「チャレンジする姿勢を大切に」トヨダイズミさん(後編)

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作家として「挑戦し続けること」

現在はどういう活動を主にされていますか?

トヨダイズミ:今は作品を展示する活動がメインです。自主製作の本やグッズも作っています。

活動の中で良かったことを教えてください。

トヨダイズミ:絵描きって独りよがりなものなので、自分の中の世界をどれだけ紙に描けるかみたいなところをやっているんですね。それは表現力が追いついていなかったら多分伝わらないし、良いなとも思われないと思うんですね。ただそれに良いなとか欲しいなって思ってもらえるってことは、自分の考え方や自分の捉える世界を共感してもらえていることを感じて、なかなか言葉で表現できないことを絵に描いていますけど、そういう感覚を共有してもらえるっていうのは面白いなと感じていますね。

自身が思われている価値観や感覚を共有してもらえる人がいるみたいなことですか?

トヨダイズミ:そうですね。なんで伝わるんだろうっていう不思議な面白さとかがありますね。言葉じゃないのにそういうのが「分かる」って思ってもらえると、やっぱり絵をやっていて良かったなって思いますね。

絵を見てくださった方と直接お話されることもあるのですか?

トヨダイズミ:そうですね。Twitterのほうで声をかけて頂くこととか、展示に出ているときにお会いすることもあれば、感想ノートを置いているのでそちらにコメント書いてくださることもあるしお手紙くださる方も多いです。そういうのを通じて、絵を見てくださる方のいいなって思ってもらえる部分だって自分ではわかってなかった表現したいことに気づくようなこともありますね。

逆に苦労されていることや難しいなと感じるところはどういったところですか?

トヨダイズミ:個人でやっていることが一番大変です。あれもこれもやりたいとは思っていてもお仕事をしながら、自分の展示のことをしながら、いろんなことを並行してやるのはなかなかいつも苦労しているところではあります。自分の私生活もありながら、絵だけ描いてりゃいいっていうわけではないのでそこは結構大変だなって感じるときもありますね。

両立や時間配分ですか?

トヨダイズミ:そうですね。スケジュールをうまくしないと酷い目に遭うことがあります(笑)暇なときもあるし、なんか一週間に3つも来たぞ!というときもあるのでマラソンをしているみたいですね。

作家さんとして大事にされていることありますか?

トヨダイズミ:自分の感覚に正直でいるっていうことですかね。今ってすごくたくさん情報が入ってくる時代なので、素敵な表現だなって思うものもたくさんあるんですけど、そこにすごく引っ張られすぎても自分の絵じゃなくなるので。他の絵に埋もれないようにしようって頑張るよりは、自分の好きなものをひたすら描いているほうがいいだろうなって思っています。
あとは、絵柄なんかもあまり決めているつもりはなく、そのとき思いついた絵柄で描いたりそのとき思いついた画材で描いたりとか、結構色んなことをやっているんですけど、そういう姿勢を大事にしたいなっていうのは思っていますね。チャレンジしていきたいっていうか。

描き方もアナログもあればデジタルもあるし、水彩もあればいろんな表現もあるしっていうことですよね。

トヨダイズミ:そうですね。挑戦していると結果的にこっちでやったことがこっちに還元できるみたいなこともあるので思いついたらどんどんやってみようと思っています。

挑戦、いいですね!そこに情熱を感じます。

トヨダイズミ:行動力はあんまりないですけど、卓上でできることだったらなんでもやってみたいなと思っていますね。

お話を聞いていて、周囲の刺激を受けて、その上で色々な観点から挑戦を続けてらっしゃるように思います。

トヨダイズミ:現実で満たされていたら絵を描くこと続けてないと思うんですよね(笑)
他に楽しいことがあったらそっち行っちゃっていたと思います。そうじゃなかったんだろうなって。結局あんまり人と付き合ってずっと遊んでいたいタイプではないし、思い通りにならないことが結構あって、そうなったときの拠り所じゃないですけど、絵を描いていて自身の機嫌が良くなることがひとつでもありゃいいやって思っていますね。

絵を描く上でどうインスピレーションを受けたり、描きたいものを見つけたりされますか?

トヨダイズミ:感覚としてはずっと変わらないんですけど、子供の頃に満たされない思いとかが結構あって、結構いじけた心を持っている子供だったんです。どっちかというと気分が落ち込むことを経験している子供だった自分に対して、それでも大人になれるから大丈夫だよっていう。元気なものっていうよりはメランコリックなものが好きだったりしたので子供だった自分の気持ちに寄り添うものを多分描いているのかなっていう風に今思っていますね。

―画風にちょっと切なさみたいなものを感じます。

トヨダイズミ:そうですね。そのほうが好きですね。自分が共感できるものって言ったらどうしてもそっちになるのかなって。今はもう大人になって、あの頃と比べれば気楽に生きる術を知っているけれど、やっぱそうじゃなかった自分がいて、それはずっと残り続けるものなので、そこにちょうどフィットするものが心地いいのかなっていうのがありますね。

それを共感してもらえるっていいですね。ある意味子供の頃のことを肯定してもらっているというか。

トヨダイズミ:そうですね。自分のために描いているようなところがあるけど、絵を見ている方がそこに共感して気持ちが楽になる人がもしかしたらいるのかもしれないと思うと、やっぱり嬉しいですね。

これからも作家として活動するために

今後の展望や予定はありますか?

トヨダイズミ:継続が最大の目標ではあります。このペースでこれからも描いていきたいです。例えばこれまでに就職や出産で筆を休めるタイミングとかもあって、これからもそういうタイミングって何回も来ると思いますが、そういうことも乗り越えて「これからも描いていたい」いうのが一番目標です。やりたい仕事があるとかそういうのはあまりなくって、目標は継続ですね。

継続していくためにも色んな挑戦をされているんですね。

トヨダイズミ:そうですね。一つのことやっていたら飽きてしまうので、自分が飽きないように色んなことをする意味かもしれないですね。描いていて楽しいなって思える状態をキープして、健全な心で描いていたいんです(笑)

それでもやっぱり追い込まれることってありますよね(笑)

トヨダイズミ:そうなのですよ。でも間に合わせでやっているとそれってやっぱり絵に出るし、それが出たものをあとで見ると嫌だなって思いますし、例えスケジュール的にきつくても楽しんで描けるようにしたいな、一つ一つ大事にしたいなっていうのはすごく思いますね。

最後にファンの方に一言お願いします。

トヨダイズミ:いつもありがとうございます。マイペースに描き続けるので見守っていただけたら嬉しいです。

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