「自分の作品を自分が好きであること」平良菫さん(後編)

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自身の「理想」を表現する

―活動されている中で良かったことはありますか?

平良:作品を購入してくださった方の思い出とともに作品があるということが、私にとって本当にうれしいことです。そこが活動したい理由でもありますね。

反応や感想をSNSでいただいたりすることもあって、それを見たときが作品を作っていて本当に良かったと思える瞬間です。

―苦労していることはありますか?

平良:描けなくなったりしんどくなる時期はありますけど、それをどう理性的に解決していくかみたいなところですかね。

―描けなくなる時期というのはどのような状態ですか?

平良:なんというか、自分の理想のところまでもっていけない時期みたいなのがありまして。

―それは技術的な問題ですか?それともそれ以外の部分なのでしょうか?

平良:それ以外の要因になってくるんじゃないかなと思います。結構メンタル的な面とかあったりもして。

―ちょっとネガティブな部分も…。

平良:そうですね。でも、そこもいい風に作品に出していけたら理想に繋がっていくかなと思っています。

イラストを拝見していると、とてもキラキラした綺麗で透明度がある印象です。制作の過程ではそういうネガティブな部分もあるのでしょうか?

平良:ちょっとだけネガティブ要素を入れたりするときもあって。あまり気づかれなかったりするんですけど。

―そうなんですね。ネガティブな要素には気が付きませんでした!

平良:それを自分の中でいかにして表に出さずに自分の中でどう昇華するかみたいな部分もあります。

―例えば?

平良:結構花をモチーフにすることがあるんですけど、花言葉とかが(笑)

人の顔を描くときもちょっとコンプレックスを表現するとか。

―こんなにも綺麗なイラストの中にネガティブな意味も込められていたのですね。

平良:どちらかというと、理想を描いているような形になるので、私自身は結構ネガティブかもしれないですね。

―描きたい題材はどうやって探しているのでしょうか?

平良:主に人を描きたいのですが、たぶん自分の中に美意識があるんです。
学生時代に先生に指摘いただいたことなんですが、「平良さんには謎の理想があるよね」と言われたことがあって。
顔の造形やシルエットだったり、言われてみれば漠然と理想があります。それを描き出す形で作っています。

―根本としては理想の人を描きたいという感じですか?

平良:そうですね。理想は日によって変わったりもするので、その時の理想を描き出して、それを作品にするみたいな。

―その理想はどうやって見つけているのですか?

平良:普段から本やテレビを見て、その時にこの人のこの目は綺麗だなと思ったり。他の作家さんの絵も見るんですけど、いいなと思った表現を記憶しておいて、作品を作るときにそこからアイディアを出しているという感じです。

―ご自身の理想を描くために、インプットを大事にしていらっしゃるのですね!

平良:そうですね。移動時間とかにSNSで作品を拝見したり、結構色々見ていますね。
色々なことから形は得ることが出来るので、何を見てもインプットできますね。

「人」を描く魅力

―作品を作る中で大事にされていることはありますか?

平良:自分自身が見てきれいな作品、自分が好きであることが大事かなと思っています。
自分が好きじゃなかったら相手も絶対に好きになってくれないとずっと思っているので、納得できたものだけを出すようにしています。

―平良さんは人をモチーフにした作品が多い印象ですが、人が好きなんですか?

平良:そうかもしれないです(笑)

―でも、人以外のモチーフも描かれていますよね。

平良:高校の頃は部活の影響で抽象画を描いたりしていましたが、その時から裏では人の絵を描いていました。

―小さい頃からイラストは好きだったのでしょうか?

平良:覚えているのは、小3くらいから友達と集まって描いていたりしていました。

―子どもの頃というと、漫画とかですか?

平良:そうですね。漫画の影響も大きいですね。

―昔は漫画を描きたいという気持ちもありましたか?

平良:昔は漫画の表紙などの模写をよくしていまして、あとはアニメの一部を模写したりもしていました。

―その時の模写していたことが、今に繋がっている感じはありますか?

平良:そうですね、イラストから写して版画を作るっていう意味ではその時の感覚があるかもしれないですね。

―人を描く魅力はどんなところにあるのでしょうか?

平良:やっぱり、一番身近だからですかね…。
身近だからこそ、こういう形であってほしいみたいな(笑)そういう面があるのだと思います。

―人の造形として綺麗な所を描くことが好きなのでしょうか?

平良:そうですね。内面でも、何と言うんでしょう…思うところがあって描き始めている部分はあります。

―では、描く人物に対しての背景や性格など、ある程度イメージされながら描かれているのでしょうか?

平良:背景や性格は作らないようにはしています。どちらかというと私の心情に近い感じですね。

―その時の気持ちや感覚の表現ですか?

平良:表現が近いかなと思いますね。毎回描いている人のモチーフは私の頭の中で作った人を描いていて、私の理想の形をしているんですけど、描き始める要素としては多分今の心情から描き始めることが多いですかね。

―作品の人を通して平良さんがいる感じですね?

平良:いたらいいなぁ(笑)

―そういうことですよね(笑)気持ちを表現しているのですもんね。

平良:ただそれを直接知られるのは恥ずかしいみたいな所はあるので(笑)

―人を描く上で大事にしていることは「綺麗だと思うものを描くこと」とのことでしたが、その上で自分の負の感情も表現されていますよね。綺麗なだけだとダメなのでしょうか?

平良:なんか、そこも綺麗だと思うんですかね…?美しいのには棘があるではないですけど。
そういう、本当にきれいだけで成り立っていないからこそ、強く綺麗みたいな。

―今後こういったことがしてみたいという展望や予定はありますか?

平良:描いた絵が誰かに届くことが好きなので、色々な人に作品が届いてほしいなという気持ちがあって、今後はそこにも力を注いでいけたらなと思っています。

―最後にファンの方に一言お願いします!

平良:応援して下さってありがとうございます。これからもご期待に添えるように精進していきます。

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