゆるくてかわいいイラスト』というのを意識していますね。
かなち。らしさみたいなものを大切にしながら、描いています。
あと、あまり考えすぎないようにしていて、その場で描いたものを大事にというか、基本的に、描き直しをしません。
上手くいかなかったら全部消して最初から、みたいな感じで描いています。
私の場合、上手くいかないなと思ったその時点で、「上手くいかないからやめよう」という思考になってしまうんですよ。
特にそこに深い考えはないのですけれど、なので、上手くいかなかったら改めて最初から描くようにしている、という感じです。
それ以外に意識している部分としては、フォロワーさんやファンの方が、どんなイラストを見たいかな、ということを質問したり、リクエストを募集したりして、お声をよく聞きながら描いています。
―なるほど。ちなみに、どれぐらいのペースで絵を描いていらっしゃるのでしょうか。
かなち。:基本的には、何かしら毎日描いています。

―ありがとうございます。あと、ファンの皆さんやフォロワーさんの声を大切にしていらっしゃるということですが、何か「そうしよう」と思ったきっかけがあったのでしょうか?
かなち。:そうですね。活動を始めた頃ありがたいことに、SNSのコメントにリクエストがたくさんくるようになりました。
それで、そういった「フォロワーさんが見たいなと思ってくれるもの」を描きたいな、と考えました。
あとは、フォロワーさん達とお友達みたいに仲良くしたくて。親しみやすさを感じてもらえたらというか、気軽に話しかけて欲しいなあという気持ちもあり、リクエストを募集しています。
―では、影響を受けたクリエイターさんはいらっしゃいますか?
かなち。:子供の頃から好きだったものに、影響を受けたりしていると思います。
サンリオとかハム太郎とかが好きで、そこから影響を受けているんですよ。
世界観がすごく好きなんです。
サンリオであれば、マイメロちゃんが特に好きなのですけれど、どのグッズを見ても、どのイラストを見ても「これはサンリオだな」と思えるのがすごいな、と感じていて。
ハム太郎であれば、ハムちゃんズがワイワイしているのが好きなんですよね。
なので私も「もちもち村」というものを作って、キャラクター達をワイワイさせています。
あとは、ザ・平成みたいな、子供の頃の筆箱や文房具にあったデザインが好きです。
また今、平成ブームが起きていますので、その辺りも取り入れたりしています。

―画力や作品のクオリティを上げるために意識していること、おすすめの方法などはありますか?
かなち。:私は本当に、絵を習っていたわけではないので、あまりはっきりしたことは言えないのですけれど…
私の場合、落描きみたいなゆるさを大切にしているので、うまく描くとかじゃなくて、とりあえずたくさん描いてみる、というところを頑張りました。
私はスタンプを描くことが多いのですけれど、時間がたくさんあれば、1日に20枚とか、一気に描いてしまいますね。
あとは、今でこそiPadで描いてますけれど、3年くらいずっとスマホに指で絵を描いていたので、そこが良い下積みみたいになったんじゃないかな、と思っています。
これからも『かわいい』を生み出しつつ、アップデートしていけたら
―現在は、どのようにお仕事を取っているのでしょうか。また、お仕事を受ける際の優先順位などもあれば、教えてください。
かなち。:お仕事は基本的に、SNSからのご連絡で受けている形です。
LINEスタンプやイベント出店のための制作をメインにしていますので…
オーダーが入ったらそちらを優先したりしますが、子育て中でもありますので、無理なくできる範囲でお仕事をさせていただいています。
優先順位と言いますか、お声がけいただいた時に考えることとして、自分ができそうなものや、ファンの方が喜んでくれるかも、と思ったお仕事は、積極的にやっていけたらいいなと思っています。
―クリエイターとして活動する上で、不安などはありましたか?
かなち。:実はここ最近、始めた頃より、メインであるLINEスタンプがちょっと伸びなくなってしまって、難しいなあと感じています。
それに、可愛いキャラクターがたくさんいる世の中で、埋もれてしまうという不安もあるのですけれど…
ファンの方からいただいたメッセージとかお手紙を読んで「大丈夫、頑張ろう」って自信をもらっていますね。
あとは子供達が「ママの絵かわいいね」と言ってくれるのが嬉しくて、それが結構、原動力になっています。

―ありがとうございます。では、今の活動をしていて良かったと思うことを教えてください。
かなち。:キャラクターを通して、たくさんの出会いがあったことですね。
それから、フォロワーさんのお声のおかげで、昨年はプライズ化という夢も叶えていただいたので、すごく感謝しています。
あと、イベントに出店するようになって、偶然見かけてくださった方が「このスタンプ使ってます」と声をかけてくださる機会が何度かあって、とても嬉しいなあと思いました。
たまたま始めた、という活動だったのですが、私の落描きみたいなスタンプが、今ではたくさんの方の手に渡って使っていただけることが、自分の中では奇跡というか、とても幸せに感じています。
―逆に、大変なことはありますか?
かなち。:たくさんのキャラクターが存在している中、今はAIでもキャラクターや絵が作れる時代になってきましたよね。
そんな中で、人とかぶらないイラストって何だろう、と考えてしまうようになりました。
前はただ楽しく描いているだけだったのですけれど、最近はその悩みでたまに手が止まってしまうことがあります。
やっぱり、自分の中で何も考えずに描いた絵のほうが楽しそうで好きなので…
どうしても上手くいかない時とかは、ファンアートを描いて息抜きをしたり、敢えて向き合わず、デジタルデトックスをするようにしていますね。

―それでは最後に、今後の目標や展望を教えてください。
かなち。:ふわっとしていて申し訳ないのですが、原点であるLINEスタンプは、めげずに今後も力を入れていきたいと思っています。
あとは、イベント出店もまだ数えるぐらいしかできていませんので、行ったことのない地方で出店することが目標です。
今までもこれからも、応援してくれる皆様と一緒に、キャラクターのもるちゃん。を可愛がっていきたいので、今後は配信などを企画して、もっと交流できたらいいなと考えています。
まずは手の届くところから始めていきたいのですけれど、これからも『かわいい』を生み出しつつ、アップデートしていきたいですね。

