つながりと成長を感じるイラストレーターの喜び
―今はどのような活動をされていますか?
上仲: 美山町や伏見稲荷・花屋などでイラストを描いたポストカードなどを販売しています。
あとは個展やグループ展に出展しています。その他にはカレンダーのイラストなんかを制作していますね。
―イラストレーターとしてのお仕事がメインですか?
上仲:そうですね。あと、その他にもイラスト教室もやっています。
―すごいですね!一般の方向けですか?
上仲:そうですね、楽しいですよ。イラストを描いてもらって、市民センターでやっている文化祭で発表するっていう流れです。
―面白いですね!これまでにイラストレーターとして活動している中で良かったことはありますか?
上仲:いくつかあります。
コミュニケーションをとることが苦手なのですが、作品があるとその話が出来ますね。例えば作家さん同士とかでも作品が一個あると、もう何時間でも喋れるくらい話が盛り上がります。コミュニケーションのツールになるっていうのが大きいですね。
もちろん頑張って描くと喜んでもらえたりすることも良い所だと思います。自分が一生懸命描いたものを人から「良いね」と言ってもらえると、とても嬉しいです。
あとは自分がやったことが全部形に残るところです。美術作品って描いたら描いただけ残っていくので、久しぶりに初期のころの作品出してくると、自分の成長が良くわかるしデッサンしても枚数がどんどん増えていくので、達成感が目に見えて感じられて良いと思います。
―逆に、どんなところが大変ですか?
上仲:絵に関して苦労はあまりないです。例えば個展とかグループ展とかで作品を作らなきゃいけないってなったときに、制作で困ることっていうのはあんまり無いです。逆に絵を描く以外の営業に行くとかメールを毎日チェックして返すとかそっちのほうがわりと大変です。例えばこうやってインタビュー受けるとか(笑)
あとは作品を買っていただくので、例えば額や箱に傷がないかとかそっちのほうがわりと気を遣います。
―作品を作る上で大事にされていることはありますか?
上仲:他の人の絵を見ていて思いますが、いいなって思う作家さんの特徴が2つあります。1つは絵自体がすごく素敵な作家さんで、もう1つが、モチーフに対して愛がある作家さんです。例えばさかなクンの絵って魚への愛が溢れているじゃないですか。
そうやってモチーフに対してすごい興味があることが伝わってくると、自分の中でいいなと思います。
だから僕も動物の絵を描くときに、対象の動物のことを色々と調べてから描きます。
例えば漠然とペンギンを描くのではなくてコウテイペンギンにしたりとか、南極の山脈を調べてヴィンソン・マシフを描いたりとか、オオサンショウウオとかだったら前足は指が四本で、後ろ足は五本とか。
そういうことが自分の中では大事です。そこでオオサンショウウオの前足の指を五本にしても気にする人は殆どいないかもしれないけど、自分の中ではダメな間違いだと思っています。それってオオサンショウウオに興味が無いってことなので、そこにはこだわりがあります。
―見た目の感覚をそのまま描くっていうだけじゃなくて、深く調べて愛着を持って描きたいっていうことですか。
上仲:そうですね。母が北海道の大学で動物の研究していたことも関係しています。
―お母様の影響ですか?
上仲:そうです。大学卒業してすぐくらいに母に動物の絵を描いて見せると、曲がる方が逆だと指摘されるんです(笑)
そこらへんから結構自分の中で気を遣うようになって、それで動物を描く時に調べてから描くようになりました。知識を持って描くっていうのは自分の中では結構大事にしていますね。
ストーリーを描く
―今後の展望などありますか?
上仲:絵本を作りたいと思っていて、出版社に営業に行ったり、コンクールに応募したりしています。絵を描くときにストーリーを考えながら描くときがあるんです。
例えば、サンタさんがプレゼントを届けに行って森の中を歩いているとか、スキーをしている女の子が月を見ているとか、ストーリーを考えながら制作すること多いんです。
描いていると自然と一枚の絵からストーリーが生まれてくることもあるので、それを絵本で出版したいと思っています。
それと、漫画も描いてみたいです。
出版じゃなくて経験として一回漫画って描いてみたいなっていうのは思います。
―ファンの方、イラストを購入された方へ一言お願いします。
上仲:いつもありがとうございます。僕は、心底楽しんで制作をしています。
制作中心の生活ができて、本当に幸せだと思います。
自分の好きで描いたものが、ちょっとでも人の喜びとかポジティブな効果を与えているんだとしたら、これ以上幸せなことはありません。
これからも頑張っていくので、応援よろしくお願いします。ありがとうございました。